小田急電鉄は4日、鉄道工事を取り巻く環境変化や新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、鉄道メンテナンス体制の持続性を高めるため、2021年春に最終列車と一部の始発列車の運転時刻変更を中心としたダイヤ改正を実施すると発表した。

  • 小田急電鉄は2021年春のダイヤ改正で最終列車の発車時刻を繰り下げる

小田急電鉄では、夜間を中心に行う鉄道メンテナンスの担い手不足への対応と、安全・防災対策のための工事時間の確保が課題となっていた。在宅勤務の浸透や外出機会の減少などにより、とくに夜間を中心に利用が大きく減少しており、利用者の働き方や行動様式が従来の姿に戻ることはないと予測している。

これらを踏まえ、来春のダイヤ改正では、最終列車の時刻を10~20分程度繰り上げるとともに、始発列車の一部において、時刻を10分程度(駅によってはそれ以上)繰り下げ、最終列車から始発列車までの間合いを4時間程度に延長する。最終列車・始発列車の時刻変更に合わせ、夜間・早朝の一部列車の運転時刻を変更する。

  • 始発列車の発車時刻も一部繰上げに

ダイヤ改正の実施により、最終列車から始発列車までの間に実施する鉄道メンテナンスの業務効率の向上、安全・防災対策工事等の工期短縮などに取り組み、担当部門や協力会社における働き方の改善を図るとしている。

加えて、車両や駅、運転部門の深夜の労働負荷も軽減。これらの働き方の見直しにより、鉄道運行の持続性を高め、より安全・安心・快適な輸送サービスの提供に努めていく。ダイヤ改正の詳細は12月中に告知するとのこと。