結婚を考える時、頭をよぎるのが「お金」ではないでしょうか。プロポーズしようとしても、次の瞬間には「いくら貯金があれば安心?」と考えてしまうものです。最近では、男女問わず結婚しても仕事を続ける人が多くなり、結婚の際も、カップルが協力してお金を出し合うことがほとんどです。それでも、結婚に必要な費用を知りたい男性は多く、先日も「結婚までにどのくらい貯金すればいいのか」という質問をいただきました。そこで本稿では、結婚費用や結婚生活にかかる費用について、最新データをまじえてご紹介します。

  • 結婚にはどれくらいのお金が必要?

    結婚にはどれくらいのお金が必要?

■結婚にかかる費用はそれぞれいくら?

結婚の際、入籍して同居を始めるだけのカップルもいますが、婚約(結婚)指輪の購入や結納、挙式、新婚旅行までするとなると、それなりの金額がかかるものです。これらの結婚に関わる費用は、どのくらいなのでしょうか。「ゼクシィ結婚トレンド調査2019(いずれも全国の推計値)」のデータを参照してみましょう。

<婚約・結婚指輪>

同調査によると、「婚約記念品として婚約指輪があった人」のうち、94.3%の人が婚約指輪の手配方法として「新たに購入した」と回答しています。なお、「婚約指輪にかかった金額」は、平均35万5,000円でした。一方の結婚指輪は、「購入した」と回答した人が98.1%、2人分の結婚指輪の購入金額は、平均24万2,000円です。

結婚後、日常的に身に着ける人もいる結婚指輪に比べ、婚約記念品としての婚約指輪のほうが高額であり、婚約指輪は2人分の結婚指輪の約1.5倍という結果になりました。

<結納>

それぞれの親に結婚の報告を済ませたら、次は、両家が顔を合わせる「結納」や、結納の代わりとなる「顔合わせ食事会」などを開催します。結納は行わないというカップルもいて、また、地域によって金額や内容の差が大きいのも特徴です。結納を行う場合は、どのくらい費用がかかるものなのでしょうか。

同調査によると、食事を含めた結納式の費用は平均23万1,000円、結納金は平均93万3,000円、結納品(結納道具)の金額は平均18万1,000円、結納返しが現金の場合は平均39万1,000円、結納返しが品物の場合は平均21万8,000円でした。なお、結納金や結納品(結納道具)の有無は、

・結納金・結納品(結納道具)ともあった…56.6%
・結納金のみあった…34.1%
・結納品(結納道具)のみあった…3.4%
・結納金・結納品(結納道具)ともなかった…3.2%

となっています。一方、食事を含めた両家の顔合わせの費用は、平均6万7,000円です。結納を行うかどうかによって、このあたりの費用には大きな差が出そうです。顔合わせ食事会だけの場合、数万円で済むケースが多いでしょう。

<結婚式>

結婚費用の中で最もお金がかかるのが、結婚式です。挙式・披露宴・披露パーティーの総額は、平均354万9,000円。このうち、35%近くを占めるのが披露宴の料理・飲み物の費用で、平均では121万7,000円(ゲスト人数は全国平均の64.3人、一人当たり1万9,000円として計算)となっています。次いで、新婦の衣装に平均47万9,000円、引き出物・引き菓子・プチギフトに平均34万8,000円という順番で費用がかかっています。

このほか、遠方に住むゲストの宿泊費や交通費を負担したり、主賓や受付への「お車代」「お礼」などを渡したりすることもあります。なお、ご祝儀総額の平均は224万3,000円、カップルの自己負担額の平均は149万5,000円ということです。

ただし、結婚式は、形式や招待するゲストの人数、また、地域によって費用に大きな開きがあります。また、今年はコロナ禍で挙式や披露宴を行わず、身内や親しい友人だけの簡単なパーティーを選択したり、挙式、披露宴をゲストの属性ごと(親族、友人、同僚など)に複数回開催したりといった工夫をするカップルもいるようです。

<新婚旅行>

いわゆるハネムーンと呼ばれる新婚旅行。費用の平均はどのくらいなのでしょうか。同調査では、「お土産代を除く2人分の旅行費用」は、平均61万4,000円でした。ちなみに、旅行先は海外が73.3%、国内が27.6%、旅行先の1位はハワイで28.9%、2位はヨーロッパで16.0%、3位は国内で沖縄周辺の10.0%でした

ただし、こちらもコロナの影響で、新婚旅行には行かない、もしくは延期するカップルも増えているようです。

<結婚生活>

結婚するにあたり、ここまでたくさんのお金がかかっていますが、肝心の結婚生活をスタートするための初期費用はどのくらいでしょうか。「親ごころゼクシィ」によると、結婚後に一緒に生活を始めるための初期費用(引っ越し費用、家賃、敷金・礼金、家具・家電購入費用など)は、150万円程度かかるようです。ただし、一人暮らしで使用していた家具や家電を新婚生活でも使うなどすれば、費用は抑えることができます。

■結婚にかかる費用は約600万円

婚約指輪の購入から新婚旅行までの費用は約461万8,000円。これに結婚生活の初期費用を加えると、約600万円が結婚にかかる費用となります。しかし、たとえば、結婚指輪の購入と顔合わせ食事会、身内のみの小さなパーティーの開催、そして、新婚生活を始めるだけであれば、200万円程度あれば充分でしょう。また、ここでご紹介した費用はあくまで(購入や開催したカップルの)平均であり、中には指輪を購入しない、結納、結婚式を行わないカップルも大勢います。

また、このようなデータもあります。前出の「ゼクシィ結婚トレンド調査2019」によると、「結婚費用のための夫婦の貯金総額」は、平均323万8,000円、また、「セキララゼクシィ」によると、結婚時の貯蓄額は、男女ともに「100万円未満」が約30%でトップとなりました。結婚にはお金がかかると言っても、ご祝儀や親からの援助などで、全てが自己負担になることはありません。実際には配偶者となる人と協力して費用を出し合うわけですから、多額な貯金がないと結婚できないと考える必要はないでしょう。しかし、男性が全て負担することはないにせよ、結婚までに200万円程度は貯金しておくと安心です。

■結婚について相手とよく相談しよう

結婚に関するイベントをフルコースで行うカップルもいれば、全てをシンプルに済ませ新婚生活をスタートするカップルもいます。また、コロナ禍という状況もあり、結婚のスタイルも新しい様式になりつつあります。大事なのは、相手とよく話し合い、お互いに納得のいく形で結婚生活を始められることでしょう。