日常生活やビジネスシーンにおいて、他者との関わりは避けては通れません。コミュニケーションにおいて、口下手であることに悩む人もいるでしょう。

「寡黙で口数は少ないけど、仕事を任せたら責任を持ってやり遂げる」「臆病すぎて失敗ばかりしてしまう」など、一言で口下手と言ってもさまざまなタイプがあります

本記事では、口下手な人の性格の特徴や原因、良いところ、口下手の直し方などを紹介していきます。言葉としての意味や類語、対義語もまとめています。

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    口下手な人に多い特徴や原因、改善方法などを把握しましょう

口下手とはどんな人のこと? 性格や特徴は?

早速、口下手とはどんな人のことを指すのかを見ていきましょう。

そもそも口下手の意味とは

まず口下手という言葉の意味は、「話すことが不得意で、自分の思っていることを上手に人に伝えられないことやその様子、その人」です。

そこから、口数が少なくあまり意見を述べない人や前に出て話すのが苦手な人、あるいは自分に自信が持てず話すことが苦手な人のことなどを、一般的に口下手と言います。

口下手とされる人の、さらに具体的な性格・特徴は以下のようなものです。

臆病で自己主張が苦手

相手を気にしすぎて自分の言いたいことを伝えられない人は、口下手な可能性があります。「自分の言葉を伝えて相手に嫌な思いをさせてしまうかもしれない」「相手が怒ったらどうしよう」と考えすぎると、言葉が詰まりうまく伝えられなくなります。

評価を気にしすぎる

周りからの評価を恐れて、自己主張できない傾向があります。周りの目を気にして自分に自信が持てないと、職場などでもスムーズに仕事を進められず、困ってしまう可能性があります。自己主張が苦手な人は周りに振り回されてしまいがちです。

人見知り

相手への警戒心が強く、周りから一定の距離を取ってしまう特徴が見られます。周りの人に恐怖心を抱いている場合もあるでしょう。

自己提示が上手にできず、進んで誰かと関わることを避けてしまう傾向があります。また、初対面の人とコミュニケーションを取ることが苦手だったり、プライベートでも仕事でも、親しくなれる相手ができなかったりする可能性があります。

口下手になる原因・理由

口下手になってしまう原因はいくつか考えられます。

例えばそもそも会話の機会が少ない場合です。多くの場合、自分の意見をスムーズに言えるようになるためには、慣れが必要です。もしかすると、小さいころから集団生活よりも一人の時間が多かったのかもしれません。会話の機会が少ないと上達せず、苦手意識から会話を避けるという悪循環に陥ってしまいます。

また、自分の意見をひどく否定されたりばかにされたりといった、過去のトラウマから口下手になるという可能性も考えられるでしょう。人間不信により、なかなか自分の本当の気持ちを伝えることができない状態にある場合もあります。

主張を褒められた経験があまりなく、自信が持てない、ついネガティブに考える癖がついているなども考えられます。

長所にもつながる! 口下手な人の良いところ

口下手であることはマイナスな面だけでなく、長所になる面も多く存在します。そのため、口下手が絶対に良くないというわけではありません。仕事やプライベートなどで生かせる部分はあります。

口下手な人のメリットをいくつか紹介していきます。

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    口下手な人の長所とは

深い人間関係を築ける

口下手な人は誰とでも友達になれるというわけではありませんが、一度信頼を寄せた相手とは深い人間関係を築ける可能性があります。

話し上手でない自分との会話のキャッチボールを楽しんでくれる人に対してならば、心をしっかりと開けるからです。長いスパンで付き合える相手ができる点は、口下手であることの長所と言えるのではないでしょうか。

聞き上手

口下手で自分の意見をあまり述べない人はその分、相手の聞き役に回る頻度が増えることになります。そのため、相手の話を親身になって聞ける「聞き上手」として評価されやすくなるというメリットがあります。

もしも観察力にも長けた人であれば、相手の気持ちや立場になって良いアドバイスができる可能性があります。自分の話を挟まないため、聞き役として重宝されるでしょう。

集中力が優れている

基本的に無駄話もしないため、集中力が優れている場合が少なくないと言われています。集中力を切らすことなく自分の作業に没頭できるため、生産性が高まりやすくなるでしょう。

