会社を退職する上司や同僚を送り出すとき、悩みの種になってしまいがちなのがメッセージの書き方ではないでしょうか。最後に感謝が伝わるような、気の利いたメッセージで送り出したいものです。
本記事では退職者に向けたメッセージについて、そのまま使える文例を豊富に用意しました。シンプルな一言や、親しくない人・上司・同僚・家族宛てなどの関係性別、また定年・転職などの理由別にまとめています。記載時の注意点・マナーも紹介するのでぜひ参考にしてください。
【シンプル】退職の一言メッセージの文例
退職者へ贈るメッセージについて、早速、具体的な文例を紹介します。
退職者へのメッセージにもさまざまな形があります。場合によっては寄せ書きなど、短くシンプルなメッセージを作成しなければならないケースも考えられるので、まずは短いメッセージの書き方について紹介します。
色紙の寄せ書きやメッセージカードの退職メッセージ
色紙へ寄せ書きや、小さなメッセージカードの場合、あまり長いメッセージを書くことはできません。特に、相手がお世話になった上司や先輩であれば、感謝の言葉に絞るのが無難です。
「長い間、ご指導ありがとうございました」「大変お世話になりました」など、シンプルに感謝の気持ちを伝えることを意識しましょう。
同僚や部下、後輩などへのメッセージの場合、感謝よりも今後の活躍を祈るといった内容に絞り込むのがおすすめです。「新天地でのご活躍を祈っています」「新しい職場でも頑張ってください」といった内容がいいでしょう。
とはいえ、誰にでも当てはまるような言葉だけだと少し味気ないですね。できれば下記のような形で、短い文章の中にもその人との思い出や特徴を入れると、相手により喜んでもらえるでしょう。
長い間ありがとうございました。初受注の日に一緒に泣いてくださったことはずっと忘れません。
今までありがとうございました。○○さんに教えていただいた営業の極意を忘れずにがんばります。
新天地でも、○○さんらしい明るい笑顔と粘り強さで頑張ってくださいね。
○年間の○○(会社名)生活、お疲れさまでした。頑張り屋さんの○○さんの活躍を、これからも応援しています。
長い間、お疲れさまでした。持ち前のガッツと柔軟性で、これからも頑張ってね。
ギフトや花束に添えて贈る退職メッセージ
退職者に感謝の気持ちを込めて、プレゼントや花束を贈るという場合もあるでしょう。しかし、モノだけを贈るのは味気ないので、短いメッセージを添えるのが一般的です。この場合も寄せ書きと同様に伝えたいメッセージを絞り込むようにしましょう。
上司であれば「感謝」を、同僚や部下であれば「今後の展望」を意識したメッセージにするのがおすすめです。特にお世話になった上司や先輩に贈るのであれば、短いメッセージではなくちょっと長めの手紙にするのもいいでしょう。ここでも、相手との関係性をしっかりと整理した上でメッセージを添えることが大切です。
【関係性別】退職メッセージの文例
ここからは相手との関係性別に、具体的な退職メッセージの文例を紹介していきます。退職メッセージをどう書けばいいのかわからないという方は参考にしてみてください。
上司や先輩など目上の人への退職メッセージ文例
上司へのメッセージの場合、感謝の言葉をしっかりと伝えることに加え、相手との関係性によって敬語の度合いを変えることも重要です。
定年まで長年のお仕事を無事勤めあげられましたこと、
心よりお祝い申し上げます。
長い間ご指導いただきましてありがとうございました。
今後の益々のご健勝とご多幸をお祈りいたします。
○○部長には本当に長い間お世話になり、感謝の言葉しかありません。
たくさんご指導いただいたこと、改めて思い出されます。
これからの益々のご活躍をお祈りいたします。
○○先輩には、大変お世話になりました。
先輩と一緒に仕事ができ、とても勉強になりました。
これからは寂しくなりますが、先輩が教えてくれたことを忘れずに頑張ります!
