長崎電気軌道は28日、昨年3月に引退した151号(150形)・1051号(1050形)の2両について、151号は「小田原ゆかりの路面電車保存会」、1051号は「西武園ゆうえんち」にそれぞれ譲渡することが決まったと発表した。
151号・1051号は他都市から長崎電気軌道へ譲渡された車両で、おもにイベント車両として動態保存されたが、維持管理が困難になったことから2018年度で引退。譲渡希望を募っていた。
「小田原ゆかりの路面電車保存会」への譲渡が決まった151号は、1925(大正14)年に製造され、1952(昭和27)~1956(昭和31)年にかけて箱根登山鉄道小田原市内線で運行。同線の廃止にともない、1957(昭和32)年に長崎電気軌道へ譲渡され、1970年代まで通常の営業車両として運用された。
「小田原ゆかりの路面電車保存会」は、廃車となった151号車を「小田原に里帰りさせたい」と、今年2月に活動開始。設置場所のめども付いたことから、長崎から小田原までの移設や設置などにかかる総事業費1,000万円の半分にあたる500万円をクラウドファンディングで募り、9月25日までの期限内に844万5,000円を集めた。費用面での課題もクリアされ、譲渡が可能になったという。
1051号は2021年春のグランドオープンをめざす「西武園ゆうえんち」のエントランスに設置。1960年代をイメージした町並みを再現した園内の象徴的な存在として活用されることになる。