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【この記事のエキスパート】
ピアノ講師・元大手楽器メーカー勤務:山野辺 祥子
武蔵野音楽大学出身。卒業後某大手楽器メーカーの法人部に入社。
音楽教室の運営や講師指導のサポート、店舗接客、楽器セッティングなどを担当するイベントクルーとして全国を飛び回る。また、出版部に在勤中は楽譜校正、楽譜情報誌編集の経験も。
現在はピアノ講師のかたわらフリーランスライター、校正者として活動中。プライベートでは3児の母。
チューバを演奏するときに必要な「チューバ用マウスピース」。人によって唇や歯並び、口の大きさなどが違うように、チューバ用マウスピースも違います。本記事では、金メッキ・銀メッキ・ピンクゴールドなどチューバ用マウスピースの選び方やおすすめ商品をご紹介します。
チューバ演奏はマウスピース選びが大切
チューバを含む金管楽器を演奏するときには、マウスピースが必要です。またチューバは、自分の唇の振動で音を出す点が大きな特徴となる楽器です。そのため、サイズや素材・適した音楽のジャンルなど、豊富な種類のマウスピースから選び取る必要があります。
人によって唇や歯並びの状態、口の大きさなどによってぴったりとくる演奏しやすいマウスピースは異なります。自分に合ったマウスピース選びは、チューバの演奏に大きく影響するため慎重におこないましょう。
チューバ用マウスピースを選ぶポイント
それでは、チューバ用マウスピースの基本的な選び方を見ていきましょう。
【1】選び方の基本
【2】マウスピースのかたちやリム径を選ぶポイント
【3】試奏してみて音色を確かめよう
上記のポイントをおさえることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】選び方の基本
チューバのマウスピース選びで、チェックしたいポイントは次のとおりです。
・歯並びに合っている
・唇をあてたときに違和感がない
・長時間演奏しても疲れない
・その演奏で求める音色を引き出せる
・チューバ本体にマウスピースがしっかり納まる
適切なチューバ用マウスピースを選べば、自然にカップの大きさやリムの厚さ、管の太さや素材などがわかるようになります。ただし、マウスピースのずれやすさは、音程に大きな影響が。実際にはめてみてフィットするものかを確かめましょう。
▼材質をチェックしよう
チューバをはじめトランペットやトロンボーンといった金管楽器のマウスピースは、真鍮製が一般的です。本体を真鍮で成型して、銀や金でメッキされています。初心者ではじめてマウスピースを選ぶなら、真鍮製がコストパフォーマンスが高いのでおすすめです。
また、重量があって大きなチューバは持ち運ぶことが難しいですが、マウスピースだけはどこでも練習することができます。携帯用としてプラスティック製のマウスピースをチェックするということもしてみてください。
▼メッキの種類で音色が変わる
マウスピースの多くは金メッキまたは銀メッキでの表面加工がされています。
金メッキのマウスピースはなめらかな感触で、唇にあてたときにやさしい印象です。
一方で、銀メッキのマウスピースは、落ち着いた音色を表現できます。かためで安定感のある音色が特徴です。日本では金メッキより銀メッキのマウスピースが好まれていて、実際に使われる割合も銀メッキのほうが多くなっています。
▼「プラスティック」はバズィング時のアンブシュアのチェックに
バズィング時に必要なアンブシュアのセルフチェック。そんな使い方をしたいときはプラスティック製のマウスピースが便利です。透明の樹脂を使っているマウスピースを選ぶと、鏡で自分の演奏状態を映しながら、アンブシュアの状態を確認できます。
プラスティック製は丈夫でしかもリーズナブルです。外出時の持ち運び用に向いています。ただ、真鍮製のマウスピースよりは音色の出方がイマイチなので使い分けが大切です。
▼「銀メッキ」はやわらかく落ち着いた音色を表現
ソフトな音色で落ち着いた演奏表現をしたい場合は銀メッキの真鍮製のマウスピースが適しています。人数が多めのバンドでも音色が溶け込みやすいので、一体感のある演奏に近づきます。
