後手番が9連勝中と意外な偏りを見せる両者の対決。第3局は豊島竜王が後手番だが果たして
将棋界最高峰のタイトル戦、第33期竜王戦七番勝負(主催:読売新聞社)の第3局が11月7・8日に京都府「総本山仁和寺」で行われます。豊島将之竜王に羽生善治九段が挑戦する本シリーズは、ここまで両者1勝1敗。先に2勝目をあげて一歩リードするのはどちらになるでしょうか。
羽生九段の先手番で矢倉の将棋となった第1局は、16手目に早くも桂を五段目に跳ねる速攻策を豊島竜王が採用。いきなりの大乱戦となり、両者慎重に読みを重ねた結果、1日目はわずか26手しか進まないスローペースな進行となりました。結果は2日目以降も積極的な指し回しを見せた豊島竜王が52手という短手数で快勝。タイトル初防衛に向けて好スタートを切りました。
第2局は角換わりの将棋に。先手の豊島竜王が早繰り銀で銀をさばくと、羽生九段は桂を跳ねていって反撃。終盤に銀捨ての妙手を放って一気に寄せ形を築いた羽生九段が、豊島玉をしっかりと寄せ切って勝利となりました。タイトル獲得100期に向け、まずは1勝です。
ここまでは2局とも後手番が制している本シリーズ。プロの公式戦では先手番の勝率が高く、タイトル戦ではさらに勝率が上昇するのが近年の傾向です。その傾向とは真逆の展開となっていますが、両者の対戦に限って見ると、むしろ後手番が勝つのが自然なのかもしれません。
公式戦でこれまで35局対戦している豊島竜王と羽生九段。対戦成績は豊島竜王から見て17勝18敗とほぼ互角ながら、先後別成績では後手番が24勝11敗と圧倒しています。さらに直近では後手番が9連勝中です。
明日から行われる第3局の後手番は豊島竜王。豊島竜王が後手番を「キープ」することができるのか、それとも羽生九段が豊島竜王の後手番を「ブレイク」するのか、注目です。