スマートウォッチの購入を迷う理由に、「普段運動をしないので役に立たないのではないか」というものがあります。最近のスマートウォッチはたしかに運動サポート機能が進化していますが、運動不足の人にこそ便利な機能も多いのです。
ファーウェイ・ジャパンの「HUAWEI Watch FIT」もそんなスマートウォッチの1つ。今回、HUAWEI Watch FITを使った、日常生活をより健康的に過ごすためのメディア向けセミナーに参加してきました。内容はストレスや睡眠負債など、現代人にとって気になるキーワードが盛りだくさん。HUAWEI WATCH FITがなくても実践できそうな、そしてオフィスでも手軽にできそうなストレッチも多いので、紹介しましょう。
セミナーの講師は、疲労回復専用というちょっと変わったジム「ZERO GYM」の立ち上げに関わった松尾伊津香氏。さまざまな観点から健康について語られましたが、ここでは「ストレス」「姿勢」「睡眠」という3つのポイントを軸に説明します。
ストレスが原因? 不調のもとになる「自律神経の乱れ」
「仕事をしたくない」と感じたことはないでしょうか? 松尾氏は、そんなとき身体の不調である「だるさ」と、単なる「やる気」を分けるのが自律神経の乱れだといいます。自律神経とは、内臓の働きや代謝、体温などの機能をコントロールするために、24時間つねに働いている神経のことです。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2種類があります。交感神経は「緊張」や「興奮」など、昼間の活動的なときに活発化。一方の副交感神経は、「鎮静」や「睡眠」など、夜間やリラックスするときに働きます。この自律神経は、ストレスなどが原因となって簡単に乱れるそうです。
ひと口に「ストレス」といっても原因はさまざま。ストレスの種類を大きく分類すると、以下の4つになります。
- 「心理・社会的」ストレス:人間関係や仕事量の多さなどによる。
- 「物理的」ストレス:季節や温度、気圧の変化、満員電車、悪臭といったものによる。
- 「生物的」ストレス:睡眠不足や病気、肩こりなどによる。
- 「科学的」ストレス:公害物質や酸素の欠乏などのによる。
原因が幅広いため、自分がいまストレスを受けているのか自覚しにくいこともあるでしょう。ストレスレベルを「見える化(数値化)」する機能を搭載したスマートウォッチを使うと、自分のストレス状態をある程度客観的に知ることができます。
セミナーで使ったHUAWEI Watch FITは、心拍数データからストレスレベルを測定。ストレスレベルをスマートウォッチとスマートフォンでチェックできます。一定以上のストレス値を超えると通知するどうですが、ファーウェイ・ジャパンのスタッフによると、そこまで高いストレスレベルになる人はなかなかいないとのこと。もし通知が来たら、かなり注意が必要ですね。
なお、自律神経を整えるには心や身体のケアが重要ですが、松尾氏はまず整えやすいフィジカル面からアプローチすることを推奨しています。
現代人に多い「新種の猫背」、姿勢の悪さがストレスのもとに
ストレスが自律神経の乱れに関係すると説明しましたが、現代はストレスの原因のひとつに姿勢の悪さが挙げられるといいます。なかでも、問題となるのが猫背。
昔から「猫背」というと悪い姿勢の代表格ともいえますが、松尾氏によると現代は「新種の猫背」が増えているそう。それが、パソコンやスマートフォンの画面を長時間見続けることで首が極端に前に出る「首猫背」。もうひとつ、キーボードなどを長時間利用することで肩が身体の内側に丸まってしまう「肩猫背」です。
これらの猫背に共通するのは、神経の圧迫。
自律神経は首から背中の骨(脊柱)の中を通っているのですが、姿勢が悪くなると自律神経が圧迫されて、ストレスを感じやすくなるんですって。順天堂大学の研究では、胸を張った「ハイパワーポーズ」と、身体を丸めた「ローパワーポーズ」の人を比較すると、ローパワーポーズの人はより多くのクロモグラニンA(ストレスを感じると増加する物質)を検出したそうです。
猫背に良いといわれているのが肩甲骨を伸ばすようなストレッチ。背中の後ろで腕を組んで伸ばすだけでも効果的です。また、HUAWEI Watch FITのフィットネス機能には、ズバリ「肩と首のリラクゼーションコース」という運動メニューがあります。正しい姿勢や動きをアニメーションで表示し、その運動にちょうど良い時間もカウントする機能です。運動に慣れていない人でも、短時間で効率的な動きができます。
そして、姿勢とともに重要とされいるのが呼吸。松尾氏によると、肩猫背の人は胸を丸めているため、正しい姿勢の人と比べて吸い込む酸素量が少ないんだとか。酸素量が少ないと、疲れやすい、集中力が続かないといった状況につながっていきます。
効果的なのは「深い呼吸」。大きく呼吸することであり、「深呼吸」とは異なります。深呼吸は一般的に「勢いよく吸って、勢いよく吐く」という呼吸なのですが、これだと効率的には酸素を取り込めていないんです。大事なのは、息の吸い始めと息の吐き始めに勢いを付けずに、大きくゆっくりと息を吸い切り、吐くときもゆっくりと吐き切ること。HUAWEI Watch FITも、この「深い呼吸」をサポートするような「呼吸エクササイズ」というモードを搭載しています。
睡眠不足はまわりの人の生産性まで下げる?
現代人ならではの問題として取り上げられたのは「睡眠負債」について。睡眠不足が身体に悪いことは、誰でも想像できると思います。松尾氏によると、普段より睡眠時間が16分短くなるだけで、集中力と仕事のパフォーマンスが25%低下するそうです。
中程度の不眠症に悩む人の生産性が「107%低下する」というデータもあります。数値が100%を超えている理由は、睡眠不足による生産性の低下によって、他人の生産性まで下げるから。睡眠負債は「自分が我慢すればよい」という問題ではないといいます。
最近は多くのスマートウォッチが、睡眠時間や質をチェックする睡眠モニターを搭載しています。HUAWEI Watch FITにも睡眠モニタリング機能があります。深い睡眠、浅い睡眠、レム睡眠、覚醒状態などを細かくモニタリングします。
ちなみに、「深いノンレム睡眠」は成長ホルモンが分泌される時間。体力を回復し、新しい細胞を作り、古い細胞を修復するため、若々しい身体をキープするのに必要不可欠です。一方、レム睡眠時は脳の記憶をつかさどる「海馬」とよばれる神経回路が強化されます。質の良いレム睡眠によって記憶力が向上し、昼間に脳のパフォーマンスがアップするといいます。
駆け足で現代人特有の健康について語ってもらいましたが、1~2分でできるストレッチや深い呼吸などは、スマートウォッチがなくてもできそう。セミナーで特に心に残ったのが「自律神経はストレスで簡単に乱れますが、軽い乱れなら簡単に戻せる」という言葉。ちょっとした心がけで仕事の「やる気」や「集中力」がアップするならうれしいことですよね。
「運動やストレッチを適切に行いたい」「定期的に運動を促してほしい」「自分の状態を把握したい」といった人は、ライフログ機能やフィットネス機能が充実したスマートウォッチを検討してみてはいかがでしょうか。運動を継続するには、いろいろなことの「見える化」はとても効果的ですよ。