ハーマンインターナショナルは、2020年秋冬の新製品が一堂に会するメディア向けの内覧会を開催。JBLのポータブルBluetoothスピーカー「JBL GO3」や低価格なゲーミングイヤホン「JBL Quantum 50」のほか、マークレビンソンやARCAMといった高級オーディオ製品の姿もあった。
高級オーディオ市場についてハーマンインターナショナルでは、2020年10月の消費税増税前の駆け込み需要でピークを迎え、その後も「JBL L-Classicシリーズ」やマークレビンソン(Mark Levinson)「No5000」シリーズの製品を投入し、堅調に推移したと説明。コロナ禍においては歴史や実績、信頼のあるブランドが消費者に選ばれる傾向があるそうだ。
会場にあったマークレビンソンのアナログターンテーブル「No5105」は12月に発売予定で、価格は税別65万円。ブラックとシルバーを基調とした歴代モデルのデザインを受け継ぎ、質感を統一している。
同ブランドが培ってきたサウンドクオリティを、デジタル音楽配信の普及やアナログレコード復権の時代において、より多くの音楽ファンに届けるために企画された「No5000」シリーズの新製品。第1弾のプリメインアンプ「No5805」(税別85万円)、第2弾のネットワーク対応SACDプレーヤー「No5101」(同60万円)に続く第3弾製品として「No5105」が登場する。
会場では、JBLが10月に発売した2ウェイのスタジオモニター「4349」(税別40万円/1本)と上記の製品を組み合わせた試聴デモを実施しており、JBLらしい量感たっぷりのサウンドを楽しめた。
なお、JBLスタジオモニターは2020年で50周年、翌2021年にはJBL創立75周年という節目を迎える。JBLでは「SUMMIT SERIES」と名付けたフラグシップシリーズの2021年以降の投入を計画しており、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて開発が遅れているものの、周年にはこだわらずに開発継続するという。
マークレビンソン「No5105」の主な特徴として、ビーズプラスト仕上げのソリッドアルミ製プラッターや、50mm厚のアルミブロックから一体切削加工し、ブラックアノダイズド処理やヘアライン仕上げを施した重量級のベース部を採用。
駆動部には33/45回転対応のシンクロナス・フルデジタル・モーターを搭載。シングルベルト駆動方式を採用して、不要な振動伝達を抑えてプラッターへ駆動力を伝えるとする。モーターを駆動する出力信号は、温度ドリフトをほぼゼロに抑えることで、回転速度の安定と低ワウフラッターを実現している。
トーンアームは10インチ(254mm)のストレートタイプで、グロスブラック仕上げのカーボンファイバー素材を使用。高精度ベアリングを採用したジンバルサポート方式スタティックバランス型となっている。アルミ製ヘッドシェルも備える。カートリッジは付属しないため、別途用意する必要がある。
ベーストップ面にバブル式水準器、フロントには回転スピード切り替えと電源操作用のコントロールパネルを装備。背面にはアナログRCA出力を備える。電源も内蔵する。
ベースを支える脚部は、ラバーアイソレートされたアルミ切削加工の3本の脚による3点支持構造とした。本体サイズは438×395×154mm(幅×奥行き×高さ)、重さは34kg。
ARCAMのコンパクトなネットワークアンプ、国内展開は検討中
高級オーディオ関連では、ハーマンインターナショナルグループの英ARCAM(アーカム)の製品が参考出品されていた。ラインナップはプリメインアンプ「SA30」、SACD/CDプレーヤー「CDS50」、コンパクトなネットワーク対応アンプ「SOLO UNO」の3製品。いずれも国内市場への導入時期や価格は未定。
SOLO UNOは、別途用意したパッシブスピーカーと組み合わせて、音楽ストリーミングサービスやハイレゾ音源などをネットワーク再生できるという注目の製品だ。CDケースを7〜8枚くらい重ねてひとまわり大きくしたくらいのサイズで、デスクトップオーディオとしても使えそうなコンパクトさが目を惹く。価格は10万円を切るイメージで、担当者は今後の反響を見ながら導入を検討すると話していた。