クアルコム(Qualcomm)の子会社である米Qualcomm Technologies Internationalは現地時間10月22日、補聴器などの聴覚ソリューションを持つベルギーJacotiと協業し、Bluetooth SoC「QCC5100」シリーズにJacotiの聴覚強化ソフトウェアを導入したと発表。完全ワイヤレスイヤホンやBluetoothヘッドセットに聴覚補助機能を追加する。
Jacotiのテクノロジーには、さまざまな音(トーン)と周波数を発する自己管理型の聴力検査が付属しており、ユーザーの聴力レベルに応じた音量しきい値を確立。ユーザーの右耳と左耳に合わせて調整された2つのオーディオグラムを生成し、ユーザーにあわせた聴力設定(パーソナライズされたサウンド)として機能する。
これらのオーディオグラムは、音がユーザーの耳に届く前に通知音を鳴らし、適切な周波数の音量を調整してユーザーの個々の聴覚障害を補うソフトウェアと合わせて、QCC5100シリーズ搭載デバイスで動作する。このソフトウェアはユーザーが聴覚障害を引き起こす可能性のある音にさらされるのを防ぎ、クリアで安全なリスニング体験を提供するという。
なお、世界保健機関(WHO)のレポートによると、全世界人口の65歳以上の1/3が難聴で、10億人以上の10代や成人が難聴になるリスクを抱え、2050年までに9億人以上が難聴になると報告されているとのこと。また、クアルコムが行った調査「Qualcomm 2020 State of Play」では、調査対象の消費者の40%が自動で聴覚補助を提供できるイヤホンに関心を示しているという。