女優の柴咲コウが主演する日本テレビ系ドラマ『35歳の少女』(毎週土曜22:00~)。劇中で音楽が極端に少ない演出が話題となっている。
初回放送前に、同局の番組『イントロ』(10月4日放送)に出演した脚本の遊川和彦氏は「ドラマっぽくないドラマを目指そう」ということが狙いであると説明。「日本のドラマはサービスが過剰だと思う。こっち(見る側)の想像力をまったく無視。信用してない」と疑問を抱えていたため、「登場人物たちが葛藤している姿を、いい役者を集めて作れば、余計な演出をつけなくても物語に没頭できる」ということを、今作で示そうというのだ。
第1~2話を見ると、放送事故かと一瞬ヒヤッとするような、長尺の静寂が6回、さらに黒みが4回の、計10回と多用されている。
昨年、同じチームで制作された『同期のサクラ』では、第1話で使用された音楽は14曲(約22分間)だが、第3話では4曲(約5分間)しか使われていない。音楽はここぞという時に、意味のあるタイミングでしか、使用しないことを徹底している。
また、その静寂からしっとりエンディングに流れる主題歌King Gnuの「三文小説」も話題。この曲にかかるモノクロでセリフがかかっていない映像は次回予告で、これも、見ている人に次回はどんな物語なのか想像してほしいという意図があるという。