安定感があるうえ、マウスピースのなかでもポピュラーな銀メッキのマウスピース。ボトムを支えるパートを担当している人なら、ぜひひとつは試してみましょう。
▼「金メッキ」は突き抜けるような華やかな音色に
ブラスらしい力強い演奏にぴったりの金メッキのマウスピース。華やかできらびやかな印象を与えます。音が遠くまで突き抜ける印象が強いので、派手なマーチや重厚な交響曲に向いているタイプです。
金メッキはその材質からプラスティック製や銀メッキ製より若干高めです。しかし、金メッキでしか表現しづらいパワフルな音色を求めるときにはぜひ検討してみましょう。
▼「ピンクゴールドメッキ」は華やかでソフトな音色に
ピンクゴールドとは、金メッキに銅を配合したもので、見た目の色の印象も非常にやわらかです。マウスピースにピンクゴールドのメッキ加工をすると、音色が金メッキ特有の華やかな印象にくわえて、よりソフトに変化します。
また、マウスピースが唇にあたる感触もやわらかくなって口あたりもなめらかに。銀メッキや金メッキのマウスピースで吹くと唇が滑りやすい方に適しています。
【2】マウスピースのかたちやリム径を選ぶポイント
マウスピースの内側にある細い管をスロートと呼びます。チューバの音を出すとき、吹き込んだ空気の圧力(音圧)の強さを左右するため音色に影響を与えます。選び方のポイントは、高音域を中心に明るくて軽快な音色にしたい場合は細長いものを、一方で太くどっしりと、音量の大きな音色が必要な場合は太さがあって短いものを選ぶことです。
ただし、スロート部分が太くて短いものほど、吹き込む空気の量が増えるため、長時間の演奏をするのは難しくなります。
▼リム径が影響する必要な持久力や出したい音量で
マウスピースのリム径の大きさは、演奏中の持久力の続き方や音量の大きさに影響します。内径の小さなリムのマウスピースほど高音域が得意で、音色も出やすく、ピッチのあわせ方が難しいものの長時間の演奏にも負担がかかりづらい傾向が。
一方で、大きな内径のマウスピースは大音量をらくに出しやすいのが特徴。しかし、持久力が求められるため、長時間の演奏にはあまり向いていません。
▼カップのかたちで出しやすい音域や音色が変わる
音を出しやすい音域はカップのかたちに大きく左右されます。チューバの場合は、音色のよしあしにおいてもカップの大きさが大切です。したがって、チューバ用マウスピース選びでは、カップのスペックの確認も欠かせません。
カップが浅めのマウスピースは高音域が得意で明るい印象を引き出せますが、音量はやや小さめです。一方で、カップが深めのものは音色は暗めになりますが低音域が出しやすい傾向があります。
▼スロート径のちがいは演奏時の抵抗感に関係
スロート径のちがいは演奏時の抵抗感に影響を与えます。マウスピースの内径で細い部分にあたるスロート径は、その長さやサイズによって抵抗感や音色が変化します。
細くて長めのスロートほど強い抵抗感が出るので明るくスピーディな音色に。一方で、太くて短めのスロートになると、抵抗感が少なくなるため疲れづらいですが、音量が大きく音色にダークな印象が加わります。
【3】試奏してみて音色を確かめよう
ここまでご紹介したチューバ用マウスピースの選び方を参考に、自分にあったものを選ぶには、ぜひ楽器店まで足を運んでみてください。店頭ではチューバ用マウスピースを試し弾きできるサービスをしているところが多いです。好みの音色を奏でるためにも、カタログから自分が選んだものと実際の音色や吹きやすさにミスマッチがないか確認しましょう。
元大手楽器メーカー勤務がアドバイス
求める音色や音量が叶えられるマウスピースを選ぼう
【エキスパートのコメント】
チューバのマウスピースは、音色や音量を左右する大切なパーツです。楽器本体との相性もありますが、マウスピースは直接息を吹き込む部分であるため、音の出かたに大きく影響します。
レビューなどを参考にしつつ、ご自身の楽器や口の形状によく合うもの、求める音色・音量が叶えられる1本をぜひ手に入れてください。また、ぶつけたり落としたりするとすぐへこむため、大切に扱うようにしてください。