YouTubeチャンネル「SUSURU TV.」で、ラーメンすすり動画を毎日欠かさず配信しているSUSURUさん。総再生回数は4億回以上という、超人気のラーメンYouTuberです。今回は、知り尽くした日本中のラーメン店の中から、若い人に一度は行ってほしい名店を推薦してもらいました。
脳天に衝撃! 究極の醤油ラーメン『チャーシューワンタンメン』 / 手打 焔〈ほむら〉(黒磯/ 栃木)
栃木や埼玉北部のラーメン好きが、「聖地」と呼ぶ有名店。店主さんは、かなりこだわりの強い職人気質で、麺とスープはもちろん、具も含めてすべてが自家製。休日は待ち時間が1時間を越える行列ができ、夕方にはすべて売り切れて営業が終わってしまうお店です。
スープは、鶏と水がベース。最近流行っている味ですが、醤油のコクと鶏のダシが深く、脳に衝撃がくるような美味しさは、ほかにない味わいです。麺は、常連さんが「ザラポコ」と表現する唯一無二の食感。表面はざらっとしていて、すするとその感触が伝わり、驚きの旨さを感じます。
チャーシューワンタンメンは、店主さんのおすすめメニュー。普通のラーメンより旨みが強く、かなりのボリュームですが、美味しいのでスープまで余裕で飲み干せてしまう。日本の最高峰にある、究極の醤油ラーメンです。
超濃厚な「食べるスープ」と太麺の力強さ『六等星こってり』 / 麺や 六等星(稲田堤/ 神奈川)
去年オープンした、新しいお店です。店主さんが「“六等星こってり”という新しいジャンルのラーメン」と話すように、ほかでは食べられない超濃厚な豚骨ラーメンです。
スープは、「飲む」より「食べる」という表現がしっくりくる、こってり感。色は茶色から黒に近く、醤油も強め。さまざまな材料が入っているのに全然臭みがなく、豚骨の純粋な旨みが楽しめます。自家製の太麺も美味しく、堅いというよりコシがあり、小麦がびしっと詰まっている感じ。「すする」より、「食らう」感じの力強い食感です。
チャーシューも大きめで、食べごたえ十分。メンマは鰹っぽい味付けが特長で、濃厚なスープと力強い太麺を食べたあとの箸休めに最適です。でも、メンマを食べると、またスープが欲しくなる。無限ループで、食べ続けられます。
豚骨×味噌×ラー油の波状攻撃『辛味噌らーめん』 / 味噌っ子 ふっく(荻窪/ 東京)
濃厚な豚骨ベースの味噌ラーメンを提供しているお店です。1杯ずつ鍋で炒めてつくるので、香ばしさとともに、しっかりとした豚骨スープの奥深い旨みも引き出され、さらに味噌の旨みものってくる。濃厚さの中に、豚骨由来のまろやかな旨みがあって、すっごく美味しい味噌ラーメンです。
辛いメニューがとても美味しく、僕のおすすめは、自家製ラー油がのった辛味噌らーめんです。食べ方は、まずラー油がのっていない普通の味噌スープのところで、麺とスープを絡めながら食べていく。すると、次第にラー油の辛さがまわってきて、味の変化が楽しめます。
自家製ラー油は辛すぎず、豚骨ベースの味噌スープと合わさっていくと、よりいっそう食欲をそそる美味しさを感じます。
細部まで計算し尽くした屈指の『塩らぁ麺』 / 麵や金時(江古田/ 東京)
都内で一二を争う、あっさり系塩ラーメンのお店です。最初に目を惹かれるのが、透き通ったスープに整えられた麺、というビジュアルの美しさ。店主さんが中華料理の出身で、その技法を存分に活かした職人業です。
あっさりしたスープですが、鶏ガラの旨みがじんわり出ていてコク深さもある。鶏を、すっごくうまく使っていると思います。麺は、細麺に近い中細の堅めですが、コシがある感じではなく、なめらかな食感で、スープに寄り添う感じ。スープとのバランスは、都内の塩ラーメンで最高レベルです。
具もしっかり入っていて、なかでもいいのが、万能ネギです。5センチくらいの長めに切ってあって、風味が立っている。下味も付いていて、あっさりスープの名脇役になっています。細かい部分まで計算され尽くされた塩ラーメンで、これが嫌いな人はいないんじゃないかと思いますよ。
※現在の具は豚のチャーシューではなく、エビ団子を提供しています。
スープが絡みやすいウイング麺の『太麺中華そば』 / 中華そば 琴の(鶴岡/ 山形)
山形はいま、人口に対するラーメン消費量が日本一というラーメン大国。そんな山形のラーメン好きに人気のお店です。
山形のラーメンは、毎日でも食べられる、あっさり系が中心。「琴の」も醤油ベースのあっさり系で、鶏と豚骨の動物系と魚介を合わせたWスープ。オーソドックスなタイプですが、スープに奥深さがあり、山形ラーメンの中でワンランク上をいく旨みがあります。
一方、麺はウイング麺という、特殊なものです。これは、T字型の断面で、羽が付いているような感じの麺。コシがあり、風味もけっこう強みで、あっさりスープとの相性は抜群です。
太麺中華そばは、スープと麺が絡むバランスが絶妙で、山形ですすったラーメンの中での印象は、かなり強烈! 山形ラーメンの底力を感じる味です。
絶対飲み干せる衝撃のスープ『塩らぁめん』 / 自家製麺 公園前(岡崎/ 愛知)
静岡から愛知周辺を回ったとき、すごく印象に残ったお店です。
塩らぁめんの第一印象は、とにかくビジュアルが素晴らしいこと。油があまり浮いていない透き通ったスープで、麺はちゃんと整えられ、見た目から美味しさが伝わってきます。
スープは、ひと口飲むだけで、かなりの衝撃が。魚介ベースのあっさり風味のダシがやさしくきいていて、奥の方からは昆布の旨みがやって来る。このスープなら絶対に全部飲めるというビジョンが、頭の中に浮かんできます。実際、余裕で飲み干すことができ、旨みをたっぷり味わうことができました。
チャーシューの味も魅力的。あまり濃い味付けではなく、燻製のようなスモーキーな風味で、あっさりスープとのバランスが、うまくとれている。機会をつくって、何度でも行きたいお店です。
皆さんに喜んでもらえるよう、これからもすすり続けます
ラーメンには、さまざまな種類があり、人それぞれで好みは違います。また、美味しいラーメンが完成するためには、スープや麺をはじめ、いろいろな材料が必要で、1杯のラーメンが出来上がるまでには、それぞれのストーリーがあります。
このように、ひとつとして同じものがない奥深さが、ラーメンの特長。お店を訪れるたびに、新しいストーリーを知る面白さ、醍醐味を感じています。
さまざまなお店をこれからも訪ねて新しいストーリーを探り、その内容をうまく伝えることで、皆さんが好きなラーメンと出会えるお役に立てたらいいな、と思っています。そのために、これからも全力で、すすっていきます!