アイドルグループ・A.B.C-Z(橋本良亮、戸塚祥太、河合郁人、五関晃一、塚田僚一)が主演を務める、映画『オレたち応援屋!!』が23日より全国で公開される。2012年より毎年行われている単独公演“ABC 座”の5作目『ABC座2016 株式会社応援屋!!~OH&YEAH!!~』を原案とした同作は、依頼人からの要望によって様々な事を全力で応援する、株式会社応援屋の活躍を描く青春ムービーとなっている。
やんちゃ担当・剣持秀一郎(橋本)、優しさ担当・大城戸寛人(戸塚)、ツッコミ担当・犀川勇(河合)、分析担当・白井和磨(五関)、元気担当・森田壮吉(塚田)と個性豊かな応援屋のメンバーが、高校教師・小柳沙織(小島藤子)の依頼により、東京の離島にある高校へ。生徒役としてはジャニーズJr.からHiHi Jetsの井上瑞稀と猪狩蒼弥、Jr.SPの林蓮音と和田優希、加えて鈴木舜映、鈴木大河も参加する。今回は、A.B.C-Zの5人にインタビュー。映画化への思いや、すでに次回作の構想についても!? 様々な話を聞いた。
■ジャニー喜多川さんの発想「理屈じゃない」
――舞台で上演されていた「ABC座2016 株式会社応援屋!!~OH&YEAH!!~」を原案とし、『オレたち応援屋!!』として映画化されることが決まった時の気持ちを教えてください。
河合:ずっとやっている舞台が題材として映画になる、信じられないしすごく嬉しかったです。
五関:僕も嬉しかったですね。毎年やらせてもらってる"ABC座"がより広がった、より大きくなったという感じがしました。
橋本:嬉しかったんですけど、まだ台本ももらっていなかったので、舞台版の役をまたやるのかなと思ってびくびくしていました。あんまり頭が良い役はやりたくなかったので(笑)。『ジャニーズ伝説』じゃなくて『応援屋!!』なんだ、というところも驚きでした。
塚田:応援屋という新しい言葉だけど、日常の中でも人助けなどを含め、それらのことが応援でもあるんだなと思うとすごく幅広い。映像でも舞台でも共感してもらえると思うとすごく嬉しかったです。
戸塚:グループ5人そろって映画で主演を張らせてもらえるということで、こんな貴重な機会はなく、本当に幸運なグループだと思いましたし、ファンの方々に映画という形でも『応援屋!!』を届けられるのが嬉しかったですね。
――実際に台本を読んでの感想はいかがでしたか?
橋本:頭が良い役でなくて安心しました(笑)。ヒロインとのキュンキュンシーンはどう撮影しようかなと緊張しました。
戸塚:物語の中で唯一のラブパートが、剣持(橋本)と沙織さん(小島藤子)とのシーンだもんね。周りがコメディだからこそ、余計に「ここ、際立つんだろうな」と。全国の女子のキュンキュンポイントだし、これを一手に担う橋本は大変だっただろうけど、「いいな」と思いました。
塚田:朝、沙織先生が起こしに来た時に、僕らが布団で寝てるシーンも、ある意味ラブシーンだと思います! 抱き合って寝てたりするんですよ。あれもラブシーンだよね?
河合:そうだよ(笑)。
塚田:ファンの人、絶対好きだって! そういうところも見てもらいたいですね!
橋本:シーン的には一瞬なので、見つけた人はラッキー。そのためだけに何回も見てもいいし(笑)。
――「A.B.C-Zさんはジャニー喜多川さんの教えを受け継いでいるグループだ」ということも伺ったことがあるのですが、この映画でも他の仕事でも、自身の中にジャニー喜多川さんの精神が受け継がれてると思う点などありましたか?
