就職・転職活動で必ず必要になるのが志望動機です。志望動機では自分の強みや企業への気持ちをアピールすることができます。
しかし、書きたいことは決まっていても何から伝えればいいのかわからないと困ってしまう方も多いのではないでしょうか。書き出しによっては自分の能力をアピールしやすく、企業の心を掴むことも可能です。
本記事では、ESや履歴書を書くときにぜひ使用してもらいたい志望動機の書き出しをご紹介します。
書き出しの重要性
履歴書やESで聞かれるのが志望動機。上手くまとめて「入社したい」という熱意や自分の魅力が伝わるものにしたいですよね。
新卒採用の場合、採用側は数多くの履歴書に目を通します。ありきたりなものや読みにくいものの場合は印象に残らず、読み飛ばされてしまうかもしれません。採用担当者の目をグッと引きつける書き出しから始めれば、その後の内容にも興味を持ってもらえるでしょう。
特に、応募者が多い場合には担当者が一つひとつの書類を読む時間はあまりありません。大量の履歴書やESが届き、その全てに目を通して判断するのは大変な作業です。文章の中に目を引くポイントがなければ、残念ながら周りに埋もれてしまいます。書き出しを工夫することで、読んだ瞬間から採用担当者の心を掴むことができます。
「この人のことをもっと知りたい」と書き出しで思わせることができたら、その後の印象も変わり、次の選考へと進める可能性も高まるのです。
例文 : 志望動機の書き出し
志望動機は結論から書くのがポイントです。例えば、「興味を持った理由」「活躍できる能力」「この会社じゃないといけない理由」「タイトル」などから始めてみるとよいでしょう。それでは、結論としてふさわしい内容はどのようなものなのでしょうか。例文付きでご紹介します。
興味を持った理由を述べる
まず、どうして今回の募集に興味を持ったのかという理由を述べるのがおすすめです。興味を持った理由を述べることで、自分がどのような軸で就活を行っているかや、なぜこの会社じゃないとダメなのかという部分を効果的に伝えることができます。
例 : 御社の「食で健康を支える」という企業理念に共感し、志望しました。
私は学生時代に4年間サッカー部のマネージャーを担当していました。
日々部員のサポートを行う中でもっとも重要だと感じたのが毎日の食事です。
細かな栄養まで計算しながら指導をした経験から、もっと多くの人を食事で支えたいと思うようになりました。
活躍できる能力をアピールする
自分が活躍できる能力を書き出しでアピールするのもいいでしょう。その会社に合致した能力をアピールすることで、入社後の姿をよりイメージすることができ、即戦力として採用したいと思ってくれる可能性があります。
例 : 自分の語学力・コミュニケーション能力を生かすことのできる会社だと感じたからです。
学生時代は留学生のサポートを行う活動を行ってきました。
幅広い国の人と向き合ってコミュニケーションをとるためには英語だけでは限界を感じ、中国語や韓国語の勉強にも励みました。
これからも国と国の垣根を超えて多くの人をつなぎたいと思い御社を志望しました。
ずっと探してきた仕事だとアピールする
採用担当者が志望動機を通して聞きたいのは、「数ある会社の中からこの会社を選んだ理由」です。その仕事がずっと探してきた仕事だということを冒頭に述べれば、この会社じゃないといけないという強い気持ちを伝えることができます。
例 : 子どもの成長を教育・遊びの両面からサポートできる仕事を探していました。
塾講師のアルバイトをした経験から、特にまだ小さな年齢の子どもに対しては教科書通りの指導だけではなく、指導内容をゲームなど遊びとして組み込むことでより定着するということを学びました。
決まった知識を教えることだけではなく、キャラクターや効果的なゲームを通して多くの子どもたちに指導を行っている御社の通信カリキュラムに興味を持ち、志望しました。
タイトルをつけてもOK
履歴書やESなどの場合は、タイトルをつけてもいいでしょう。その際は【】で括ったり、太いペンを使って強調したりするのもおすすめです。
例 : 【広告を通して新たな商品の出会いを作りたい】
御社が制作したCMを目にし、その商品だけではなく作っている人の温かみまで伝わってくる映像に心を動かされました。
自分も商品と消費者との出会いを作る広告の仕事に携わりたいと思うようになりました。
大学では映画サークルに入り、幅広い映像表現について学びました。入社後もその経験を生かし、映像を通して人の心を動かし、新たな商品への出会いを作りたいと思っています。
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採用担当者が最初に目を通すのが文章の書き出しです。動機の冒頭にあえて結論を持ってくることで、担当者は文章の概要をすぐに理解できます。さらに、その結論に至るまでの理由の部分にも興味を持って読み進めてくれるでしょう。
NG例文 : 志望動機の書き出し
次に、書き出しのNG例についてご紹介します。
書き出しで「もっとこの人について知りたい」と担当者に思わせることができるのと同じように、残念ながら冒頭を読んだだけで興味を失ってしまうような内容になることもあります。
自分の志望動機がそうならないよう、NG例も知っておきましょう。
マイナス面から始める
まず気を付けたいのが、マイナスの面から始めることです。否定的な内容から入るといい印象を受けませんし、動機自体も消極的なものになってしまいます。
例 : 毎日座ってばかりの仕事はしたくないと思っているからです。
学生時代はずっと野球に打ち込んでおり、体力には自信があります。
これからも毎日さまざまなところに足を運び、多くの人と出会いたいので営業を志望しました。
具体的な内容が見えてこない
採用担当者は数多くの履歴書を読まなければなりません。
冒頭でどのような内容か見えてこないものだと印象に残らず、「結局何がいいたいの? 」と思いながら読み進めることになってしまいます。
論理的ではないという印象を抱かせてしまうかもしれません。
例 : 学生時代は吹奏楽部に入っていました。
毎日の活動の中でパートをまとめる難しさや、音が合ったときの楽しさを学びました。
これからもチームで多くのことを成し遂げたいと思っています。
御社ではひとつのプロジェクトに対しチームで問題解決を目指すと説明会でお聞きしました。
自分もチームの一員となって能力を発揮したいと思っています。
この企業でないといけない理由がない
志望動機が他社でも通用する内容の場合、志望度の高さを伝えることはできません。 志望動機を書く場合は必ず「この企業でないといけない理由」を忘れずに書くようにしましょう。
例 : 住宅を紹介することで、家族と楽しく過ごす時間を増やしたいと思っているからです。
家は生活の根幹ですし、家族団欒の機会を増やします。
営業担当としてより良い家を売ることで、多くの人に家で過ごす幸せな時間を増やしてほしいと思っています。
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志望動機は会社に対して志望度の高さや自分の強みを伝えるチャンスです。採用担当者も多くの履歴書を読みながら判断をしています。書き出しからパッと目を引き、「この人は違う」と思わせることができたらその後の選考にも進みやすくなるでしょう。
自分のアピールしたい部分がよく伝わる書き出しをよく考えてみましょう。