川崎重工業は2日、車両事業とモーターサイクル&エンジン事業を2021年10月に分社する方針を決定したと発表した。車両事業については自主再建の目途が付きつつある中、分社により資本の独立性を高めることで、さらに自律的事業経営を徹底するとのこと。

  • 川崎重工製の電気機関車EF210形316号機

新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で、国内では乗客数減少に対応した鉄道関連投資計画の見直し、海外では新線の建設工事の遅れが現実となりつつある。しかし、環境に優しく日常生活に密着した公共交通手段としての鉄道システムは、人口集中による大都市の混雑緩和や環境対策のための都市交通整備、アジア諸国の経済発展に伴う鉄道インフラニーズなど、今後も世界的に比較的安定した成長が見込まれている。

このような認識の下、難度の高いプロジェクトや鉄道システム全体に及ぶ需要に対応すべく、業界関係各社との連携・協業を含め、機動的かつ柔軟に取り組んでいくという。一方で、導入を進めている航空宇宙システム事業の生産技術・品質管理手法の展開をさらに進め、品質の安定化とコスト競争力を高めることで、堅調な鉄道関連需要を取り込むとしている。