仕事で課題に直面したときや上司・同僚との人間関係などで、どうしてもネガティブな方向に考えすぎてしまう人はいるでしょう。後ろ向きに考えすぎてしまうこと、悲観的なことを一般的に「ネガティブ思考」と言います。
しかし、ネガティブ思考はダメなことばかりではありません。仕事にも生かせる場合があります。本記事ではネガティブ思考のメリットやなぜマイナスな方向に考えてしまうのか、気持ちを切り替える方法などを紹介します。
ネガティブ思考のメリット - ネガティブ思考が最強のスキルともいわれる理由
ネガティブ思考というと後ろ向き、悲観的、内向的、心配性などマイナスのイメージがあり、悪いところしかないと思われがちです。しかし実はそうではなく、むしろビジネスや日常生活において有用なスキルだともいわれています。
まずはネガティブ思考にまつわるメリットをまとめてみました。
物事を深く考察できる
物事を悲観的にとらえてしまいがちなネガティブ思考の人は、裏を返せば安易なジャッジを下すことなく、「本当にこれで大丈夫だろうか」などと何度も自答します。
一般的な人ならば気にしない内容でもつい考えてしまう性格は、物事への深い考察につながる可能性があります。
ポジティブ思考、別の言い方をすると適当な人と比べて、より優れた答えにたどり着けるかもしれません。
リスク管理ができる
物事に対して深く考える慎重な姿勢は、失敗しないためのリスク管理という観点から見れば、非常に重要です。
仕事もプライベートも、「最悪の事態が起きてしまったら、どのように回避すればよいのだろう」と考えられるため、実際にアクシデントが起きたときなどは、落ち着いて行動できるでしょう。
一方でポジティブ思考の人は、「まあ大丈夫だろう」と考えたり、そもそもリスクに気が付かなかったりするので、最悪の事態に巻き込まれる、トラブルに遭いパニックに陥るなどの恐れがあります。
自分を成長させられる
自分がネガティブ思考だと実感している人は、普段の生活や仕事で「このままではダメなのではないか」「こうすればよかった」と考えを巡らせることもあるでしょう。
問題点などを深く考えた上でその改善点、反省点を見いだせれば、次回以降に大いに役立ちます。すなわち、自分自身の成長につなげられるかもしれないです。
ネガティブ思考になる原因や脳のクセとは
メリットもあるネガティブ思考ですが、そもそもなぜネガティブ思考になるのでしょうか。ここではネガティブ思考になる原因、考え方のクセをいくつか紹介します。
自分に自信がなく自己否定的
「どうせ自分なんて」「自分には無理」など、自己否定感が強く、自分に自信がない人はネガティブ思考になりがちです。
自分を過大評価している場合も
また一方で「自分はすごい人間なんだ」と自分を過大評価しているために、「私が失敗するなんてあり得ないのに、失敗したらどうしよう」「すごい人間だと期待されているのに、この発表内容だと不足しているのではないか」などと自身に過度なプレッシャーを与え、ネガティブ思考に陥ってしまう、ということも考えられます。
人間関係
人間関係などの外部環境がネガティブ思考になる要因になることもあります。
同僚、上司、家族、友人などの周囲にいる人がネガティブな言動を頻繁にしている場合、そのネガティブ思考が自分に伝播してしまうのです。
ネガティブ思考を切り替えて行動を変える方法
前述のようにネガティブ思考には多くのメリットがありますが、暗い気持ちになる、行動が消極的になってしまうなどのデメリットがあるのも事実です。深く考えすぎず、うまく気持ちを切り替えることが大事でしょう。
ここでは、ネガティブ思考を切り替えて、行動に生かすための方法を紹介します。
紙に書き出す
ネガティブ思考の人は物事を深く考慮するため、余計なことや漠然としたことまで考えてしまう傾向にあります。悩んでしまったときなど、ネガティブ思考に関わる出来事は紙に書き出して洗い出してみましょう。
文字に書き起こすことで、物事を客観的に、俯瞰して見ることが可能です。その結果、問題点の本質が浮き彫りになり、状況を正しく把握できます。実は悩んでいたことが「大したことなかった」ということにも気付ける可能性があるため、気分がすっきりするとともに、二の足を踏んでいた場合は、行動に踏み出すことができるでしょう。
できたことを探す
ネガティブ思考の人は、どうしても「できなかったこと」にフォーカスしがちです。しかし、物事に対してすべてできなかったかというと、そんなことはないでしょう。できたことを探して、自分を褒めることが大切です。
また今回は失敗してしまった、あるいはうまくいかなかったというときには、その理由を冷静に考えてみましょう。少し気持ちが落ち着き、ポジティブな思考に変えられる可能性があります。それを次回に生かせれば、失敗は失敗ではなく、成功へのヒントとなるのです。
ありのままを受け入れる
ネガティブ思考になると、「このままではダメだ」と無理にポジティブ思考になろうと考えてしまいがちです。ただ、無理に考えを変えようとするほど、ネガティブ思考から抜け出すのは難しくなる場合があります。また、できない自分が嫌になってしまい、さらに負のループに入ってしまう危険もあるでしょう。
前述のように、ネガティブ思考は悪いことではありません。できないことを否定するのではなく、ありのままの自分を受け入れることも大切です。長所としての魅力を発見できる可能性があります。
仕事におけるネガティブ思考の改善方法
目標や予算など仕事や職場はプレッシャーやストレスを感じやすい状況のため、ネガティブ思考になりやすい環境です。
仕事や職場におけるネガティブ思考の改善方法としては以下の項目があげられます。
- 手の届きそうな目標を立てる
- 小さな成功体験を積み重ねる
- 定期的に自分にご褒美を設ける
- なるべくポジティブな言動をする人と一緒にいる
これらの改善方法を用いてうまく気持ちや思考を切り替えながら、ネガティブ思考のメリットを生かしつつ、気持ちよく働きましょう。
ネガティブ思考をコントロールしてメリットを生かそう
ネガティブ思考は悪いことばかりではなく物事を深く考えられたり、危険を察知するリスクマネジメント能力があったりと、メリットもたくさんあります。普段の生活やビジネスシーンにおいて、役立つ場面も多いでしょう。
「ネガティブ思考は自分の個性である」と、ありのままの自分を受け入れることも大切です。ネガティブ思考をポジティブにとらえて、生かしていきましょう。