生まれついてのいわゆる「面倒くさがりな」人は、多くのシチュエーションにおいて「面倒くさい」と感じてしまいがちです。
本稿では、なぜそのように感じてしまうのかその原因や心理、ビジネスで面倒くさいと感じた際の対策法を紹介します。
面倒くさがりな人の心理
生来の「面倒くさがり」だと自覚している人はいませんか? あるいは、あなたの周りにそのような人は見受けられませんか? 面倒くさがりな人は、心中でどのようなことを感じているのかをまずご紹介します。
「後でやればいい」
例えば上司に報告書をまとめて提出するとなった際、「今やっても後でやってもその内容は一緒だから」などという心理が働き、後回しにしてしまうようなケース、ありませんか?
面倒くさがりな人は、緊急性が高いこと以外はすぐに着手したくない心理が他の人に比べて強く働いている可能性があります。
「他の人がやってくれる」
面倒くさがりな人は、なにかと「自分以外の人がやってくれるから大丈夫」と考えがち。仕事で雑務をしないといけないのに「やらなくても、見かねた同期の●●が代わりにやってくれるだろう」などと思い、自分から率先して行動をしない人が多いようです。
「やりたいこと以外はしたくない」
面倒くさがりだからといって、すべての行動やものに対して面倒くさがっている人はほぼいません。自分が興味を持っていたり、好きだったりする行動やものに対しては積極的な姿勢を見せますが、それ以外に対しては「時間の無駄」などと考えてしまうようです。
「自分から動きたくない」
「自分から動きたくない」というのも、面倒くさがりな人の心理にはよく見られます。何かをしたくても、言い出しっぺが自分ならばあれこれと準備したり計画を立てたりしないといけませんが、そういう過程を手間で煩わしいと感じて避ける傾向にあるようです。
面倒くさいときの原因
一方で、普段から真面目に仕事をしている人でも、急に面倒くさいと感じてしまうことがあります。面倒くさいと感じてしまう場合にはいくつかの原因があると考えられます。
仕事では常に自分のやりたいことができるわけではありません。中には、不本意な仕事をしなければいけないこともあります。不本意な仕事であれば興味を持てず、ふとしたときに集中力が切れて面倒くさいと感じてしまいます。
また、同じようなことを仕事で毎日繰り返していると、その繰り返しに飽きてしまい興味が薄れ、面倒くさいと感じるようになる可能性もあります。
仕事で疲れているとき
仕事で心身が疲弊している状態になると、気力が起こらなくなってしまい、何をするにも面倒くさいと感じるようになってしまいます。
また、頑張って気力を奮い立たせて行動に移しても、すぐに体力がなくなってしまうので、再び面倒くさいと感じてしまうでしょう。
ビジネスで「面倒くさい」と感じたときの対策法
面倒くさいという感情をそのままにしておくと、仕事が遅くなったり、ミスの原因になったりしてしまいます。面倒くさいという感情を早めに対処するために、原因に合わせて適したものを実践しましょう。
やることを細かく分解する
取り組むべき事柄が大きければ大きいほど、取り組み始めるのがおっくうになってしまうものです。そんなときは、やることを細かく分解するのがおすすめです。
締め切りに余裕がある場合には、やるべきことをまずは細かく分解し、毎日コツコツとやるべきことをこなしていくようにしてみてください。それにより、毎日の細かな達成感を得られるほか、取り組むまでの精神的な負荷が低くなります。
物事を難しく考えないようにする
仕事ではやるべきことや、将来のこと、人間関係など、複雑なことをいろいろ考えないといけません。しかし、複雑で難しいことを考え続けているうちに、疲れてしまって面倒くさいと感じてしまうことがあります。
そのような場合は、複雑な物事を単純に考えるようにして、「面倒くさいがやるべきことはやる」と開き直ってしまうのも手です。難しいことを考えないようにすれば行動しやすくなります。
とにかく手をつけてみる
難しいそうなことや退屈そうなことは、なかなか着手できず、結局行動に移せないということがあります。「難しそう」「退屈そう」と敬遠せずに、自分を奮い立たせてまずは取りかかってみましょう。
いざ着手してみたら、意外と簡単な作業であり、流れで最後まで進められる可能性もあります。作業の全体も見えやすくなるので、未着手のまま放置してしまい着手自体が面倒くさいという感情も和らぐでしょう。
優先度をつける
やるべきことが多すぎると、何から手をつけてよいのかわからなくて、考えることが面倒くさくなる場合があります。そのような場合はまず、やるべきことをリストアップします。そのあとに、それぞれの優先度を決めましょう。
何を、いつまでにやるべきかが判断でき、計画を立てやすくなります。また、計画が立つことで行動が起こしやすくなります。だらだらとタスクをこなす無駄な時間を削減でき、面倒くさい気持ちも和らぐでしょう。
柔軟性をつける
完璧主義な人は何事も完璧にこなそうとするので、1つの物事に対してかける手間と時間が増えてしまいます。また、「このような場合にはこのようにしなければいけない」などの行動を制限するような独自ルールを持っていることもあります。
1つの物事に対してかかる負担が大きくなると、面倒くさいと感じてしまうようになります。これを避けるために、固定概念にとらわれず柔軟に行動や考え方を変えられるようにしましょう。
面倒くさがり屋のネガティブ面
ここからは面倒くさがり屋のネガティブな点を紹介していきます。
行き当たりばったりになりがち
あらかじめ仕事などの予定を立てて対応するのを面倒に感じてしまうため、どうしても計画性に乏しく常にギリギリでの行動をしてしまいます。結果としてやることなすことのすべてが行き当たりばったりとなり、仕事でも成果を得られにくいでしょう。
周囲からネガティブなイメージを持たれやすい
面倒くさがりな人は「面倒だ」と感じる気持ちが言動に現れがちです。他の人がやっていることを一人だけやらないとなったら、周囲からの視線は自然と厳しくなります。そしていつしか、「あの人は面倒くさがり屋だから、何を頼んでもムダ」などと思われるようになり、周囲から浮いた存在になってしまう可能性があります。
面倒くさがり屋のポジティブ面
面倒くさがり屋は、周囲に良い印象を与えないことが多いです。しかし、面倒くさがりな性格にはポジティブな一面もあります。
細かいことを気にしない
あれこれと深く考えることも面倒くさいと思う傾向にあり、他の人であればなかなか決断できないことを、すぐに決断できる場合が多くあります。
また、落ち込んでしまうようなことがあっても、深く考えすぎずに気持ちの切り替えが早くできる人も多いでしょう。
効率的な方法を見つける
面倒くさがり屋は、やるべきことに対して、どれだけ手間と時間をかけずに行えるかを考える傾向にあります。
そのため、作業が完了するまでの最短ルートを模索したり、不必要な作業を省いたり、新しい流れを考えたりします。その発想力で自分だけでなく、無意識のうちに会社の業務の効率化に貢献することもあるでしょう。
集中力が高い
面倒な作業を後回しにしがちな面倒くさがりの人は、期限ぎりぎりで動き出し、時間がない中で作業をするというケースもみられます。
しかし、時間がないという追い込まれた状況で、やるべきことを仕上げるという高い集中力を身につけています。普段は面倒くさがることが多いですが、その集中力が発揮されたときのポテンシャルは大きいといえます。
面倒くさいときの対処方法を知ろう
面倒くさがりな性格には短所だけでなく長所もあり、必ずしも悪いことではありません。
しかし、面倒くさいと思ったままにしていると、後々トラブルの種に発展しかねません。面倒くさいと思ったときにはすぐに対応できるように、その対処法を把握しておくようにしましょう。