竹内涼真が主演する1話完結のオムニバスドラマ『WOWOWオリジナルドラマ 竹内涼真の撮休』が、11月6日WOWOWプライムにてスタートする(毎週金曜 24:00~ 全8話 第1話無料放送)。同ドラマは、多忙な毎日を送る俳優・竹内涼真が、ドラマや映画の撮影期間中に訪れた休日、通称"撮休"をどのように過ごすのかを、映画・テレビ・CM・舞台など各界のクリエイターたちが妄想を膨らませて描き、竹内本人が演じるという異色のドラマで、今年3月~5月にかけて放送された『有村架純の撮休』に続くシリーズ第2弾。今回は映画『余命1ヶ月の花嫁』などの廣木隆一、ドラマ『全裸監督』などを演出した内田英治、現役慶應大生でありながら、ドラマやMVの演出も多数手がける松本花奈の3監督がメガホンを取り、内田監督が全話を通じてオープニングを担当する。主演を務めた竹内涼真に、撮影中のエピソードや各ドラマの見どころを、たっぷり語ってもらった。

  • 『WOWOWオリジナルドラマ 竹内涼真の撮休』に主演する竹内涼真

    竹内涼真

――「撮休シリーズ第2弾」の企画を聞いて、どんなことを感じました?

第1弾の有村架純さんのシリーズを観て「面白い企画だなぁ」と思っていたので、僕がその第2弾をやらせていただけると聞いた時はすごく嬉しかったです。そもそも「撮休」って、一般の方々にはあまり馴染みがないというか、普段は役者や撮影スタッフしか使わない言葉じゃないですか。そこに注目してドラマにするなんて、斬新な企画だなぁと感じました。だからこそ、本当に僕が普段生活しているナチュラルな感じで演じられたらいいなぁと思って、手元に台本が届く前から撮影がすごく楽しみで。廣木監督も内田監督も松本監督も、皆さん少しずつ違ったプランをお持ちだったので、そこに僕が寄り添うような形で作っていけたらいいなと思ったんです。全8話どれもめちゃくちゃ楽しかったですし、セリフを一つ一つ覚えるような感覚ではなく、すごくリラックスして撮影できた印象がありますね。

――本人役を演じるにあたって、特にプレッシャーを感じることもなく……?

今回、"竹内涼真役"を演じるということに関しては、あまり意識することなく臨みました。普段生活しながら自分を演じることなんて無いですし、基本的には相手とのリアクションが中心なので。だからこそ、あえて少し力を抜いて、周りの濃いキャラクターの人たちに僕がどんどん巻き込まれるのをテーマにしたんです。役柄の設定に対して乗っかりすぎないように心がけつつ、むしろ相手のリアクションにスッと反応するように心がけました。

――全8話それぞれに"竹内涼真"っぽさが滲み出ている、ということですね?

そうですね。事前にプロデューサーのみなさんから「休みの日はどんなことをしているの?」「普段、竹内くんはこういう時はどんな風に思ってるの?」といった打ち合わせをして、それを脚本家さんがイメージを膨らませて書いてくださったところもあるんですよね。普段の生活の中では相手の言動によって、反応する自分も少しずつ違うじゃないですか。今回、全8話を通じていろんな人と出会うたび、少しずつ変わる自分を楽しみながらやらせていただいた感覚なんですよね。

――普段カメラの前では見せていない「素の自分」が出てしまった部分もありますか?

そういった意味ではむしろ今回は、これまで出演してきた作品では見せたことがない"竹内涼真"ばかりだと思います(笑)。これは8話全てに対して言えることで、プライベート感が出ているというか、ドラマではあるんですけど、ちょっとしたリアクションや表情、会話のリズムなんかは、普段自分が話している感じに近いものもありますし。なかでも「第6話 竹内涼真と竹内涼真と」は、ちょっとエッジの利いた設定なので、コメディーっぽい要素も含めた竹内涼真の新たな一面を見せられるんじゃないかなと思いますね。

――ご自身でも、新たに発見した部分もありますか?

