正しい「ホチキスをする位置と止め方」をご存知ですか?
実は、ホチキスで書類を止めるときにも「マナー」があります。書類作成や会議資料を頼まれたとき、正しい止め方でより見やすい資料を作れた方がいいですよね。普段、何も気にせずにホチキスを使っている方も、本記事を参考に、正しいやり方を理解しましょう。
ホチキスの止め方は? 基本3のパターン
ホチキスの止め方には基本的な3種類のパターンがあります。書類が横書きの場合には「左上」縦書きの場合には「右上」、縦書き・横書き混在の場合には「左上」と覚えておきましょう。
以下、それぞれのパターンの詳細を紹介します。しっかりと基本を押さえて、見やすくキレイな資料作りを目指しましょう。
横書きの書類の場合は「左上」
横書きの書類の場合は、紙の「左上」でホチキスを止めるのが基本です。通常、横書きの書類は左上から読んでいき、最終的に右下で終わります。
2枚目にめくる際は、右下を摘んで対角線上の左上のめくるのが自然ですので、読みやすいように左上で止めるとスムーズにページもめくれます。
縦書きの書類の場合は「右上」
縦書きの書類の場合、紙の「右上」でホチキスを止めるのが基本です。通常、普通縦書きの書類は右上から読み始めて、最終的に左下で終わりますよね。
2枚目にめくる際は、左下を摘んで対角線上の右上に持って行くのが自然です。そのため、ホチキスは右上に止めるとスムーズに縦書きの書類がめくれます。万が一、逆に止めてしまうとめくるときに違和感を覚えるはずです。読み方を考慮してスムーズにめくれるのが正しい位置だと覚えれば、間違えないでしょう。
横書きと縦書きが混ざった書類の場合は「左上」
横書きと縦書きが混ざった書類の場合、紙の「左上」でホチキスを止めるのが基本です。資料によっては横書きでも、グラムや図などのデータだけ縦書き(横向き)が混ざることもあります。横向きの資料を90度左側に回転させて縦にし、紙の左上でホチキスを止めると読みやすい資料になるでしょう。
ただし資料が複数ある場合は、ホチキスの箇所はどちらの方が見やすいか判断して、止める場所を変えても問題ありません。書類の見やすさやめくりやすさなど、読み手を一番に考えることがマナーであり、心遣いです。
目的別のホチキスの止め方
ここからは目的別の止め方を紹介していきます。書類の保管や、冊子や少し凝った資料を作るときなど目的によって工夫すると、よりあなたの用意した書類が重宝されるでしょう。
ファイリングする書類の止め方
会議資料など、保管が必要な書類をファイリングする機会もあるでしょう。
一般的に、横書きの書類を保管する場合は、左側にパンチで2カ所穴をあけてファイルに通します。その際、すべてのホチキスを同じ場所に止めていると、その部分だけ厚くなりファイルのなかでかさばってしまいます。ファイリングするときのことを考えて毎回少しずつホチキスの位置をずらすのもポイントです。
ただ会社によってはファイリングのルールや方法など、独自の決まりがある場合も。一般的な止め方とは違う可能性もあるので、最初に確認をして企業のルールに従いましょう。
冊子にする書類の止め方
契約書など複数の書類をまとめて冊子にするときは、製本されたような見た目にすると読みやすく、きれいな見た目となります。
横書きの書類の場合は左側に2カ所ホチキス止めを行い、その上から製本テープで補強をしましょう。そのときの針の打ち方は、斜めではなく書類に対して平行になるように真っ直ぐにしましょう。
契約書の場合は見た目も美しさも重要視されます。製本テープを使う前にテープの幅を考えて、貼ったときにはみ出ないようにホチキスの位置に気をつけてください。
中綴じにする書類の止め方
見た目も美しくスムーズに中綴じ製本を作るために、専用のホチキスを使うことをオススメします。従来のように資料の真ん中をキレイに折り、普通のホチキスを180度開いて中綴じにすることも可能です。その場合はペンチやホチキス以外の道具も必要となってきます。
さらに、普通のホチキスだと失敗する可能性もあり、キレイに仕上げようとするほど時間と手間がかかってしまうでしょう。近年では中綴じ専用のホチキスが種類豊富になっています。100円均一ショップでも売っているので、気軽に手に入れることができますよ。
書類の枚数が多い場合の止め方
書類の枚数が多い分厚い資料の場合は、斜め上の1カ所で止めるより2カ所で止めた方が扱いやすくなります。書類の種類によって上を2カ所で止めるか、左側を2カ所止めた方がいいのか考えて対応しましょう。2カ所で止めると、持った時やめくる時に安定感が増します。
会議室や資料を使うシチュエーションごとに止める場所を変えることも必要です。もしも、横にあまりスペースがない狭いデスクや隣の人との距離が近い場合、真上にめくれるように上2カ所で止めた方が親切かもしれません。真上にめくれると横幅が狭い場所でも省スペースになります。
使い方の注意点
最後にホチキスのその他の注意点や確認事項を紹介します。細かいポイントまで押さえれば、もうホチキスの止め方は完璧ですね。
ホチキスの止める向きや角度
基本的に右上か左上に止める場合はホチキスの角度は横向き(―)ではなく、斜め45度(/)に止めるのがルールです。なぜなら、ページをめくるときにめくり易く、資料もすっきりと収まるためです。
右上か左上1カ所だけ止める際に横向きで止めると、めくった際に紙のおさまりが悪く、無理に折って書類にシワがついてしまうこともあります。
ただし、端の2カ所を止めて冊子を作る場合や中綴じをする場合は、斜めに止める必要はありません。縦に真っ直ぐ直線になるように止めましょう。
ホチキスの向きや角度は、資料の目的によって臨機応変に変えてください。なによりもめくりやすさが大切です。
念のため会社のルールを確認
ホチキスの止め方の基本のルールがわかっていれば、読み手が見やすい資料が作れることは間違いありません。しかし、会社独自のルールが存在することもあります。
資料作成やファイリングの際にあらかじめ確認しておくと、後でやり直すこともなくスムーズ。知らないまま勝手に自分の判断で進めるよりも、最初に上司や先輩に確認することがオススメです。
その際に聞き方に注意も必要。ただ「教えてください」と聞くと、何も知らない人だと思われてしまいます。自分が基本のマナーを知っていることを伝えた上で、会社独自のルールを聞くのがスマートです。
「基本のやり方はこうだと思いますが、社内独自のルールはあるでしょうか? 」などと確認しましょう。
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本記事では、ホチキスの正しい書類の止め方について解説しました。これであなたも基本のルールは押さえられたはずです。 一番大切なことは読み手のことを考えた資料作りです。見やすさや扱いやすさなどを考慮すれば、自然に重宝される資料作りができるはず。
ホチキスを止める作業は誰でもできる簡単な作業ではありますが、正しい止め方でちょっとした気遣いができてこそビジネスパーソンとしての成長にもつながります。ホチキスの基本マナーを活かして、読みやすい書類作りに貢献できると素敵ですよね。