素のiPhone 12とminiになくてPro/Pro Maxにあるものといえば、「LiDAR(ライダー)」。レーザー光を照射し対象物までの距離を測定、その位置や形状を把握するなどの目的で利用される光センサーの一種です。Pro/Pro Maxでは暗い場所で写真撮影するときのピント合わせ(オートフォーカス)に活用され、ナイトモード時の撮影でもピンぼけしにくくするなどの効果をあげています。
しかし、ライダーの用途はそれだけではありません。iOS 14.2の拡大鏡アプリには近くの人間を検出する機能が追加されていますが、そこにライダーが活用されているのです。この変身ぶり、名前が名前なだけにこれまで仮面をかぶっていたのかもしれません。
使いかたはかんたん。サイドボタンをトリプルクリックすると現れるメニューから拡大鏡アプリを起動し、画面左下にある歯車状の設定ボタンをタップ、現れた画面にある「人の検出」をコントロールに追加します(緑の「+」をタップ)。元の画面に戻ると人と人が距離をとっているデザインのボタンが追加されているので、それをタップすれば人の検出がオンになり、以降はリアカメラを人間に向けるだけで、iPhoneとの間の距離を測ることができます。
拡大鏡アプリはリアルの人間かどうかの判定をリアルタイムで行うため、測定される距離はつねに変動します。頭部や腕など体の一部にも反応しますが、雑誌の顔写真やテレビの映像といった2次元情報には反応しません。iPhoneに搭載されているLiDARセンサーの仕様上、めやすとして5mを超える距離は測定できないことにも留意しておきましょう。