女優の真矢ミキが主演する東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『さくらの親子丼』(毎週土曜23:40~)。元プロボクサーで、子どもシェルター・第2ハチドリの家のホーム長・高瀬川多喜を演じる南海キャンディーズの山崎静代は「どんな状況でも人と人のつながりや出会い、愛が必要なのだと実感しながら演じています」という。役への思い、俳優業についての楽しさなどを語った。

  • 山崎静代(左)と井本彩花=東海テレビ提供

――撮影も始まりましたが、改めて高瀬川多喜役の印象を教えてください。

私が演じるのは元プロボクサーで、現在は「第2ハチドリの家」のホーム長の高瀬川多喜という役です。肉体的にも精神的にもボクシングで鍛えられて優しくなり、子どもたちの気持ちもわかるのだと思います。脚本の清水有生先生と一緒にお仕事をさせていただくのが、今回で3回目なので、私が役に入りやすいようにしてくださっている気がしています。ボクシング経験者という自分との共通項もあり、やりやすいと感じています。

――俳優として仕事をする楽しさを、どんなところに見出されていますか?

芸人と俳優という仕事の切り替えは実はあまりしていなくて、どの現場でも「そこでできる限りのことはやろう」という気持ちだけは強く持っています。芸人は“面白い”が最終目的だったりしますが、俳優業は正解がわからない分、難しいですが楽しいです。

――真矢ミキさんの印象や、撮影中のエピソードを教えてください。

真矢さんとの共演は今回で3回目で、プライベートでも仲良くさせていただいています。とても話しやすくあたたかい方で、お芝居以外の部分でも普段から子どもたちを見ている目がとてもあたたかく、全てに愛を持っている方だと思っています。

――人との関わり方、繊細さも考えさせられるこのドラマですが、相方の南海キャンディーズ・山里亮太さんとのコミュニケーションで大切にしていることはありますか?

相方とはコンビを組んで17年になりますが、状況がどんどん変わっています。昔は本当にコンビ仲が悪くて話すのも嫌だったのに、今はウソみたいに仲良くなっている状況が不思議ですね。今は互いの仕事のスケジュールで久しぶりに会うことも多いので、何を話していいのかわからないことも(苦笑)。「どんな感じやろ、今日?」と、向こうの機嫌やテンションを探るために、たわいもない会話をまずしてみることは心がけていて、それは多分向こうも同じ考え方だと思います。昔は何も話したくない、関わるのが嫌、ということも多かったので、そういう会話ができるようになったのはお互いの成長だと思います。昔は楽屋の部屋の一番距離が取れる斜めの角と角に居ましたね(笑)

――さくらにとっての“親子丼”のような、山崎さんにとって思い出の料理を教えてください。

ボクシングの現役時代、計量後の食べ物が思い出に残っていますが、「水」が一番おいしかったですね。食べ物を抜くのも厳しいですが、そのあとさらに水分を抜くのが一番キツイので、水を飲める喜びというのは、何よりもおいしいと実感していました。計量した後にボクシングの先生が胃に優しくて栄養のある、海鮮のおかゆをみんなに振る舞ってくれて、それもめちゃくちゃおいしかったです。

――「水が一番おいしい」とは、そういう体験した方しか出てこない言葉ですね。

その“すれすれ”を感じることができたのは、人生でとても貴重な体験だったと思います。

――視聴者の皆さんにメッセージをお願いいたします。

どんな状況でも人と人のつながりや出会い、愛が必要なのだと実感しながら演じています。人生ってどんな人と出会えて、出会う人によって自分の人生も変わっていくと思います。ハチドリの子どもたちが、さくらさんや桃子先生と関わりどういう風に変わっていくのか、そして私たち大人も、子どもたちと関わることでどう変わっていくのか、というところを見ていただきたいです。