15年間使っていた全自動洗濯機がついに壊れました。実家から嫁入り道具の1つとして買ってもらったものですが、さすがに10年も超えているし、よくがんばってくれたと思います。新しい洗濯機を購入しなくては……と思っていたところ、アクアから画期的な機能を搭載した全自動洗濯機「Prette(プレッテ)」シリーズが登場。超音波を使う部分洗浄機能を本体に搭載し、洗濯物の予洗いが簡単にできるというものです。

常々、洗濯前の予洗いが面倒でやめたかった筆者にとって、なんと魅力的な機能! さっそく使ってみました。

  • 9月16日に発売された超音波洗浄機能「らくらくSONIC」を搭載したアクアの全自動洗濯機「Prette(プレッテ)シリーズ」。業界最大となる洗濯容量14kgモデルのほか、12kg、10kg、9kg、8kgと5つの容量をそろえています。今回は14kgタイプをレビューします

洗濯がラクになる3つの機能!

Pretteには、家事がラクになるポイントが3つあります。1つめは、いまやトレンドとなった液体洗剤・柔軟剤の自動投入機能。あらかじめ本体に液体洗剤(約800mL)、柔軟剤(約780mL)を入れておけば、洗濯物の量にあわせて適量を自動で投入してくれるものです。つまり、今まで洗濯のたびに行っていた「洗剤を棚から取り出し」「洗濯物の量に合わせた必要量をキャップで計量し」「投入する」×2回ぶんの手間が省けるということ。

  • 詰め替え用パウチから直接本体に入れておけば、毎度の計量は不要に

自動投入機能があると、ただ手間が省けるだけでなく、適切な量を投入できるメリットがあります。そもそも通常の筆者の計量は、キャップの線を目安にしつつも正確に測ってはいないし、洗濯物の量に合わせて細かく変えたり、あまりしていません(笑)。でも洗剤の量が少なければ洗い残り、多ければすすぎ残りの原因になるので、当たり前ですがNGです。

2つめは、Pretteの目玉となる超音波部分洗浄機能「らくらくSONIC」。クリーニング店がシミ抜きに使っているという超音波洗浄機を本体に搭載し、突起形状の超音波ホーンが毎秒4万回も振動して、汚れを浮かせて弾き飛ばしてくれます。つまり今まで手洗いで行っていたワイシャツの襟や袖の皮脂汚れ、食べこぼしなどの予洗いが、手を濡らすことなくラクに、キレイに行えるというわけです。

  • 超音波洗浄機能「らくらくSONIC」。先端の超音波ホーンは28mmとワイドなので、一度に広範囲が洗えます

わが家の予洗いといえばこれまで、汚れに洗濯用せっけんをつけて、手で揉み洗いしたり、ブラシでこすり洗いをしたりしていましたが、面倒でサボることもしばしば(笑)。夫のワイシャツの襟元は、皮脂汚れを落とそうと思うあまり、ブラシで強くこすりすぎて繊維を傷めてしまうこともありました。最近は、マスクについたファンデーション汚れを手洗いすることが増えているので、これが簡単にできたら最高だな~。

そして3つ目のポイントは、業界最大となる洗濯・脱水容量14kgというモデルをラインナップしたこと。14kgあれば、今まで毎日行っていた洗濯を2~3日に1回のまとめ洗いに減らしたり、布団や毛布なども余裕で洗えます。今まで容量6kgを使っていた筆者としても、未知の世界を体験してみたく、14kgのAQW-GVX140Jを使ってみることにしました。2020年10月中旬の実勢価格は140,000円前後(税込、ポイント還元込み)です。

14kgのわりにコンパクト。わが家の洗濯機置き場にもすっぽり

心配だったのは、果たしてわが家の洗濯機置き場に入るのか、ということでした。何しろ使っていた洗濯機から容量が2倍以上になるわけですから、そのぶん本体も大きくなります。といっても14kgタイプの本体サイズは幅650×奥行633×高さ1,069mmと、容量のわりにはコンパクト。しっかり計測したうえで、ギリギリ入りそうだということで搬入してもらいましたが、業者さんにも「全然余裕ですよ」といわれ、ホッと一安心。

