JR東日本は、農産物流通システムを展開する農業総合研究所(和歌山県和歌山市)と資本業務提携を結ぶと発表した。両者の強みを生かし、国内農業の活性化を図るという。
農業総合研究所は、「農業がなくならない仕組みの構築」をめざす企業で、全国約9,200人の生産者と都市部を中心とした約1,600店舗の小売店をITでダイレクトにつなぎ、情報・物流・決済のプラットフォームを構築している。今回の提携は、同社が持つ「生産者との接点」や「物流ネットワーク」と、JR東日本が強みとする「豊富な顧客接点」や「鉄道ネットワーク」を活用することで、流通の効率性と生産者の収益力を共に向上させることを目的としている。
この提携にもとづき、JR東日本は今後、駅や駅周辺施設などを活用し、生産者にとって利便性の高い集荷場の整備を進める。農産品を通じて生産者と消費者の結びつきを深めることで新たなコミュニティをつくるほか、アグリツーリズムなどを展開し、交流人口の拡大をめざす。JR東日本グループが運営する小売店舗やショッピングサイト「JRE MALL」でも集荷した農作物を販売し、農業総合研究所の販売チャネルを拡充する。
この提携のため、JR東日本は農業総合研究所が実施する第三者割当による増資13万4,900株(発行済株式総数の0.62%、取得価額約1億円)を引き受ける。