口下手の直し方

口下手であることをひもといていくと長所にもつながることがわかりましたが、口下手であるがゆえに仕事やプライベートに影響が出てしまうと、気にしている人もいるでしょう。

口下手だからと臆病にならず、自分に合った話し方やコツを知ることで、口下手は克服できる可能性があります。できることから実践してみましょう。

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    口下手を改善する方法を実践しましょう

声のトーンを上げる

前に出たり誰かとしゃべったりすると、声がかすれたり小さくなったりするのは、口下手の人によくある傾向といわれています。これは緊張している場合に見られやすい特徴です。

このような場面では、一呼吸置いていつもの声より明るめに、トーンを上げてしゃべってみましょう。低い声でしゃべるよりも相手に気持ちが伝わりやすくなります。また、自分に自信があるように見えて印象が変わるでしょう。

非言語コミュニケーションの活用

非言語コミュニケーションとは、言葉に出さずとも相手に伝えるコミュニケーション手法です。相手の話に合わせて表情や身ぶり手ぶりを取り入れます。また、まばたきや目線などもコミュニケーション術として活用できます。

ゆっくり話す練習を

焦ると早口になってしまい、相手に言葉が伝わりにくくなる可能性があります。そのため、口下手な人はできるだけ相手の目を見て、ゆっくり話すことを意識しましょう。

また、ゆっくり話すことで自分の思考も整理できて、落ち着いて相手との会話ができるようになります。

会話の機会を増やす

うまくコミュニケーションが取れないと、どうしても会話をためらってしまいますが、コミュニケーションに慣れるためには場数を踏むことが大切。避けてばかりだといつまでも上達しないでしょう。

会話を習慣化することで苦手意識がなくなり、自然なコミュニケーションを取れるようになります。自分から話す機会を増やすことが重要です。

しゃべり続ける必要がないことを理解する

口下手な人は「たくさんしゃべらなくては」と焦ってしまう傾向があります。コミュニケーションを取る際には、自分だけが話し続ける必要はありません。質問をして、相手に話してもらうといいでしょう。

また、会話の中で沈黙があり、間が空いてしまう場合があるのは自然なことです。自分だけがしゃべるのではなく、会話として成立させるためにもどのような接し方をしたらいいのかを考えてみましょう。

口下手の類語や対義語

口下手という言葉の類語や対義語を知ることも、口下手について理解を深めるために役立つでしょう。

まず類語には、下記のようなものがあります。

  • 話し下手:話の仕方が下手なことやその様子、そのような人
  • 訥弁(とつべん):話し方が滑らかでないこと
  • 無口:口数が少なく黙りがちなことやその様子、そのような人
  • 寡黙(かもく):口数が少なく黙りがちなことやその様子

「話し下手」や「訥弁」は、話し方が上手でないことを、「無口」や「寡黙」は口数自体が少ないことを表しており、少しニュアンスが異なります。

逆に対義語には、下記のようなものがあります。

  • 口上手:巧みな言葉で相手を納得させたり、信用させたり、喜ばせたりするのが上手なことやその様子、そのような人
  • 話し上手:話が上手なことやその様子、そのような人
  • 雄弁(ゆうべん):説得力を持って力強く話すことや、話しぶりが優れていること、その様子
  • 饒舌(じょうぜつ):やたらにしゃべることやその様子、おしゃべり

こちらも、それぞれ少しずつニュアンスが異なります。特に「饒舌」は褒め言葉には使えないので注意しましょう。

改善方法を実践し、仕事や恋愛に役立てよう

ビジネスシーンや恋愛におけるコミュニケーションで、口下手であることに悩む人もいるでしょう。

その場合は、どういう点でマイナスになるのかを考えましょう。口下手にも長所になりうる点があるため、すべてを改善する必要はありません。残す部分と改善する部分を、自分なりに把握することが大切です。

本記事で紹介した口下手な人に多い特徴や改善するためのポイントを参考に、自分に合った方法を探し、できることから実践してみましょう。