  • 以前使っていた全自動洗濯機。15年前に親に買ってもらった6kgサイズですが、毛布などは1枚ずつしか洗えないなど、容量に少し不満を感じていました

  • 14kgのPretteはこの迫力! 洗濯機置き場ギリギリに収まりましたが、今まで置いていたランドリーラックは撤去することに

  • 上面がガラスになっていて、洗濯の最中でも洗濯槽の中が見えます

あまりの大きさにビックリですが、デザインがスッキリしているので、圧迫感はありません。上面のカバーもガラスになっているので、スタイリッシュな印象。ただ洗濯槽が深くなったので手が届きにくかったり、フタを開閉する動作が大きくなりそうです。

設置が完了したので、まずは液体洗剤・柔軟剤自動投入の準備から。液体洗剤は約800mL、柔軟剤は約780mL入るので、それより多い大容量タイプを購入し、左の投入タンクには液体洗剤を、右には柔軟剤を入れていきます。注入自体はスムーズでしたが、どれくらい入ったかが見えないため、けっきょく両方ともあふれさせてしまい、慌てて拭き取ることに……。

  • 洗剤が固まって詰まるのを防ぐため、洗剤用のタンクは水色、柔軟剤用タンクはピンク色のフィルターがついています

1回の洗濯に必要な洗剤・柔軟剤の量は、製品によって異なります。そのため最初に入れるときや洗剤の種類を変えたときは、自動投入基準量の設定が必要。洗剤・柔軟剤のパッケージに書かれている「水30Lに対して必要な量」を設定します。今回筆者が購入した洗剤「アリエール」は、水45Lに対し45mL、つまり水30Lに対し、洗剤30mLで設定しました。

超音波がこびりついたファンデーションをスッキリ落とす!

ここまで準備したら、洗濯より先にやってみたかったのが「らくらくSONIC」! どれだけラクに、どれだけキレイになるのか、と思うとワクワクします。電源を入れてトレイを引き出したら、「らくらくSONIC」ボタンをタッチ。スタートボタンを押すと、最適な濃度(5%)に薄めた洗剤液がトレイに流れてきます。これも、洗剤自動投入機能があるからこそできるワザです。

  • スタートボタンを押して20秒でトレイに洗剤液が溜まり、さらに20秒たつと超音波振動が始まります

「ピピッ」と音がなり、運転ランプが光ったらジジジジジジ……と超音波振動がスタートするので、超音波ホーンに衣類の汚れ部分を当てていきます。まずは毎日のように手洗いしているマスクを洗ってみました。

  • 1日使ったマスクにはファンデーションがベッタリ。洗濯機では落としきれないのは実感済みです

マスクを広げ、超音波ホーンに軽く当てていくと……見る見る汚れが落ちていく! 布を広げ、動かしているだけで、力はほとんどいりません。超音波を発するホーンが28mmとワイドなので、一度に広範囲を洗え、約1分半でファンデーション汚れをすっかり落としてくれました。

【動画】「らくらくSONIC」で汚れを落としていく様子

【動画】ファンデーションで汚れたマスク、「らくらくSONIC」で見る見る真っ白に!
(音声が流れます。ご注意ください)

  • これは爽快! ブラシでこすることも、手で揉み洗いすることなく、こんなにキレイになるなんて!!

ほかにも夫のワイシャツの襟汚れや、布バッグについたシミ、食べこぼしなど、いろんなシミを洗ってみましたが、どれも気持ちいいほどキレイになりました。超音波、すごい!

  • 超音波ならブラシのように生地を傷めないので安心して使えます。日ごろから使えば皮脂汚れの蓄積による黄ばみが抑えられるそうです

しょうゆ、ケチャップ、口紅、ボールペン

日常生活でありがちなシミ汚れがどれだけ落ちるか、試してみました。しょうゆ、ケチャップ、口紅、ボールペンです。シミをつけて15分置いてから、超音波洗浄してみたところ、しょうゆとケチャップは1分程度の洗浄でシミはほとんど見えなくなりました。一方、口紅とボールペンはなかなか手強く、1分では落とせなかったものの、3分ほどで口紅はうっすら残る程度、ボールペンはほとんど落とせたようです。

  • 左上から時計回りに、しょうゆ、ケチャップ、ボールペン、口紅。口紅は発色のよいウォータープルーフで、かなりねっとり付着しました

  • しょうゆ、ケチャップは見る見る落ちていき、大きな爽快感を味わえましたが、口紅とボールペンは苦戦。それでもここまでキレイになりました

超音波洗浄を使い終わったら、トレイを元の位置に押し込めば、トレイに溜まった洗浄液は自動で槽の外に排出されます。さらに、トレイや水路は水道水で自動洗浄するため、清潔に保てるそうです。

