「なんだか最近、心に余裕がない」と感じたことがある人は多いでしょう。誰しも、状況次第で心のゆとりを失ってしまう可能性があります。

本記事では、心の余裕を奪う原因や、心に余裕がない人の特徴、そして心の余裕を取り戻すための方法を紹介します。心に余裕がない人との接し方もまとめました。

  • 頭を抱えている人

    心に余裕がない原因を理解し、余裕を取り戻しましょう

心に余裕がないとはどんな状態?

心に余裕がない状態とは、既に抱えていることで心や頭がいっぱいで、より良い方法や他のことを考えることができない状態のことです。

心に余裕があるときには、落ち着いて冷静な判断ができ、自分に自信を持つことができますが、そうでないときには、焦って判断をしてしまったり、ネガティブに物事を捉えたりしてしまいます。

なぜ心に余裕がない状態になるのか、原因を解説

人はどんなときに心に余裕がなくなるのか、その原因の代表例を紹介します。特に、自分だけで対処できない問題を抱えているとき、人は心に余裕を持てなくなりがちです。

金銭的に問題を抱えている

「借金を抱えている」「収入が少ないためしたいことができない」「貯蓄がないため、何か大きな出費があった際に対応できない」など、金銭面で不安があると、人は安定した生活が送れず、心に余裕がなくなります。

また、お金がないと欲しいものや食べたいものも我慢しなければなりません。飲み会などに参加したりといった人づきあいも制限されるため、ストレスの原因にもなります。

自分のキャパシティ以上の仕事を背負っている

人間のキャパシティには限りがあります。キャパシティ以上の仕事やストレスを抱えると、心に余裕がなくなっていきます。

自分の処理能力以上の仕事を振られたり、仕事量が多すぎると感じたり、常に仕事のことが頭から離れないといった状態になったときには要注意です。

恋愛や友達との人間関係、受験などプライベートの問題

パートナーや友人とケンカをしたり、子育てで悩みを抱えたり、親戚間でもめ事が起こったり、家族が受験を控えていて家の空気が張りつめていたり…。社会生活を送っていると、いろいろな問題が発生します。

そういった問題が心を占めていると、落ち着かずにイライラしたり、不安になったりすることがあります。

SNSの普及

SNSが浸透したことで、他人のキラキラした投稿を見る機会が増えました。SNSで見られるのはその人の一部分であり、見せていないだけで誰しもが苦労を抱えているはずです。しかし人は、相手の幸せそうな一面が全部だと思い込んでしまいがちです。そして、つい自分と比較してうらやんだり、自分がみじめに思えたりすることで、心の余裕が奪われていきます。

また、毎日投稿をすることに追われる、「いいね」が思うように付かず承認欲求が満たされないなどで、心の余裕がなくなってしまうこともあります。

心に余裕がない人の特徴や症状

心に余裕がないと、普段は起こさないようなミスが生じる可能性があるほか、周囲からの印象も悪くなってしまう可能性があります。無理をする必要はありませんが、なるべく早くその状態を改善するに越したことはありません。

しかし、心に余裕がないときこそ、自分の置かれている状況や自分の心身の状態になかなか気付けないものです。まずは、自分が以下の特徴や症状に当てはまっていないか、問いかけてみてください。

自信がない

自分に自信を持てずにいるとき、心の余裕がなくなってしまいます。他人と自分を比べて劣等感を覚えたり、他人からの評価を気にしすぎたりしてしまいます。

これらが原因で、気持ちが不安定になり、ネガティブな感情が強くなってしまうのです。他人に合わせた言動を続けていると、自分の考えや思いが薄れていき、消極的な言動が多くなってしまいます。

ストレスに敏感で、すぐイライラする

ストレスをため込んでしまって心に余裕がない人は、ちょっとしたことでストレスが心の許容量を超えてしまいます。そのため、ストレスに対して敏感になっていて、いつもイライラして不機嫌そうにしていたり、すぐに怒ったりします。

このようなケースの場合には、心からあふれたストレスを、自分だけでなく他人に向けることもあるので、人との接し方には注意が必要です。

真面目すぎる

真面目で完璧主義な人は、何事に対しても完璧にこなそうと努力をするため、能力以上のことをしようとしたり、慎重になりすぎて作業や確認に時間がかかったりしてしまいます。そのため、常に心身を休めることができず、それでも時間がないからと努力を続ける――という負のループに突入してしまいます。