河合:常にどこかにジャニーさんイズムは持っているんですけど、映画に関しては特に自分の中ではそこまで意識はしてなかったです。でも、公開日がジャニーさんの誕生日だったので、決まった時にはびっくりしました。その3日前は、僕の誕生日なんですけど(笑)。ジャニーさんが作ってくれた舞台"ABC座"があって、そこからできた映画が、ジャニーさんの誕生日に公開するというのは、運命を感じました。「もっとジャニーさんを意識しろ」ということなのかなと思いました。まあ、その3日前は僕の誕生日なんですけど(笑)。ぜひ書いておいてください。
五関:僕はどの仕事に対しても常にジャニーさんイズムを持っているものだと思います。今回は最後の「雷神の舞」の振り付けも担当したんですが、お祭りという初めてのジャンルだったので、今までの経験は活かしつつ、新たな引き出しをもらったという感覚でした。
河合:もともと、「人を喜ばせたい」というエンターテインメントの部分はどの仕事に対しても思っていることですし、この『応援屋』はまさに「喜んでもらうために応援する」という部分はあるかもしれないです。
橋本:一昨年、ジャニーさんが「僕はA.B.C-Zのファンだよ」と言ってくれて。ずっと、亡くなった実感がないんですよね。舞台の稽古でも見守ってくれている感じはしますし、新しい、舞台と映画が連動した“ABC座”も見せたかったな。多分見てくれているだろうし、ジャニーさんは新しいことが好きなので、喜んでくれていると思っています。
塚田:舞台と映画の連動が、東宝さんの歴史の中でも初めての試みということで、新しいですからね。僕が演じる森田の「諦めちゃダメだよ」というセリフがあるんですが、ジャニーさんもずっと第一線で走り続けていたし、「Show must go on」という精神を感じました。脚本の徳尾(浩司)さんも過去に『PLAYZONE』(10〜12年)の演出と脚本で携わっていただいたので、ジャニーさんのことを思い浮かべてくれていたんじゃないかな。
戸塚:「雷神の舞」を踊るシーンの時に、「なんで俺、踊るんだろう」と、けっこう疑問で(笑)。台本にも書いてないし、Jr.の子たちをサポートすると思っていたんだけど、最終的には歌って踊ることになって。ずっと「なんでだろう」と考えてたんですけど、答えが見つからなくて、でもジャニーさんがいたら「そんなこと考えなくていいんだよ!」と怒られてたんだろうなと思います。ジャニーさんの発想って、理屈じゃないというか、普通じゃない。そんなちっちゃなことに囚われてたら何もできないし、やっぱりあの人の考え方はでかかったんだな、宇宙的だったんだなと思います。本当に「そんなこと考えてどうするの! 考え出したらもっといっぱいあるんだよ世の中! なんでと思うことはいっぱいあるんだよ!」と怒られていただろうな(笑)。
河合:ああいうところで踊らせるのはめっちゃわかる(笑)。
――「雷神の舞」それだけ迫力のあるシーンでしたが、五関さんが振り付けも担当されて、短い撮影期間の中で大変そうだなと。
河合:その日が1番大変でした。時期的にも寒いし、人数も多いし、五関が仕切っていたのがすごいなと思いました。地域の方たちも参加して、エキストラの方もいたので、いいところを見せたくて、振り付けの助手みたいな感じで立つという遊びを何回かしました(笑)。周りが見たら「あの2人で作り上げてるんだ」と思われるんじゃないかと。
五関:けっこう早い段階から打ち合わせをしてたんです。当日いっぱいいっぱいになるのはわかってたので、なるべく前段階で小道具やお祭りのイメージなどの情報を聞き出して。でも、当日のことはそこまで記憶にないです(笑)。ただ、「雷神の舞」撮影の前後で白井の表情が違うと言われました。
塚田:「すっきりしてるね」と言われてましたね(笑)。
五関:肩の荷が下りた(笑)。
