フィリップ モリス ジャパンは、たばこスティックとリキッドを組み合わせた新しい喫煙用デバイス「lil HYBRID (リル ハイブリッド)」を、10月26日より宮城県・福岡県で販売開始する。発売に先駆けて実機をお借りすることができたので、ファーストインプレッションをお伝えしたい。

  • フィリップ モリス ジャパンの「lil HYBRID (リル ハイブリッド)」

加熱式たばこと電子たばこのいいとこどり?

「lil HYBRID (リル ハイブリッド)」は、加熱式たばこと電子たばこのテクノロジーを組み合わせた新型デバイスだ。同時に発売される、専用のたばこスティック「MIIX」とリキッドカートリッジを使い、これまでにない新しい吸い心地を実現しているという。

メーカー希望小売価格は、デバイス:6,980円(税込)、たばこスティック(20本入り):500円(税込)、リキッドカートリッジ:60円(税込)。10月26日より宮城県と福岡県のIQOSストアおよびIQOSショップ(ヤマダ電機 一部店舗)で、11月9日より両県のIQOSコーナー(ドン・キホーテ 一部店舗)、コンビニ含む一部たばこ取り扱い店舗等で取り扱う。

デバイスは「プリズム ホワイト」「マット ブラック」「メタリック ブロンズ」「コバルト ブルー」の4色展開で、たばこスティック「MIIX」にはたばこ本来のスムースな吸いごたえを楽しめる「レギュラー」、ミントの利いたクールな爽快感のある「アイス」、柑橘系のフルーティなフレーバー「ミックス」が用意される。

  • たばこスティック「MIIX」には「レギュラー」「アイス」「ミックス」を用意

IQOSに変わる製品ではなく、あくまで異なる吸い心地を提供する製品であり、同社の企業ビジョンである「煙のない社会」の実現に向けた、「煙の出ない」製品のポートフォリオを補完するものとフィリップ モリス ジャパンは説明する。

また、たばこスティックとリキッドカートリッジを個別販売した理由については「十人十色で変わる使用量に柔軟に対応するため」としており、事前に行った調査でも、別々に購入することに対して悪い反応はなかったという。

実際、リキッドを使用する電子たばこは、吸い方によってたばこの葉とリキッドの消費量が異なることが多い。それぞれを無駄なく使用できることを考えると、たばこスティックとリキッドカートリッジを分けるという販売方法は、ユーザーが歓迎できるものだろう。

  • たばこスティックとは別に単品販売されるリキッドカートリッジ

lil HYBRIDの4つの「新しさ」

lil HYBRIDは4つの特長を備えている。1つ目は「オートスタート」だ。たばこスティックのさしこみを検知すると自動的に検知し、振動とディスプレイで電源ONを伝えるとともににし、自動的に約25秒の加熱がスタートする。他のスティックを差し込んでも、またリキッドなしでも誤動作することはない。

  • さしこみを検知し、デバイスがオートスタートした様子

2つ目はアニメーション表示される豊富な「ステータス ディスプレイ」。加熱終了10秒前にはディスプレイ上でカウントダウンが始まり、準備が完了すると再び振動で教えるとともに、ディスプレイ表示がパフ(吸い込み)の残り回数表示に切り替わる。このステータス表示は充電時やスティック装着時、エラー報告、バッテリーやリキッドカードリッジの残量表示にも利用される。

  • ステータス ディスプレイによるバッテリーとリキッドの残量表示

3つ目は「クリーニング不要」で楽しめること。lil HYBRIDはトラブルシューティングの場合を除き、メンテナンスの手間なく利用できる。その秘密はたばこスティックの底が「Y字型中空アセテートチューブ」と呼ばれる形状で作られていることにあり、たばこのカスなどが残らない仕組みになっているのだという。

  • 「Y字型中空アセテートチューブ」がクリーニング不要を実現した

4つ目は「フル充電で20本、一度に3本までの連続使用可能」を実現していること。一度満充電すれば、たばこスティックをひと箱楽しむ間バッテリーが持ち、また休止や再充電を行わずとも3本まで連続して吸い続けることができる。なお、満充電までの時間は約1時間40分(100分)となっている。

本体のディテールと使用準備

それでは実際にデバイスを見ていきたい。パッケージの中には、デバイス本体のほか、マニュアル、USB-A to USB-Cケーブル、USB-A用充電アダプタ、クリーニングピン、クリーニングスティックが同梱されている。

  • パッケージの中にはデバイスや周辺機器がピッチリと収められている

  • 必要最小限の付属品。クリーニングキットを利用する機会は少ないだろう

本体の寸法は、H112×D33xW22mm。たばこスティックのさしこみ口は本体上部を覆うキャップの上部にあり、スライド式のふたが取り付けられている。底面には現在主流になりつつあるUSB-Cを搭載。

  • さしこみ口にはスライド式のカバーが取り付けられている

  • USB-Cで充電できるのはうれしいポイント

キャップを上に引っ張って外すと、リキッドカートリッジをセットするスペースが現れる。リキッドカートリッジ取り付けの際は、2カ所のゴムプラグを取り除くのを忘れないようにしよう。使用済みのリキッドカードリッジは側面のボタンを押せば外れる仕組み。ふたたびキャップを取り付け、十分に充電したら準備は完了だ。

  • キャップを取り外したところ。カードリッジを取り外す際は側面のボタンを押す

  • リキッドカードリッジの2カ所のゴムプラグを外してから取り付ける

  • リキッドカードリッジを本体に取り付けたところ

  • 充電中のlil HYBRID。ディスプレイに充電量が表示される

ハイブリッド方式の味わいと香りは?

加熱が完了したたばこスティックは、「14パフ」または「4分20秒」の間、使用することが可能だ。ハイブリッドという名称にふさわしく、味わいはまさに加熱式たばこと電子たばこを融合させたような印象を受ける。アタックは加熱式たばこ同様に強めだが、電子たばこのように比較的多めの水蒸気が出るため、喫煙感をしっかり満たしてくれるだろう。

  • 吸い終わり、取り外したたばこカートリッジ

所感としては、電子たばこで満足できない方や、電子たばこのテイストのままたばこ感を強く味わいたい方、もしくは加熱式たばこから電子たばこに移行したい方向けといったところか。

ガジェット感が楽しい新型デバイス

ここまで、ざっくりlil HYBRIDの使い勝手を紹介してきたが、これまでにない新しい吸い心地を提供してくれるのは間違いない。喫煙者の方は、機会があれば一度実際に試してみるのが良いだろう。

だが本機の魅力は、実はオートスタートやステータス ディスプレイにあるのではないかと思う。ボタンなどを押さずに利用でき、各種ステータスがディスプレイにアニメーション表示される様子は、一見の価値ありだ。これまでの喫煙具にないガジェット感は、利用者の所有欲を強く満たしてくれると感じた。