タコスといえば、日本人にもなじみ深いメキシコ料理。だがその他にも日本人の舌を満足させる料理がたくさんある。そんな本場メキシコ料理を提供しているお店が、実は身近にあることを知っていただろうか? 「エルトリート」横浜スカイビル店でその味を確かめてみよう。
メキシコ料理ってどうなのよ?
メキシコ料理は、先住民族であるアステカ族やマヤ族の料理をルーツに、コンキスタドールがもたらしたスペイン料理、そして近年ではアメリカの料理文化を受けて発展してきた。主な素材はトウモロコシとインゲン豆で、そこに独特の辛みを効かせた味付けが特徴だ。
「エルトリート」は、ファミレスのように気軽に立ち寄れる店構えながらも、その本場の味へのこだわりで、熱心なファンも多いという。今回は、横浜駅東口と直結した「横浜スカイビル」の28階にある、エルトリート 横浜スカイビル店にお邪魔してみた。
メキシカンハットやサボテン、飾り皿などで彩られた店内は、明るい雰囲気で家族連れも過ごしやすいだろう。28階から見る横浜の眺望は、夜にはムード漂う絶景になるので、デート利用にも良さそうだ。
野菜のおいしさをしっかり味わえる前菜
さっそくメキシコ料理を一通り味わっていこう。まずはフラワートルティーヤを揚げたシェルとともに野菜をたっぷりとれるサラダ「トスターダ」を選択。トッピングのソースをかけ、サックサクのシェルをバリバリと崩してすべてを混ぜ合わせるのがオススメの食べ方だそうなので、豪快に混ぜていただくことにする。
シェルが汁気を吸ってしっとりサクサクになり、口の中でキャベツ、レタス、トマト、アボカド、チキンとが混じりあい、絶妙な味付けがたまらん!…… のだが、この味は日本人には表現しがたい感じだ。さっぱりといくらでも食べられるし、炭水化物と合わせてもイケそう。
次にメキシカンアペタイザーの「テーブルサイドガッカモーレ ズワイガニ」をつまむ。トルティーヤチップスにアボカドディップとズワイガニをつけて頬張ると、ズワイガニの濃厚さとクリーミーなアボカドのハーモニーが口いっぱいに広がる。ああ、これはビールをお共にしたら延々と食べちゃうやつだ……。
さらに、メキシコのファストフードであるケサディーヤから「チキン&シュリンプケサディーヤ」をチョイス。多くの人が想像するメキシコ料理の味に一番近いかもしれない。チキンはやわらかく、エビはプリプリで食べる手が止まらない。
メインディッシュをお腹いっぱいいただくぞ!
あまりのおいしさに、調子に乗って前菜の時点でかなり食べてしまった。だが、ここからがメインディッシュ。メキシコ郷土料理の「スパイシーチキンエンチェラーダ」は、やわらかく煮込んだチキンをコーントルティーヤの中に入れて巻いたうえに、サルサをかけて焼いたもの。これ1つでご飯もインゲン豆もお肉も楽しめてしまう。
前菜とは違い、ぐっと濃厚で辛みのある味付けに、フォークが止まらない。たまにアボカドディップをつけたり、付け合わせのピクルスをかじると良いアクセントになる。
ビーフ・チキン・エビを豪勢にのせた「トリオファヒータグランデ」にもご登場いただきたい。グリルした具材にサルサ、サワークリーム、アボカドなどお好みのディップつけ、トルティーヤで巻けば完成。十人十色の楽しみ方ができる料理だ。なお、トルティーヤは既製品ではなくすべてお店で焼いていて、しかもおかわり無料で食べ放題(ディップは有料)。みんなでワイワイ楽しめること間違いなし。
そろそろおなかもいっぱいだが、限定メニューも楽しんでおきたい。エルトリートでは季節ごとにさまざまなアレンジ料理を提供している。9月24日からはちょうど「ハロウィンフィエスタ」の真っ最中だったので、「ハロウィンブリトー」を追加で注文(※同商品は期間限定での提供)。
さつまいもパウダーでコーティングされたコウモリ型のトルティーヤがハロウィン感を演出する。ここまでの料理と異なり、まろやかなチーズときのこの香りで、ファミレスのメニューのような趣きだ。味も日本人が想像する通りで、これならメキシコ料理になじみがない人でも食べやすいだろう。
パフォーマンスも楽しいデザートタイム
お腹ははちきれんばかりだが、お菓子は別腹だよね!…… と自分に言い訳して、トルティーヤを器に、フルーツ、生クリームやアイスクリーム、コーンフレークがたっぷり盛り付けられた食後のデザート「エルトリートマッドパイ」をオーダー。すると、なにやら良い香りが漂ってきた。なんとこのメニューでは、直前に熱したブランデーを注ぎかけるらしい。
ラム酒の香りが甘いデザートと絡み合って、これはたまらない。結構なボリュームがあるのに、すっかり平らげてしまった。食べすぎ要注意だ。
アルコール飲料にも見えるこだわり
最後はアルコール飲料を楽しみつつ、ゆったりと過ごしたい。エルトリートはドリンクメニューも豊富で、メキシコ料理に合うアルコール飲料が多数用意されている。
メキシコ料理に合わせるなら、まずはマルガリータだ。アツい料理を楽しんだ後にスッキリと味わえる「元祖フローズンマルガリータ」や、たっぷり楽しめて見た目にも楽しい「ヤードマルガリータ」は食後にピッタリ。
もちろんビールも欠かせない。「コロナ」や「テカテ」といったメキシコらしい銘柄のほか、「バドワイザー」や「シンハー」などを取り揃えている。
一度試したらわかる! メキシコ料理の気軽さとウマさ
食事を勧めるうちにすっかり日も暮れ、横浜の夜景が店内を彩る。メキシコ料理ということで「どんなものが出てくるんだろうか」「口に合うだろうか」と心配していたが、そんなことは全く杞憂だった。
確かに日本にはない味付けだが、そのクセは決して強いものではなく、そのおいしさは多くの人が馴染めるものだろう。気軽に入店して気軽に楽しめる、そんなメキシコ料理の奥深さを味わった気分だ。コロナ禍で外出できない期間が長かったこともあり、以前よりも食に興味を持っている方も多いハズ。いつもと違うおいしさが新鮮に感じた。