箇条書きは、要点を絞って簡潔に伝える書き方なので、仕事で使う場面が多くあります。文章を読み解くことにあまり時間をかけられないとき、箇条書きであれば要点を確実に伝えられます。
本記事では、箇条書きを使うときのルールや注意点などを紹介します。
仕事で箇条書きを使う主な場面
箇条書きとは、情報を絞って要点となる部分を簡潔に提示する方法です。多くは、単語のみか語尾を名詞や代名詞で終わらせる体言止めの形式が取られます。要点の1つごとに改行され、1行があまり長くならないよう工夫されています。
ビジネスシーンでもよく使用する箇条書きですが、仕事で使う具体的な場面を改めて確認しておきましょう。
■プレゼン資料
プレゼンテーションで、スクリーンや画面に映し出したり出席者の手元に配ったりする資料は、時間をかけて目を通せないため、要点のみを示す箇条書きが適しています。
資料は一目見て情報の概要がわかるように、図や表で構成します。文字で説明が必要となる項目については、箇条書きにして受け取り側が情報を受け取りやすいよう工夫します。箇条書きのマークに色をつけたり、記号にしたりする工夫も有効です。
■メールの作成
ビジネスメールでも重要な部分については箇条書きにして、相手に注目してもらう工夫が有効です。
メール通知する会議の開催日時・内容や、メールで伝える問題点など、文章として書くよりも箇条書きにして提示した方が、読み間違いや読み落とされるリスクを減らせます。
■会議の資料作成
会議の資料は箇条書きにすることで、出席者が会議の内容を理解しやすくなり、簡潔に進めていけます。資料作成では、会議の内容や報告内容は文章で書かずに箇条書きにまとめます。
会議を進める際は、箇条書きでまとめたアジェンダに従って進めます。会議の中で報告する内容は、資料上は箇条書きで提示し、補足が必要な場合は注釈文章を入れるか会議中に口頭で補完します。
箇条書きを使うメリット
箇条書きは仕事の文書では必須の技術といえますが、普段使いの文書でも箇条書きにするメリットは多くあります。ここでは、箇条書きを使うことのメリットを紹介します。
仕事を含め、文書を作成するさまざまな場面に応用し、箇条書きを積極的に使ってみましょう。
■情報を伝えやすい
箇条書きされている箇所は文頭に「・」や記号が打たれて一目でわかるので、読者も自然に注目します。長い文章も使われないため、目に留まりやすく理解しやすいと言えます。
■全体を把握できる
箇条書きでは、伝えたいことの内容や手順を短い文章の塊として提供します。1つの塊の中には、カテゴリの異なる内容は書かないようにします。
箇条書きのタイトルと内容を読めば、提示されている事象の全体像をおおよそ把握できます。例えば、会議についての箇条書きを読めば、会議の開催日時や議題を確認でき、何のための会議なのかがすぐに理解できます。
■書くべきところが明確になる
箇条書きにする際は、資料作成者はいったん自分の頭の中で整理して、要点と捕捉点を切り分けます。切り分けた中から重要ポイントだけを箇条書きにするため、文字にして書き出すポイントと、注釈や口頭で補えばよいポイントが明確に切り分けられます。
箇条書きを使うときのルール
箇条書きには基本ルールともいえる決まりごとがあります。より伝わりやすくするためアレンジも可能ですが、箇条書きの体裁を理解するうえでポイントは押さえておきましょう。
■行頭をそろえる
箇条書き形式では、行頭に一定のインデント(字下げ)を設け、各行同じ位置から文章を始めます。行頭に「・」や記号を使うことが多いものの必須ではなく、インデントのすぐあとに文字列を書き始めても箇条書きの体裁になります。
インデントのあとに行頭が揃った文章が数行あれば、「箇条書き」であることが誰にでもわかります。
■文量を調整する
箇条書きの1行は何文字までという制限はありませんが、簡潔さが特徴でもあるので、冗長な文章にならないように調整が必要です。
■盛り込む要素を1つに絞る
1つの項目の中に記述する要素の個数も、多くならないようにしましょう。複数の要素をあれもこれもと盛り込んでしまっては、文字量が適正だとしても箇条書きにする意味がありません。
■一定の間隔を保つ
箇条書きと箇条書きの間は改行し、各行の間隔を一定に保つようにします。場合によっては、箇条書きになっている項目を見出しにして、詳細事項や文章を書いた後に次の項目を記述することもあります。
箇条書きと箇条書きの間隔と、詳細事項の説明の段落とでは段落間隔を変え、箇条書きが一目で判別がつくようにしておきます。ワープロソフトでは、「箇条書き」設定で改行すると一定間隔の幅を保つように段落設定できます。
■時系列か並列かをわかりやすく書く
箇条書きにする内容には「手順」のように順番が時系列になるものと、どの箇条書きも並列で時系列も重み付けもないものがあります。
手順のように時系列のものについては「箇条書き番号」を行頭に書き、特に順序もなく重要度も同じ場合は行頭を記号にしましょう。
■同じ単語をまとめる
箇条書きでは、相手に伝わる限界まで一文を簡素にするため、各箇条書きの間で重複して使われる文言はまとめて1回の記述にします。
たとえば、恋人を選ぶポイントの調査結果を箇条書きにする場合、「顔が好み:30%」「性格が好み:45%」「体つきが好き:25%」という結果なら「~が好み」の部分を切り出してまとめます。
例)恋人を何の好みで選ぶか ・顔:30% ・性格:45% ・体型:25%
箇条書きを使うときの注意点
ポイントを守っていても、箇条書きの形式からはずれてしまう人がいます。ここで紹介する注意点についても確認しながら、受け手に情報が伝わりやすい内容を考えていきましょう。
■1行目に空白はつけない
ワープロソフトなどを使う場合、箇条書きの行にはインデント(字下げ)設定がされているので、さらに空白で字下げはしません。通常の文章は、段落を区別するために最初の行で1文字分の字下げを行いますが、箇条書きには適用しません。
■項目を長すぎないようにする
見やすいように、1行を折り返しの必要がない程度の文字量に収めましょう。折り返しがある文章は一目瞭然とはいかず、読み込むのに手間を要します。
長文の箇条書きも存在しますが、相手に確実に伝えたい要点をまとめて表記するという目的なら、一文が短いほど効果的です。
箇条書きの使い方を知り活用しよう
箇条書きは、相手に短い時間で要点を伝えたいときに効果的な記述技法といえます。効果的に使えば、資料やメールを読解するために使う時間の削減につながります。どのような内容を箇条書きにするのが適切かを理解し、仕事でもプライベートでも活用してみましょう。