投資信託や社債などの有価証券には、必ず目論見書という書類が交付されます。投資対象の特徴を把握し投資するかどうかを判断するためには、目論見書は避けて通れません。
本記事では、投資信託における目論見書の概要と交付目論見書と請求目論見書の違い、目論見書の見方について解説します。目論見書を読む際にチェックしたいポイントをまとめたチェックリストも掲載していますので、目論見書を読む際はご活用ください。
目論見書とは
目論見書とは、投資対象(社債や投資信託などの有価証券)の特色や運用の方針など、重要な情報が記載された資料で、いわば投資対象の取扱説明書です。発行者が有価証券を販売する場合は、投資家に対して目論見書の交付義務があります。
本記事では、特に投資信託における目論見書について解説します。
目論見書を交付する目的
目論見書の交付目的は、投資家がその投資信託に対して投資するかどうかの判断を下すために必要な情報を提供することです。目論見書に記載されている内容は、主に以下の通りです。
- 発行者名
- 事業内容
- 資本構成
- 財務諸表
- 発行総額
- 手数料
これらの情報を確認して、投資家は自分が求めている投資対象かどうかを判断します。
交付目論見書と請求目論見書
目論見書には、交付目論見書と請求目論見書の2種類があります。交付目論見書は投資前に販売会社から交付され、自分に合った投資対象かどうかを確認するために利用する資料です。
交付目論見書には、投資をするうえで必要不可欠な情報がシンプルにまとめられています。記載内容は、主に運用方針やリスクから手数料までの主要な情報です。
一方、請求目論見書は、交付目論見書よりさらに詳しい情報を知りたい際に参照する資料です。請求目論見書は、販売会社に請求しなければ受け取れません。気になる投資対象が見つかった場合、ファンドの沿革やくわしい経理状況など、より詳細な内容を知りたい場合、販売会社に請求します。
仮目論見書
仮目論見書とは、内容が未確定であることを明記した上で、有価証券を販売する会社が交付する目論見書のことです。有価証券届出書の提出後、届け出の効力発生までの間に行われる投資勧誘には目論見書の交付義務がありません。しかし、投資を勧誘するときは、目論見書と違う表現は禁止されているため、仮目論見書が作成されます。