アイリスオーヤマは11月12日、テレビ「LUCA(るか)シリーズ」の新製品を発表。テレビ番組表のジャンル情報をベースに、画質と音質を自動調整できる「AIオート機能4Kチューナー内蔵液晶テレビ」です。ラインナップと参考価格(税別)は、75V型「75XUC35」が328,000円、65V型「65XUC38VC」が178,000円、55V型「55XUC38VC」が129,800円、50V型「50XUC38VC」が99,800円、43V型「43XUC38VC」が94,800円。発売は11月25日。
リモコン操作なし。AIが自動で映像や音質を調整
シリーズ最大の特徴は、製品名にもなっている「AIオート」機能。これはスポーツやニュース、映画など、視聴している番組のジャンルを自動的に判別し、ジャンルに合わせて画質や音質を自動調整する機能です。番組ジャンルに適した調整を施し、たとえば音楽番組なら音楽がダイナミックに聞こえる音質調整、スポーツ番組なら選手の表情や動きがはっきり分かる映像調整をします。
他社製品の多くにも、映画やスポーツなどのジャンルに合わせて画質や音質を調整する機能はあります。ただ、リモコンを使って番組ジャンルや画質モードを選ぶ操作性だと、意外と面倒。製品によっては「メニュー」→「設定」→「画質調整」などのメニュー階層をたどる必要があり、面倒になって利用しなくなることも多いのです。
今回のAIオート機能4Kチューナー内蔵液晶テレビは、リモコンの「AIオート」ボタンを押すだけで、テレビが自動的に番組表情報から番組ジャンルを判別。そのジャンルにあわせた画質・音質調整を実行するのが特徴です。もちろん自動調整をオフにするのも、リモコンのボタンひとつ。自動調整の種類は、「標準」「ダイナミック」「映画」「スポーツ」「アニメ」「ニュース」「音楽」です。
高齢者に嬉しい「はっきり」ボタンの搭載
AIオートとともに追加されたのが「はっきり」機能です。こちらもリモコンのボタンを押すだけで、明るくハッキリしたコントラストの映像、人の声が聞こえやすい音質に調整します。人の表情や文字スーパーなどがハッキリと分かりやすくなり、さらにドラマやニュースなどのセリフやコメントが聞きやすくなります。
アイリスオーヤマによると、人は年齢とともに視力や聴力が変化し、細かな絵柄や表情が分かりにくくなったり、音声が聞き取りにくくなりやすいといいます。はっきりボタンは、高齢化で衰えやすい視力や聴力を考慮した画質と音質のチューニングをしているといいます。
アイリスオーヤマならではの音声操作機能を搭載したモデルも
アイリスオーヤマのテレビでは、特別な設定なしで音声操作ができる製品が特徴的でした。今回のAIオート機能4Kチューナー内蔵液晶テレビも、65V型、55V型、50V型、43V型の4モデルには専用の音声操作リモコンが付属。この専用音声操作リモコンだけで「てれびをつけて」「おとちいさく」「さんちゃん」など、28種類の操作ワードでの操作に対応します。テレビを購入したあと、自宅のWi-Fiやスマートフォンとテレビを連携させたり、スマートスピーカーを使ったりする必要はありません。
75V型のみ、音声操作リモコンは付属なし。75Vサイズのテレビは、店舗やロビーといった業務用途で使われることが多いからだそうです。
なお、有線LAN端子はありますがデータ放送用で、インターネットに接続する機能は持ちません。YouTubeやNetflixといった映像サービスには対応していない点や、スマートスピーカーとも連携しない点には注意です。
4Kをはじめとしたトリプルチューナーを搭載
「AIオート機能4Kチューナー内蔵液晶テレビ」の名前の通り、4Kチューナーを搭載。4Kを含めたチューナーは3基あり、番組視聴中に2番組を同時に録画することも可能です。4Kチューナーは2基内蔵しており、4K放送を視聴中に、別の4K放送と地上・BS・CSデジタル放送から計2番組を同時に録画することも可能です。
「AIオート機能4Kチューナー内蔵液晶テレビ」の詳しいスペックは以下の通りになります。
今回、筆者も製品を実際に体験しましたが、正直に言えば画質や音質にこだわる人に刺さるような製品ではないでしょう。とはいえ、比較的リーズナブルな価格帯で、大画面、4K、トリプルチューナーを搭載、簡単な音声操作が可能。さらに、映像や音声を強調する高齢者に優しい「はっきり」ボタンなど、「そこそこの画質で家族みんなが楽しめる」という要素はしっかり備えています。低コスト&家族で楽しむためのテレビとして注目してみはいかがでしょうか。