声優でオーディオマニアとしても知られる小岩井ことりさんが企画・開発に携わったイヤホン「KPro01」の一般販売時期が、2021年春に決定。新たに、杉田智和さんによるシステム音声も加わることになりました。オウルテックが10月14日に開催したオンライン発表会の模様をレポートします。

  • alt

    声優・小岩井ことりさんが企画・開発に携わったイヤホン「KPro01」が2021年春一般販売へ

KPro01は完全ワイヤレスながら、付属のケーブルをつなぐと有線イヤホンとしても使えるのが特徴です。オウルテックは「遅延のない有線イヤホンとしても使える完全ワイヤレスイヤホン」をコンセプトにKPro01を開発。小岩井ことりさんは、有線と無線の接続が切り替えられるという製品構成の提案から、サウンドのチューニング、デザイン策定まで、幅広く関わっているとのこと。

製品化に向けた資金集めをクラウドファンディングサービスのMakuakeで2020年2月から実施し、募集開始からわずか45分で目標金額の300万円を大幅に超え、1,000万円を突破。4月25日時点で7,500万円以上を集めていましたが、同日配信の「春のヘッドフォン祭2020 ONLINE」にて多数の声優ボイスが追加されることが明らかになった後、受付締切の4月29日までの5日間で1億円近い追加支援が集まり、大きな話題となりました。

  • alt

    KPro01の実機(一般販売向けのものとは異なる)

KPro01の価格はオープンプライスですが、店頭価格は標準セットが税込21,780円前後、標準セットにシルバーケーブルも追加したセットが同25,080円前後を見込んでいます。今回、イヤホン本体を充電するためのクレードルが付属することや、システム音声に声優・杉田智和さん(『銀魂』坂田銀時役など)のボイスが追加されることも発表されました。

オウルテック広報の安藤省吾氏によると、Makuakeプロジェクトページに杉田さん本人がコメントを書き込んでおり、それが縁となって杉田さんの音声追加が決まったとのこと。一般販売のタイミングでファームウェアを提供し、イヤホンと連携するアプリから更新することでボイスを追加するかたちになるそうです。Makuake版を入手したユーザーもアプリで追加可能になるとのこと。

  • alt

    KPro01に付属する充電ケース

ほかにも、オウルテックの新製品として、小岩井ことりさんがシステム音声を担当した完全ワイヤレスイヤホン「CURREN C01」(BTTW-C01)を11月に発売。女性向けのスマホケース「CURREN(カレン)」シリーズの名前をとったそうで、イヤホンのデザインも“女子ウケのいい”デザインに仕上げました。価格はオープンプライスで、税別3,800円前後での販売を見込んでいます。

  • alt

    CURREN C01(BTTW-C01)

6mm径のダイナミック型ドライバーを搭載しており、聴きやすく疲れにくい優しい音質を特徴としています。イヤホン本体で約5時間再生でき、ケースと組み合わせて最大15時間音楽を聴けます。IPX5防水にも対応します。重さは片側約3.3g。

この発表会に登場していた、オーディオ評論家の野村ケンジ氏は「(CURREN C01の)音を聞いてみたが、『音が出てればいい』という製品ではなく、ちゃんと音楽が音楽らしく聴こえる」と評価していました。

  • alt

    CURREN C01を装着したところ

今後の新製品として、ネックバンド型で6mmと10mmのデュアルダイナミックドライバーを搭載したBluetoothイヤホン「SAMU-SEBT01」を2021年春に発売することも予告。再生時間は16~20時間で、好みの音に変えられる「EQボタン」を搭載しています。価格は3,980円(税別)を予定しているとのこと。

  • alt

    デュアルダイナミックドライバーを搭載したBluetoothイヤホン「SAMU-SEBT01」

発表会ではほかにも、8月に発売したばかりの新しい完全ワイヤレスイヤホン「SAMU-SE05」と、「SAMU-SE04S」(既報)の特徴を紹介。

  • alt

    SAMU-SE05

SE05は6mmドライバーを搭載し、ナチュラルサウンドを目指しつつEDMやJ-POP、アニソンにも合うように作られています。対応するコーデックはSBC・AAC。実機を聴いてみると、エド・シーラン「Shape of You」やダフト・パンク「Get Lucky」、ChouCho「Asterism」(アニメ『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ!!』OP)などを元気なサウンドで奏でてくれました。

  • alt

    モニターイヤホンのような形状で耳へのフィット感を高めた

  • alt

    SE05を装着したところ

モニターイヤホンのような形状で耳へのフィット感を高めており、ハウジングには再生/停止・ボリュームコントロールが行える物理ボタンを備えています。ちなみに、ボタン周囲には、ペアリング時に青く発光するLEDリングを備えていてオシャレです。付属の充電ケースは手のひらに収まる小ささで、上蓋と下のケースをつなぐバンドにストラップなどを通せば、ぶら下げて持ち運ぶこともできそうです。

なお、イヤーピースが薄型なので音が抜けないよう耳穴に密着させる必要があることや、市販の一部の完全ワイヤレス用イヤーピースに交換するとケースに収まらなくなる点には注意が必要です。

  • alt

    SE05に付属する充電ケースは手のひらに収まる小ささ

SE04Sは、「SE04」(2019年発売)をベースに音質や性能を強化し、ドライバーユニットに構造を一新したカーボン振動板採用の「Dual-Layered Carbon Driver」を搭載。コーデックはSBC、AACに加えて低遅延なaptXもサポートします。連続再生時間は10時間で、ファブリック調の素材を使った充電ケースと組み合わせると最大60時間使えます。

  • alt

    SAMU-SE04S

  • alt

    オウルテック広報の安藤省吾氏(左)と、オーディオ評論家の野村ケンジ氏(右)