まとめ洗いも大物洗いも、ラクにこなす14kgの実力

続いては肝心の衣類の洗濯を。何しろ初めての14kg、どれだけ入るのか想像もつきません。そこでいつもは毎日洗っていた家族3人(夫、息子、私)の洗濯物を2日ぶん溜めてみました。日常的な洗濯では、洗濯物の量に合わせて水量や洗剤量、洗濯時間などを自動で設定してくれる「標準」コースを使用。すると今回の洗濯に必要な水量は、約70Lと表示されました。最大で96Lなので、もう少しいけるということか。

  • 家族3人ぶんなら、2~3日ぶんはまとめ洗いできます。洗濯回数が減らせると、家事の手間も軽くなりますね

いよいよ洗濯を始まると、今度はガラストップの面白さを実感しました。洗濯中、内部の様子が丸見えなのです。水が注入されたり、たっぷりの水の中で洗濯物が回る様子がジャブジャブという心地よい水の音ととも見えると、きれいになっていくのが視覚でもわかるように感じます。

【動画】洗濯の全工程が見えるのは新鮮でした

ちなみに洗濯性能では、給水経路で圧力を加えることによって、洗剤液をしっかり泡立たせ、繊維の奥の汚れを包み込んで浮かせて落とす「パワフル泡浸透」を搭載。また、上下左右に衣類をかくはんしてしっかり揉み洗いする「3Dパワフル洗浄」で、ガンコな汚れも芯から落とすとのこと。実際、洗濯物はニオイも汚れもスッキリ落ちていて、満足できる洗いあがりでした。

そこで今度はもう少しガンコな汚れに挑戦。Tシャツに泥汚れをたっぷり擦りつけ、洗濯機で洗ってみました。今回は「標準」コースではなく「自分流」コースを選んで、洗いの水流を強める「強水流」を使ってみました。一度の洗浄では少し泥が残ったため、追加で「らくらくSONIC」した結果が下の写真。

  • 子どもがサッカーや野球をしたり、公園で遊んだりすると、こんな泥汚れをつけて帰ってきたりしますよね……

  • 洗いの「強水流」と「らくらくSONIC」の合わせ技で、うっすら汚れは残るものの、かなりきれいに落とせました

また、14kgという大容量だからこそ、毛布の洗濯も余裕。綿毛布ならシングルサイズで5枚まで、アクリルまたはポリエステル100%の毛布なら、シングルサイズ2枚まで洗えます。さらに家じゅうのカーテンも外して洗いまくりました。

  • アクリル毛布は、折って丸めて、専用の大物洗い用洗濯ネットに入れて洗います。今回はネットがなかったのですが、イメージはこんな感じ

基本的には、洗濯物の量に合わせて自動で設定してくれる「標準」コースを常用していますが、たまに「自分流」コースも使います。これは自分で好みの洗濯時間やすすぎ回数などを設定できるコースです。自動より長めにしっかり洗いたい、短時間で脱水したいときなどに便利。また、「らくらくSONIC」で部分洗いしたものを手早く洗いたいときは、「SONIC速洗」を使うと18分で洗い上げることが可能です。

Pretteが来てわが家の洗濯スタイルが変わった

以上、わが家にPretteがやってきてから2週間以上になりますが、とにかく「らくらくSONIC」の快適さにはやられっぱなしです。今までの「予洗いしなくちゃ」という面倒な手間と意識から解放されただけでなく、あまりに楽しいので「ほかに洗うものはないかな」と探してしまうほど。予洗いしたらほかの洗濯物と一緒に洗濯機に入れ、スタートボタンを押すだけで洗濯が始まるので、かなりの工程が省けるようになったことを実感しています。

「3人家族には大きすぎるかな」と懸念した14kgのサイズですが、以前の洗濯機では無理だったまとめ洗いや大物洗いができるようになり、結果として洗濯スタイルの幅が広がりました。同じ6kgぶんを洗うとしても、狭い洗濯槽より広い洗濯槽で洗ったほうが、洗濯物も動きやすく、よりきれいになりそうな気もします。乾燥機能はついていませんが、全自動洗濯機派という人には、14kgの大容量かつ「らくらくSONIC」を搭載した「Prette(プレッテ)」AQW-GVX140、おすすめです!