日常や仕事上で「交渉」する機会は多いでしょう。交渉は相手に自分の意見を通す時に使用するコミュニケーションです。交渉が得意になると、自分と相手の両者にとってメリットのある取り引きができるようになります。
交渉が得意な人の特徴
交渉が得意な人の特徴を知り、どのような行動や思考を行っているのかを把握しましょう。また、現在の自分の状況を正しく知り、改善点などを見つけていきましょう。
事前準備を怠らない
相手の情報を整理することで交渉の戦略が立てやすくなります。また、相手の情報を把握することで話の引き出しができ、交渉が進みやすくなります。事前に信憑性がある情報を収集し、交渉を有利に進めていきましょう。
交渉が得意な人は、交渉前に自分が提示しようとしている交渉条件が相手にとって魅力的に映っているかを考えます。
相手が「これは得だ」と感じる条件であれば、交渉が有利になりやすいからです。企業や相手にとって価値観は違うので、しっかりと分析して交渉条件を決めると良いでしょう。
最低目標ラインを決めることで、交渉する際に臨機応変に対応することができます。最低目標ラインとは、譲歩できる範囲のことです。
相手から急な条件変更を持ち出されたとき、最低目標ラインが決まっていないと、その場で判断することが難しくなります。条件相談を持ち帰ることは、交渉がスムーズに進まない原因になるので、事前に最低目標ラインを決めておきましょう。
相手の気持ちを考えられる
交渉の場では、自分の意見や条件を押し付けるばかりではなく、相手の気持ちになって考えられることは重要です。相手が考えていることを推測し、自分の考えを伝えます。
交渉が苦手な人は、自分が考えていることや意見にだけ意識を向けてしまいがちです。交渉において自分の意見を伝えることは大切ですが、相手の心理を読み、それを踏まえてから交渉すると良いでしょう。
周囲に流されない
交渉が得意な人は、自分の意見をしっかりと持つことで、周囲に流されない傾向があります。これは、交渉において強引さが必要になってくる場面があるからです。また、相手のペースに飲み込まれにくいため、冷静に交渉を進めることができます。
交渉力を高めるコツ
交渉にはさまざまなコツやテクニックがあります。得意になるためにコツやテクニックを知り、努力することで交渉が上手になるでしょう。
第一印象を良く見せる
メラビアンの法則によると、第一印象は3秒で決まると言われています。
清潔感のある服装をし、明るい笑顔、相手の話を聞く態度を心がけるなどをして、相手に良い印象が与えられるようにしましょう。また、声のトーン、話の間の取り方などを工夫することでより印象が良くなるでしょう。
はじめの交渉内容では、悪い点を先に述べ、良い点を後で述べるというように、相手の頭にメリットが残りやすいように意識して話を組み立てましょう。
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限定的な言葉を使う
交渉の時は「期間限定であること」や「今だけの特別価格であること」などのように限定的な言葉を使うと良いでしょう。
あまりにも露骨に話すとわざとらしいので、相手との良い関係ができた後で決定弾として述べるのがおすすめです。
大きい条件を提示する
先に大きい条件から徐々に条件を下げていく(自分の契約目標条件に近づけていく)ことで、相手には、お得感を持たせることができます。
また、先に大きい条件を提示することで徐々に現実的な条件に近づくので、相手に安心感を与えることができます。
二者択一を活用する
複数の選択肢がある場合、二者択一の選択をしてもらうことで、選択肢を減らすことができます。
例えば「プランAとプランBのどちらがいいですか」と交渉をすることで、相手はプランAかBの中から決定しなければならないと言う気持ちになりがちです。そのため上手な交渉へとつながる可能性が高くなるでしょう。
ペーシングを活用する {#ID10}
ペーシングとは相手の話し方や呼吸のペースを合わせることで、相手を安心し、リラックスさせる効果があります。
ペーシングを行う場合は相手をよく観察し、一体感が生まれるようにしましょう。これにより信頼関係を築けやすくなり、交渉が進めやすくなります。
DESD法を活用する
DESD法とは、Describe(描写する)、Express(表現する)、Specify(提案する)、Consequences(結果を伝える)の頭文字をとったもので、コミュニケーション法の1つです。
DESD法を使用すると、冷静かつ合理的に話を進め、自分の意見をきちんと伝えることが可能です。
メタモデルの質問法を活用する
メタモデルの質問法は「削除」「一般化」「歪曲」を組み合わせて巧みに質問をする方法です。言葉の本意を知りたい時に使用すると、相手が言いたいことを明確にすることができます。
例えば、相手と交渉がうまくいかない時「できないのどうしてか」「具体的な理由は何なのか」を探る質問をすることにより、問題点を浮き彫りにします。質問のパターンは複数あり、それぞれ効果的に組み合わせて交渉します。
ドアインザフェイスを活用する
ドアインザフェイスとは、「借りができたら、お返しをしなくてはいけない」と考える人間の「返報性の心理」を用いた交渉テクニックの一つです。
例えば、50万円の商品を受注したいときに、まずは、顧客に「60万円」の商品をおすすめします。顧客側がその商品を断ったら、次に、目標である50万円の商品をおすすめします。そうすると、相手は「最初の商品より値引いてくれた(譲歩してくれた)」という印象を持つため、50万円の商品を購入してくれる可能性が高まります。
もっと詳しく : 仕事に活かせる交渉術「ドアインザフェイステクニック」とは
交渉術を身につけよう!
交渉術はもともと持っている才能でなく、努力して培うものです。
良い準備をして、相手の話を聞き、気持ちに寄り添おうとする態度など、自分のことだけでなく交渉相手のことも考えることが大切です。効果的な質問法や交渉テクニックを取り入れ、相手が自分の本音を言いやすい環境を整えましょう。
交渉術をマスターして、さまざまな場面で活用していきましょう。