本当にありがとうございました。
親しくない上司への退職メッセージ文例
上司と親しい間柄であれば、比較的メッセージも書きやすいものですが、あまり親しくない場合、何を書けばいいのかわからなくなってしまう方もいるでしょう。
そこまで親しくない上司にメッセージを書くときは、相手に失礼にならないように形式的な文章でシンプルに仕上げるのが無難といえます。
大変お世話になりました。今後のご多幸をお祈りいたします。
長い間お世話になりました。
○○さんの今後の人生が益々幸せなものになることを願っております。
上司とはいえ、直接指導を受けたことがなく、あまり面識がない相手の場合は、しっかりとした感謝のメッセージを入れてしまうと、かえってわざとらしくなってしまいますので注意しましょう。
同僚・友人への退職メッセージ文例
長い間一緒に仕事をしてきた同僚であれば、感謝の気持ちが伝わる文面を意識しましょう。
長年の勤労お疲れさまでした。○○さんには心から感謝しています。
○○さんと共に過ごすことができた時間は私にとってかけがえのない財産です。
これからもどうぞよろしくお願いします。
○年間お疲れさまでした!
これから新たなスタートになるけど
お互いがんばっていきましょう!
部下や後輩への退職メッセージ文例
部下や後輩へのメッセージを書くときのポイントは、今後の飛躍に触れた文章を意識することです。
今日までホントにお疲れさま!
これからの○○さんの人生が充実すること祈ってます!
いつでも遊びに来てね。
長い間、ありがとう!
○○さんと一緒に働いたことを振り返ると、楽しい思い出ばかりです。
会社では会えなくなるけど、これからもよろしくお願いします。
◯年間お世話になりました。
来月からは新たなスタートですね!
新天地でも、持ち前の明るさでがんばってください。
また飲みに行きましょう!
直属の部下やキャリアが近しい後輩などの場合は、少しカジュアルなメッセージを贈るのもいいでしょう。親しい間柄であれば、今後の関係について触れるとより良いメッセージになります。
親しくない同僚・後輩への退職メッセージ文例
あまり親しくない同僚や部下、後輩などへのメッセージも難しいものですが、上司の場合とは違い、あまり堅苦しくならないように気を付けましょう。
○○さん、お疲れさまでした。次の職場でも頑張ってください。
今までありがとうございました。これからも、お元気でご活躍ください。
あまり関わりがない同僚や部下には、やはり感謝の言葉を入れすぎずに、シンプルな文章で「今後も頑張ってください」といった内容を盛り込むのがおすすめです。
家族への退職メッセージ文例
長年、家計を支えてくれた家族に、感謝の気持ちを伝えるのもすてきですね。普段は照れくさくて言いづらいことも、文字にすればきっと伝えやすいはずですよ。
お父さん、定年おめでとう。
今まで本当にお疲れさまでした。
長い間、大黒柱として家族を支えてくれて本当にありがとう。
自分も働くようになって、ようやくお父さんの偉大さがわかるようになりました。
これからは自分の時間も大切にしてね。
あなた、お仕事お疲れさまでした。
これまでいろんなことがあったけど、子供たちも無事独立できたし、
不自由なくやって来られたのはあなたのおかげです。
どんなに忙しくても弱音を吐かず、仕事を頑張っていたあなたを尊敬しています。
これからもよろしくね。まずは温泉旅行にでも行きましょう!
【退職理由別】退職メッセージの文例
退職の理由も人によってさまざまです。今日では終身雇用制度も大きく変化しています。そのため、定年に限らず退職していく方が増えました。ここからは退職理由ごとの退職メッセージの例文を紹介します。
定年退職を迎えた上司への文例
祝ご退職 ○○部長
○○部長には大変お世話になりました。
ご指導いただきましたことは忘れません。
これからは健康に気を付けて第二の人生を楽しんでください。
ご定年おめでとうございます。
これからの日々にも幸せがたくさん訪れますように。
転職で退職する上司への文例
長い間ご指導いただき、ありがとうございました。
今後は新天地での益々のご活躍をお祈りしております。
お体に気を付けてお過ごしください
○○さん、これまで本当にありがとうございました。
ご指導いただけたこと、心から感謝しています。
新しい職場でのご活躍をお祈りいたします。
いよいよ退職されてしまう日が来てしまいましたね。すごく寂しいです。
仕事では数えきれないほどお世話になり、感謝の気持ちでいっぱいです。
新生活も頑張ってください。
転職で退職する同僚への文例
長い間ありがとうございました。
○○さんの仕事ぶり、いつも尊敬していました。
退職されてしまうのはとても寂しいですが、新天地でも頑張ってくださいね!
同僚として、今までたくさんのサポートしてくれてありがとう。
これからの新生活でも活躍できるよう頑張ってね。結婚や出産で退職する同僚への文例
結婚や出産を機に退職する同僚へのメッセージの例文も紹介します。
改めて、ご結婚おめでとうございます!
