国土交通省は11~12月にかけて、ロシアを横断するシベリア鉄道を1編成借り上げる「ブロックトレイン」による貨物のパイロット輸送を実施すると発表した。
日本からヨーロッパ方面の貨物輸送において、1970~1980年代にかけてシベリア鉄道が活発に利用されていたが、1991年のソ連崩壊後、利用が激減していた。近年になって、輸送日数などの面で一定のメリットがあることからシベリア鉄道の活用が見直されるようになり、海上・航空輸送に続く第3の輸送手段として期待が寄せられているという。
こうした状況を踏まえ、国土交通省は2018年と2019年、コンテナ1本を対象に、シベリア鉄道を活用した貨物輸送パイロット事業を実施。3度目となる今回、さらに踏み込んだ形で利用促進に向けた課題を検証するため、1編成を借り上げ、日本からの貨物をヨーロッパまで輸送する。輸送する貨物は国土交通省が公募・選定した事業者の製品等で、精密機器・化学製品・医療機器・各種部品などとされている。
これらの貨物は、横浜港・神戸港・富山新港の3カ所から海上輸送され、11月13~14日にウラジオストク港に到着。ブロックトレインに積み替えられ、11月18日にウラジオストク駅を出発する。12月上旬にベラルーシのブレストおよびポーランドのマワシェビチェに到着し、鉄道とトラックでヨーロッパ各地に運ばれる。パイロット輸送の結果は2021年3月までに取りまとめるとのこと。