東武鉄道は2021年冬の復元をめざし、作業を進めてきた蒸気機関車(SL復元機)に関して、車両番号を「C11形123号機」とすることを発表した。

  • 2021年冬の復元をめざす蒸気機関車の車両番号が「C11形123号機」に決定

この蒸気機関車は1947(昭和22)年、江若鉄道(滋賀県)の発注により、日本車輛製造が製造。江若鉄道で客車を牽引した後、1957年から雄別炭礦鉄道(北海道)、1970年から釧路開発埠頭(北海道)にて貨物列車を牽引したという。

1975年の廃車後、長らく静態保存されていたが、2018(平成30)年、日本鉄道保存協会から東武鉄道へ譲渡され、動態保存を目的とした復元に着手している。当初は2020年冬の復元をめざしていたが、修繕や新規に部品を作成する箇所が想定よりも多いことに加え、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、完成目途が2021年冬に延期された。

SL復元機の車両番号を「C11形123号機」としたことについて、「2020年11月1日(日)に当社が創立123周年を迎え、この123周年がSL事業の転換期を迎える年であることに加え、日本国内において唯一同一形式の車両による3機体制(1機はJR北海道から借り受け)となることから、1→2→3(ホップ、ステップ、ジャンプ)と将来に向かって更なる飛躍を車両番号で表現」したと東武鉄道。SL復元機が「この転換点の先頭に立ち、将来に向かって『1・2・3』と力強く助走して飛躍していくシンボル」として、「鉄道産業遺産の保存と活用」「日光・鬼怒川エリアの地域活性化」「東北復興支援の一助」という3つの目的をさらに力強く推進していくとの思いを込めたと説明している。