米NVIDIAは10月20日(現地時間)、クリエイター向けの機能を充実させたグラフィックスドライバー「NVIDIA Studio Driver 456.71」の提供を開始した。既にドライバダウンロードページで配布されており、無料でアップデートできる。

  • NVIDIA、「Creative Cloud」の最新機能に対応するクリエイター向けドライバアップデート

NVIDIA Studio Driverはグラフィックスカードをゲームだけでなく、クリエイティブ用途にも使用するユーザーに向けたドライバー。AdobeやAutodeskなどのアプリケーションで幅広く動作検証を行っており、高いパフォーマンスにあわせて信頼性も提供する。Quadroシリーズのグラフィックスカードだけでなく、GeForceシリーズの製品でも利用できる。

今回のアップデートでは、10月20日~22日にAdobeが開催したオンラインカンファレンス「Adobe MAX 2020」で公開された「Creative Cloud」の新機能のサポートを追加。この他Adobe Substance、Notchなどの3Dアプリケーションに追加された機能にも対応する。主なアップデート内容は以下の通り。

  • Adobe Photoshop
    人物を識別し、スライダーの操作だけで表情や年齢、視線などを調整できる「ニューラルフィルター」機能をサポート。
  • スライダーの操作だけで見た目の年齢や視線の方向まで変更可能

  • Adobe Premiere Pro
    ビデオのデコードがGPUのデコーダにオフロードされるよう機能を改善。高解像度ソースやマルチストリームのスクラブを行う際の応答性を大幅に向上する。
  • CPUでは19分かかっていたところ、GPUの使用で3分に高速化

  • Adobe Premiere Elements
    GPUアクセラレーションに対応。クロップやアニメーション、レンズフレアなどの効果を適用する際、プリレンダリングを行わず即座にプレビューが可能になる。

  • Adobe After Effects
    Adobe Sensei AIにローカルのGPUデバイスを使うことで、グリーンバックを用いることなく人物などを切り抜くことができる「RotoBrush 2」機能のパフォーマンスを大幅に改善。

  • Substance Alchemist
    3Dマテリアル作成アプリケーション「Substance Alchemist」では、第2世代 RTX GPUを正式にサポート。AIを使用して写真や高解像度スキャンから新しい素材を作れるようになる。

  • Notch
    NVIDIA Broadcast Engine AR SDKとの統合により、高度なフェイストラッキングアニメーションやビデオエフェクトを生成可能。CPUのみでレンダリングを行う際よりも安定性を向上した他、処理時間を短縮。ライブ配信でも使用できるほどの低レイテンシを実現する。