福島県・須賀川市出身で「特撮の神様」とも称される円谷英二が礎を築いた特殊撮影技術並びに制作された作品等に関連する貴重な資料等を収集、保存、修復及び調査研究し、それらを通じて市民が特撮文化を顕彰、推進することを目的とした、須賀川特撮アーカイブセンター(福島県須賀川市柱田字中地前22番地)が、2020年11月3日に開館した。
開館に先立ち開館式が開催され、宮田亮平文化庁長官代理・文化庁参事官(芸術文化担当)付 芸術文化支援室長の所昌弘氏、内堀雅雄福島県知事、橋本克也須賀川市長等と共に特定非営利活動法人アニメ特撮アーカイブ機構(ATAC)理事長でもある庵野秀明氏(『シン・ウルトラマン』企画・脚本)、樋口真嗣氏(同監督)、尾上克郎氏(同准監督)が出席致した。そこでは、シン・ウルトラマンのスタチュー(立像)が初お披露目された。
スタチューは高さ約2mで、映画で登場するウルトラマンの1/33スケール。スペシウム光線のポーズをしたデザインで、今にも光線が発射されそうな迫力のある立像となっている。オリジナルデザインを手がけた成田亨氏の目指したウルトラマンの本来の姿を描くことをデザインコンセプトとし、ウルトラマンの美しさに少しでも近づきたいという願いから生まれた『シン・ウルトラマン』のウルトラマン。このスタチューが初お披露目されたのを受けて、庵野氏は「この須賀川特撮アーカイブセンターの顔として、お出迎えに相応しいものになったと思います。」とコメントを寄せ、樋口氏は「細部にこだわって作っているので、よく見てもらいたい。特に耳に注目してください!」と感想をうれしそうに述べた。なお、本スタチューは2021年春ごろまで須賀川特撮アーカイブセンターにて展示予定。
さらに、『シン・ウルトラマン』の公開が2021年初夏に決まったことも発表。『シン・ゴジラ』が初代『ゴジラ(1954年)』の現代社会での再構築であったように、放送開始当時初めてテレビで“ウルトラマン”を目撃した時と同様の衝撃を再びもたらすことを目指す『シン・ウルトラマン』。様々な言葉の意味を持ちうる「シン」の言葉を冠にした新たなプロジェクトが、遂に2021年の初夏にベールを脱ぐ。
庵野秀明氏コメント【『シン・ウルトラマン』企画・脚本】
「特撮」の技術や資料などを保存するこの須賀川特撮アーカイブセンターが開館した本日は、「特撮」にとって第一歩と言える日です。まだまだ、日本中にある特撮ミニチュアの作品、資料を保全する為に第二号、第三号とアーカイブを設立して、将来的にはミュージアムや特撮スタジオを建てるなど、「特撮」の未来に繋がっていくところまで辿り着けたらと思います。感無量過ぎて、ありがとうという言葉しか出てきませんが、アーカイブセンター開館にご尽力いただいた皆様に感謝いたします。
(C)2021「シン・ウルトラマン」製作委員会 (C)円谷プロ