眼前に広がる景色をありのままに残したい、可能なかぎり広角で記録したいという場合には、iPhoneのカメラアプリに用意されている「パノラマモード」がおすすめです。シャッターボタン上部をスライドして「パノラマ」を選択し、シャッターを切ったあと画面中央に表示されるガイドバーに従いiPhoneの向きをゆっくり変えれば、超横長の写真を撮影できます。
そのパノラマモード、iPhoneを垂直方向に構えた状態での撮影を前提に設計されています。縦長の写真を何枚も水平方向に並べたような、かなり横に長い形状の写真が基本形といっていいでしょう。動かす速度や手ブレの有無によりサイズは前後しますが、垂直に構えたときの写真が高さ4,032×幅3,024ピクセルとなるiPhone 12を例にすると、上下が若干切り取られ高さ3,600ピクセル前後、幅は14,000ピクセル程度の写真ができあがります。
このしくみを踏まえると、iPhone 12を水平方向に構えれば、高さ3,000ピクセル×20,000ピクセルくらいの超横長パノラマ写真が手に入りそうな気もしますが、そうはなりません。水平方向に構えた場合でも、iPhoneを動かす方向を示すガイド線はサイドボタンの方向のままです。
つまり、iPhoneを水平方向に構えてパノラマ撮影を開始すると、iPhoneを天に向かって動かすことになり、超横長のパノラマ写真にはなりません。
しかし、これを逆手に取ると、垂直方向に長い写真を撮影できます。高層ビルなど縦長の建築物を撮影するとき、地上付近から空に向かってiPhoneを動かせば、それをパノラマ写真というかどうかは別として、かなりインパクトのある写真になるはずです。