人に頼るのが苦手

心に余裕が持てない人の中には、完璧主義で、かつ「人に頼るのが苦手」という人が多いです。そのため、どれだけ追い詰められても自分だけで解決をしようとしてしまいます。追い込まれて自分だけでは状況を解決できない場合には、人に頼ることも必要です。

優先順位を決めるのが苦手

物事の優先順位の決め方が苦手な人も、心の余裕をなくしがちです。優先順位の決め方が苦手であると、何を、いつまでに終わらせておくというスケジュールが立てられずに、急な予定が入ると臨機応変に対応できなくなってしまいます。

心に余裕を持つための対処法

心に余裕がないと感じた場合には、心に余裕を取り戻す必要があります。その方法はいくつかあるので、自分に適したものを見つけるようにしましょう。

人に頼る

人に頼ることが苦手で心の余裕をなくしてしまう方がいます。そのような人は、完璧主義者で何事も自分でやらなければいけない、頼ることは恥ずかしいことなどと思っている場合があります。すべてを一人で抱え込む必要はありません。信頼できる人を見つけて、無理をせずに頼るようにしましょう。

優先順位を決めて行動する

やるべきことを紙に書き出して、やるべきことの優先順位を決める時間を作りましょう。頭の中だけでスケジュールを組み立ててしまうと、優先順位の決め方を誤ってしまうこともあります。また、急きょ入る予定も後先を考えずに受け入れるのではなく、そのスケジュールに組み込めるかよく判断しましょう。

人と比べない

自分と他人で能力や価値観などが異なるのは当然のことです。また、自分は他人よりも劣っていると思っていても、他人も同じような評価をしているとは限りません。そのため、自分と他人を比べる意味はありません。それよりも自分にできることを見極めて、そのできることを頑張るようにしましょう。

完璧を求めない

完璧にこだわることをやめましょう。常に完璧にするのではなく、いつも「だいたいできていれば良い」と少し心に余裕を持たせましょう。これは手を抜くということではありません。毎日を完璧にこなすことは人である以上は不可能なので、自分で妥協点を作って、完璧へのプレッシャーをなくすことが目的です。

思い込みをなくす

ネガティブな感情は、「自分が他人よりも劣っている」「人に頼ってはいけない」といった思い込みをなくすことで解消されることがあります。まずは、ネガティブの原因は思い込みから来ていることを把握しましょう。

ポジティブな感情に切り替えるためには、小さな目標を立てながら、それらを達成していくなどの成功体験を積み重ねると良いでしょう。

自分の時間を作る

心身が疲弊していると、気持ちだけでは心に余裕を取り戻せない場合もあります。そのため、心に余裕がない場合は、まず自分の好きなことや趣味にかける時間を確保して、ストレス発散や心身のリフレッシュを行いましょう。

  • 鋭い目つきでこっちを見ている人

    心に余裕がない人が余裕を取り戻すための方法

周りにいる「心に余裕がない人」との接し方

自分ではなく、周囲に心に余裕がない人がいる場合もあります。心に余裕がないと、ストレスに敏感であったり、ネガティブな感情になりやすかったりすることがあるので、接し方に注意が必要です。

そのため、近くに心に余裕がない人がいる場合は、その対処法について把握しておくようにしましょう。

見守る

心に余裕がないと、ネガティブな感情になりやすかったり、他人を頼ることが苦手であったりします。また、優先順位を決めることが苦手な方も多いでしょう。

そのため、段取りの組み方が悪かったり、心の整理ができるまで時間がかかったりすることがあります。しかし、これらは周囲がせかしてしまうと逆効果となることもあるので、無理に周りにペースを合わせるように過度なアドバイスをしたり、叱責(しっせき)したりするのは避けましょう。

相手の能力を理解する

心に余裕がない人は、他人と比べて劣等感を持っていたり、完璧主義者であったりなどします。そのため、心に余裕がない方に何かを頼む際には、その方の能力やペースを理解しておく必要があります。

もし、能力以上のことを頼んでしまうと、頼まれたことができなくてネガティブになったり、1人で無理にこなそうとして自分を追い込んでしまったりなどしてしまいます。

心にゆとりがなくてしんどいときの改善方法を知ろう

心に余裕がないと、周囲に悪い印象を与えてしまうことがあります。そのため、もし心に余裕がないと感じた場合には、改善できるように行動を変化させましょう。また、近くに心に余裕がない方がいるという場合の、接し方も把握しておくことをおすすめします。