愛想笑いとは、自分の気持ちや意見には関係なく、周りに合わせて笑顔を振りまくことです。相手に気を遣いたいときや、自分自身を魅力的に魅せたいときなどに愛想笑いが有効です。
しかし気を遣いすぎて、愛想笑いをストレスに感じてしまう人が多いのも事実でしょう。本記事では、愛想笑いをする心理やストレスに感じる理由、しないためのコツなどをまとめています。
愛想笑いに意味はあるのか?
ビジネスやプライベートでついつい愛想笑いをしてしまう人もいるでしょう。特に日本においては、愛想笑いがコミュニケーションを円滑にする潤滑油のような役割があります。
空気を読むことを重要視されるシーンでは、人間関係を円満に保つために必要とされているスキルのひとつです。すべてを愛想笑いで済ませるのも問題でしょうが、意味があることは間違いありません。
愛想笑いをしてしまう心理とは
周りから浮かないように話を合わせ、周りに嫌われないように気を遣う人は愛想笑いをすることが多いです。自身が愛想笑いをするシーンを冷静に振り返ってみると、理由が見えてきます。
自分の意見を通さずに笑ってすませる人には、それなりの心理が働いていると言えます。そのときの心理や得られる効果などにも着目していきましょう。
■場の雰囲気を壊したくない
自身の何気ない一言で、場の空気が一変してしまい間が生まれてしまうことを苦手とする人がいます。そういった人は大抵、場の空気を壊さないように愛想笑いをしがちです。
グループの中で積極的に発言をしている人や会話の中心にいる人がいれば、愛想笑いをすることで話し合いなどはスムーズに進む効果があります。
■嫌われたくない
過去に自らの発言や行動で、相手の気分を損ねてしまった経験があると自身の意見を主張するのが怖くなってしまいます。そのトラウマから周りに嫌われないように、愛想よくいつでもニコニコしている人も少なくありません。
特にビジネス上で長い付き合いにある人が相手ともなれば、余計に当たり障りのないよう愛想笑いをする機会が多いでしょう。
■相手に気持ちよく話をしてもらいたい
自然に愛想笑いをしながら、絶妙なタイミングで相づちをうてる聞き上手な人がいます。この場合の愛想笑いは、「相手に気持ちよく話をしてほしい」という優しさに由来しているものでもあります。
自然に愛想笑いができれば、これは社会人生活で有利なスキルになるでしょう。相手が上司や取引先なら、よい印象を与えられます。
■どのように反応していいかわからない
相手がどんな反応を求めているのか、どんなことで不快に感じてしまうのかわからない際は、愛想笑いが有効的な場合もあります。また噂話や悪口などを聞くときには、何か返事をしてしまうと同意したと思われかねないので、愛想笑いでその場をしのぐという選択肢もよいでしょう。
■愛想のいい人だと思われたい
どんなときでも、どんな相手に対しても笑顔で対応している人は魅力的に映ります。実際にいつもニコニコしている人は、先輩や後輩・同僚からもイメージがよいことが多いはずです。
そんな人になりたいという気持ちで、頑張って愛想笑いをしている人もいます。いつも笑顔でいるので、人当たりもよく周りからも話しかけられやすいという効果を得られます。しかし無理して続けていると、ストレスに感じるので注意が必要です。
愛想笑いがストレスになる理由
自分が楽しくなくても、少し嫌な気分になっていても笑い続けるのが愛想笑いです。無理に続けていれば、周りとよい関係を築けていても、笑うことに疲れてストレスに感じてしまう事態も起こりえます。
愛想笑いによって築かれている関係は、本物でしょうか。心が疲れ切ってしまう前に、愛想笑いがストレスになっていることに気づくことも大切です。
■とにかく疲れる
人間とは喜怒哀楽という感情がある生き物です。しかし、愛想笑いが上手で自身の感情を隠しながら生活をしている人もいます。
感情を隠して、いつも笑っている生活を続けていれば疲れないわけがありません。常に気を張っている状態を続けているので、疲労困憊状態になっている人も多いでしょう。
誰かと会うのが苦痛になっているときには、愛想笑いがストレスになっている可能性があります。
■勘違いされる
愛想笑いを自然に続けていると、相手は「自分を見て楽しんでいるのだな」と思ってしまいます。本心で楽しんでくれている、笑ってくれていると思い込み、余計に話が長引いてしまう可能性もあります。
これは相手との関係性にもよりますが、親しくない間柄だとストレスに感じてしまうでしょう。だからと言って、突然感情を表に出すこともできないので、ストレスを抱いたまま無駄にも感じる時間を過ごしてしまいます。
愛想笑いをしないためのコツ
相手にとってよかれと思って続けている愛想笑いも、自分がストレスを感じたままでは疲れきってしまいます。人間関係に疲れを感じてしまったら、思いきって愛想笑いをやめてみるのもひとつの策です。
今まで愛想笑いをしないと築けないと思っていた人間関係も、意外とよい方向に向かう場合があります。人間関係を見直したり、自身の感情を出してみたりすると新しく見えてくるものがあるはずです。
■人間関係を考え直してみる
話がなかなか合わなかったり、いつも気を遣ってしまったり、会うことがストレスに感じるときがあります。お互いに表面上の付き合いを続けて、愛想笑いをしていてもよい関係は生まれません。
そのようなときは、一度人間関係を見直してみるのもコツのひとつです。無理して参加していた付き合いも、何か理由をつけて参加するのをやめるだけでもスッキリします。「気を遣わないといけない人から離れる」「誰にも会わない日を作る」などして愛想笑いをする時間を減らしましょう。
■愛想笑い以外の反応もしてみる
「周りに嫌われないように」「場の雰囲気を乱さないように」と愛想笑いを続けていた人にとっては難しいかもしれませんが、愛想笑いだけですまさずに別の反応もしてみてください。
相手の会話に驚いたり、わからないことを聞いてみたりと些細なことで問題ありません。愛想笑いだけで話を聞いているよりも、相手がいきいきと話せることがあるかもしれません。そして自分自身も、ただ話を聞いているだけのときより、楽しい時間を過ごせるようになるはずです。
■周囲の反応を気にしすぎないようにする
どんな人格者や愛想のいい人と言われている人でも、すべての人間に好かれるのは無理です。「嫌われないように」と周囲の目を気にして愛想笑いを続けているようならば、いっそのことやめてみるのも手段の一つです。
もちろん、ムスッとしていてよいわけではありません。少しだけ自分の感情の口に出し、角が立たないように愛想笑い以外のリアクションを取るようにしてみましょう。
愛想笑いをする心理を正しく理解しよう
愛想笑いをすることでのメリットはあります。しかしそれをストレスに感じているようなら、しないためのコツを取り入れるのも大切です。愛想笑いをやめることで、新しい人間関係も見えてくるかもしれません。
愛想笑いをする心理を知ることで、自身や相手と向き合って一歩踏み出した人間関係を築いていきましょう。