撮影を通じていろんな発見ができたらいいなという気持ちもあったんですが、実際は「自分ってどういう人なんだろう?」って、撮影しながら再認識していったような印象が強いです。家族と一緒に居る時と、初対面の方と居る時と、友だちといる時の自分について、こういうシチュエーションだと、いつもこういうリアクションをするよなぁとか。実際に同級生と一緒だった時の自分の行動や立ち位置を思い返しながら、「あぁ、結構寂しがり屋なんだな」って自分で気づいたり(笑)。

――衣裳やセットのこだわりは?

部屋のセットに関しては、あくまでプロデューサーさんや美術スタッフの方々のイメージなので、1話から8話までそれぞれ設定が違うんですが、衣裳に関しては本人役ということもあって、基本的には僕が普段着てそうなものを中心にチョイスさせてもらったんです。例えば「第4話 シェアハウス」だったら、いつも一緒にいるメンバーの前で見せるリラックスした格好だけど、「第8話 同級生」の場合は「久しぶりに高校の同級生と会う」という設定だから、そういったシチュエーションで着てそうな服を選んだり……。普段あまり意識せず当たり前にやっていることも自分の肌でしっかり感じて、いかに新鮮に面白くリアクションするかを大事にした気がしますね。

――共演者の方々とのセッションなど、特に印象的だったエピソードはありますか?

今回は各話すべて2日間くらいで撮ったんですが、1話ずつかなり濃い現場が過ごせましたね。素に近い感覚でやっているせいか、共演した方々との距離が縮まるスピードが速くて、自分でもビックリしています(笑)。どの話もそれぞれ楽しかったんですけど、「第1話 薫るスパイスカレー」では、小池栄子さんや渋川清彦さんとかなり面白い掛け合いができました(笑)。「第3話 世界で一番めんどい奴ら」まるで本当に弟と一緒にいる時のような素の僕が垣間見えていると思います。「第4話 シェアハウス」では26ページもある台本を全編長回しで撮ったんですが、これまでの僕の経験上、そんなシーンは初めてで。やっているうちにどんどんセリフの掛け合いのテンポが良くなってきて、本当にシェアハウスで暮らしているような感覚になりましたね。「第8話 同級生」では、本当の同級生のように自然と意気投合しました(笑)。個人的には「第6話 竹内涼真と竹内涼真と」が一番遊べたかな。僕になりすましたゴーストアクターが存在する設定で、ぜひ10話くらいの連続ドラマでやりたいです(笑)。「第7話 鍵」も、いままでありそうでなかった視点で描いているところもあったりするので、きっと役者の方がご覧になっても「おぉー!」って唸る部分もあるんじゃないかなと思いますね。

――ドラマを観ながら「竹内さんはこんな撮休を過ごしているのか……」と、いろいろ妄想してしまいそうです(笑)。

確かにこのドラマを観たら「竹内涼真って、すごい家に住んでるんだなぁ」って思われちゃいそうですよね(笑)。なぜこういったイメージを持たれているのかはわからないですけど、実際の僕はドラマのような広いところには住んでいないので、そこだけはちゃんと否定しておきたいです(笑)。

――部屋の広さ以外にも「これ、本当の竹内涼真は違うんだけど……」と感じる部分もあったりしますか?

「寝起きが悪い」という描写が結構出てくるんですけど、実際の僕は寝起きはいいですし、昼まで寝てないです(笑)。あとは……「スパイスカレー」の回で着ている花柄の開襟シャツ! あれは普段の僕は着ないですね。さすがにあんなに目立つ格好では歩かないです(笑)。

――では、それ以外はほぼ"竹内涼真"だと思って観て構わないということですね(笑)?

台本を読みながら「皆さん、なんで僕のことがこんなに分かるんだろう……?」って思いましたけど(笑)。僕自身、良い意味でこれまでの竹内涼真のイメージを崩したい気持ちもあったりするので、「意外といろいろやるぞ」って面白がってもらえたら嬉しいです(笑)。普段これだけ短期間でいろんな監督さんや役者さんとご一緒する機会はないので、すごく勉強になりましたし、たくさん吸収させていただきました。