いよいよ出産も間近ですね。どうぞご自愛ください。
赤ちゃんが生まれたら会社にもぜひ遊びに来てくださいね!
どうか末長くお幸せに。
退職メッセージの書き方のポイント
いきなり「退職者へメッセージを書いてください」と言われても、何を書けばいいのかわからなくなってしまうものです。親しい友人や家族が相手でも、いざ文章でメッセージを書くとなると、頭を悩ませてしまう方もいるでしょう。
ましてや仕事関係の相手となれば、より慎重に文面を考えなければなりません。ここでは、退職者へのメッセージを作成する際のポイントを紹介します。
相手との関係性を考慮する
退職者へのメッセージを書く上で最初に考えなければならないのが相手との関係性です。相手が上司なのか部下なのか、また立場の近い同僚であっても年上なのか年下なのかによってもふさわしいメッセージは異なります。まずは相手との関係性をしっかりと整理しましょう。
メッセージを贈るときのシーンを想定する
メッセージを贈る場面も考える必要があります。オフィスフロアにて短時間で見送るのか、それとも送別会の場でじっくりと時間を取って、また砕けた雰囲気の中で渡すのかなど、状況によってメッセージの内容や長さは変わってきます。
伝えたいことを事前にまとめ、定型文だけでない要素を入れる
いきなりメッセージを書き始めるのではなく、まずは退職者に伝えたいことやエピソード、印象に残っていることなどを具体的にまとめておきましょう。簡単な箇条書きでもかまいません。そうすることで、自然とメッセージに書くべき内容が見えてくるはずです。
ありきたりな定型文だけでなく、相手との思い出を盛り込むことで、より心のこもったメッセージとなります。
退職メッセージを書くときのマナー・注意点
メッセージを贈る人がすでに退職することがわかっているからといって、何でもメッセージとして書いていいわけではありません。退職メッセージを書くにあたり、守るべきルールやマナーをしっかりと確認しておきましょう。
お礼やねぎらい気持ちを伝える
退職メッセージには感謝やねぎらいの言葉を盛り込むようにしましょう。特に定年退職を迎えられた方は新卒で入社したとすると40年ほども勤め上げたことになります。長きにわたり会社や同僚のために尽くしてくれたことに対する謝意があふれる言葉をしたためるとよいでしょう。
ネガティブなことは書かない
退職メッセージにネガティブなことは書かないようにし、リタイア後や新天地での活躍を願うといったポジティブな気持ちが伝わるようにしましょう。
「このように多忙なタイミングで○○さんに去られてしまうのは非常に残念ですが……」といったように、遠回しに退職することを非難する表現もNG。また、退職を引き留めるようなメッセージも避けましょう。
失礼のないよう、言葉遣いに細心の注意を払う
退職メッセージを書く際は言葉遣いや表現に気を遣う必要があります。例えば、「○○さん、長い間ご苦労さまでした」というメッセージは一見、何気ない決まり文句に思えます。ただ、「ご苦労さま」といった表現は目上の人が目下の人に使うのが一般的とされています。退職する人が自身より目上の人であった場合、このような表現に気分を害する恐れがあります。
退職はお祝いとは限らないので、状況に沿った言葉遣いを
退職の理由は人それぞれで、病気療養や懲戒など、必ずしも退職=おめでたいこととはいえない場合も。そのため、「転職おめでとう」「祝ご退職」などのフレーズは、状況に合わせて使用しましょう。
また新しい勤務先や転職の理由など、退職者本人が意図的に公表していない場合は、触れないようにした方が無難です。
手書きの場合は文字を丁寧に書く
退職メッセージを色紙などに書く場合、当たり前ではありますが相手が読みやすい丁寧な文字で書くことを心がけましょう。上手な字である必要はありませんが、いかにも殴り書きのような文字でメッセージを書くのは、失礼極まりないですね。普段から文字を書くのが得意ではないという人は、自身の中で最大限きれいな文字で書けるよう、気持ちを込めながら、ゆっくりと丁寧に書くといいでしょう。
例文を参考に、退職者へ感謝の気持ちが伝わる送別メッセージを贈ろう
退職者への送別メッセージは案外難しく、いつも頭を悩ませているという方も多いのではないでしょうか。しかし、相手との関係性を整理するだけで伝えるべき内容をしっかりとメッセージにすることができます。
相手に伝えたいことをしっかりとピックアップした上で、退職のメッセージを作るようにしましょう。