橋本:みんな振り付けのスケジュールが合わなくて、一気に覚えたんです。でも撮影まで期間が空いていたらやっぱり忘れてしまって、本番の前日に1時間くらいおさらい、という感じでした。僕は五関くんの振り付けが大好きで、ソロライブやA.B.C-Zのライブでもすぐに覚えちゃうけど、「雷神の舞」だけはいつもと違うお祭りのテイストが入っていて、覚えられなかったんです。それを振り付けしている五関くんがすごいなと思って、完璧にしたかったんですけど、全然入ってこなくて、ギリギリでしたね。
塚田:歌も独特だしね。
河合:「大丈夫かな?」と思ってたよ。
橋本:河合さんと僕が1番「わかんない、わかんない」と言ってて(笑)。
河合:はい、僕もです(笑)。
――でも映像では完璧で。
橋本:そうなんですよ! 映像に残るものなので絶対に完璧にしたいなという思いがありました。
塚田:今思うと、自分たちの曲は5人だけとか、Jr.の子がついているだけだけど、この撮影は規模が大きかったので、「失敗しちゃいけない」という緊張感がいい風に出てたんじゃないのかな。
戸塚:僕は最初、旗を振る役を命じられて、これまでにも東京ドームだったり代々木第一体育館だったり数々の会場で旗を振ってきたので、「いけるぞ」と。旗はもうバッチリで、自信満々! 踊りに関してはちょっと、空白を埋めるのに時間がかかりました(笑)。
全員:(笑)
塚田:旗をスッと動かすのって、風の抵抗でけっこう難しいけど、コツがあるんですよ。ジャニーズJr.の時にやっていたので(笑)。
戸塚:東京ドームで振ってますから、自信持って言えます。
■「応援屋」というテーマでいくらでも物語ができる
――気が早いですが、もし『オレたち応援屋!!』の第2弾があったら、次はどんな人を応援したいですか?
河合:また、学生の皆さんを応援したいですね。新型コロナウイルスの影響で学校に行けなかった方がたくさんいると思うので、卒業式ができなかった方の式をやったりとか。そしたら、Jr.も出れるんじゃないかな。
五関:なんだろうな……恋愛かな。たぶん役的には5人とも恋愛が得意じゃないと思うので、間違ったアドバイスとかでけっこうわちゃわちゃできるんじゃないかな。
橋本:僕は小学校の頃に、空き缶を集めてお年寄りの施設に車椅子をプレゼントしたんです。そのときに、すっごい喜んでくれたことが印象に残ってて、ボランティア系もいいなと思います。
塚田:個人的な気持ちもあるんですけど、エンタメ界を応援したいです。いろんなエンターテインメントがあると思うんですけど、日常の中で「大変そうだな」「笑顔が少ないな」と思ってる人を笑わせたりするのもエンターテインメントだったりするし……絶対に必要なものだから……それをまとめて、困ってる人を応援したいです!(笑)
橋本:今、1番助けたいのは塚ちゃんだな(笑)。
塚田:エンターテインメントって滅びちゃいけないと思うので! 生活には関わりないように思われるけど、日常の会話とか、面白い画像を発信するのもエンターテインメントだし、滅びちゃいけない。
戸塚:僕は、すべての着ぐるみの中の人を応援したいですね。
全員:(笑)
河合:たぶん応援されたことのない人たちだと思いますよ(笑)。
戸塚:"中の人"を応援したいです!
五関:『ABChanZOO』の企画で入ったことあるよね。あれ、本当に大変なんだよ!
河合:暑いし!
五関:元気良く「うわーっ!」て手を振るだけで酸欠になるんですよ!
河合:「応援屋」という題材だと、どんな物語にもできるので。もともと舞台でのテーマは将棋だったんです。その影響もあって将棋ブームも起きたので……(笑)。
橋本:俺らきっかけで!?
河合:五関が火をつけた(笑)。それは冗談ですけど、永遠にできそうですよね。
■A.B.C-Z
橋本良亮、戸塚祥太、河合郁人、五関晃一、塚田僚一からなる5人組。2008年に結成され、2012年に『Za ABC〜5stars〜』でDVDデビュー。その後CDアルバム、シングルなども発売し人気を博す。グループでの出演は、主演ドラマ『魔法★男子チェリーズ』(14年)、『ぼくらのショウタイム』(19年)、2012年から舞台“ABC座”シリーズなど。
(C)2020映画「オレたち応援屋!!」製作委員会