おうち時間の充実に欠かせないアイテムお菓子。今回は定番のポテトチップスのり塩味3種を食べ比べ。ちなみに日本経済新聞社の「2020年上半期ヒット商品番付」では、小結(4位)に湖池屋の「プライドポテト」がランクインした。最近のポテトチップス市場ではどんなタイプが受けているのだろうか。それぞれどのように違うのだろうか。
今回は大・中・小の3種のポテトチップスをセレクト。スーパーやコンビニなどの売り場をチェックすると、のり塩味だけでもたくさんのポテトチップスが存在したが、そのほとんどが湖池屋とカルビーの商品だった。コンビニPB商品もその2社が製造していたので、今回はあえてコンビニPB商品は外した。食べ比べしながら、①のり風味の濃さ、②バリバリ食感の硬さ、③1枚あたりのチップスの大きさで採点してみた。
●「ポテトチップスのりしお」
「ポテトチップスのりしお」(製造:カルビー)
のり風味の濃さ ★★
バリバリ食感の硬さ ★★
1枚あたりの大きさ ★★
まずはポテト君のイラストでおなじみの黄色いパッケージの「ポテトチップスのりしお」(カルビー)。コンビニで購入したので85gだったが、他に28g、60g、135g (LサイズBAG)、170g (BIGBAG)、140gと様々なサイズで売られているようだ。用途に応じてサイズを選べるのがいい。
青のりとあおさを使い、豊かなのり風味がしっかり効いている。塩味はほどよい加減。原材料の欄を見てみると、唐辛子、ごま油なども使われているようだ。確かに唐辛子の辛さが味のアクセントになって、ごま油の風味やコクも効いて、止まらない美味しさ。
食感はバリバリ、サクサクと心地良く、これも止まらない美味しさの要因。1枚あたりの大きさは、ちょうど一口で食られらる大きさだから、ポテトチップスのカスが落ちる心配もあまりしなくていいのが嬉しいところだ。個人的には風味もサイズも、非常にバランスが良く安定感があると感じた。コカコーラやビールなどが欲しくなる。
●「プライドホテト神のり塩」
「プライドホテト神のり塩」(製造:湖池屋)
のり風味の濃さ ★★★
バリバリ食感の硬さ ★★★
1枚あたりの大きさ ★
今年の「上半期ヒット商品番付」にも選ばれた湖池屋の「プライドポテト」シリーズ。「神」「プライド」という商品名や、ポテトチップスが1枚ずつ丁寧に並べられたパッケージが従来の商品とは違った本格派の雰囲気だ。まず見た目からして“のり感”が漂っている。緑色が濃い! 青のり、あおさの他に焼のりも使っているようだ。今回試食した中では唯一、のりを3種も使用していた。
食べてみると、かなり香ばしいのり風味。のリ好きにはたまらない商品ではなかろうか。たっぷりとのりが付いているので、指に付くのりもたっぷり。これが苦手な人はお箸で食べた方が良さそうだ。食感は他の商品よりもやや硬めで、バリバリとかむ楽しさもある。一番歯ごたえがあった。
パッケージをチェックするとこちらも唐辛子を使用。焼のりや唐辛子、ごま油など、どこか韓国風の要素も感じられたので、個人的にはマッコリや日本酒のにごりスパークリングあたりと合わせてみたくなった。
遺伝子組換えでない日本産の馬鈴薯を使用している。老舗のプライドをかけて「新プライドポテト製法」を採用しており、温度を変えて揚げたり、2段階の味付けで奥深い味わいを表現しているようだ。1枚あたりの大きさは、試食した中では一番小ぶり。大口を開けずとも食べやすい。他人と一緒に食べる場合は、歯にのりがついていないか、食後のチェックを忘れずに!
●「のり塩ホテトチップス」
「のり塩ホテトチップス」(製造:カルビー/スーパーと共同開発)
のり風味の濃さ ★★
バリバリ食感の硬さ ★
1枚あたりの大きさ ★★★
カルビーが私鉄系スーパーマーケットと共同開発したという商品。見た目ののり感は、カルビーの「ポテトチップスのりしお」と似ているが、1枚あたりのチップスの大きさがビッグ! 一口では入りきらないものが多いのだが、他に比べてやや薄いのか、口の中に入ってしまうとゴワゴワとはならず、意外に食べやすい。バリバリ食感というよりは、薄いのでサクッとした食感だ。
青のり、あおさ、香辛料を使った味わいは、豊かなのり風味もするのだが、同じくらいにポテト風味も強く、上の2商品とはまた違った素朴な美味しさ。のりとポテトの風味が一体化して、安心する味わい。そのせいか、塩味はやや控え目に感じられた。140gのビッグサイズだし、塩味が穏やかなので、小さなお子様がいる家族などにはこちらがオススメかも。いも風味が印象に残ったので、個人的には芋焼酎でも合わせてみたくなった。
3点食べ比べてみると、湖池屋のプライドポテトは他の2商品に比べ、かなり個性が際立っていた。2020年上半期の何かとストレスがたまるコロナ禍の中、「バリバリ食感」を楽しめてストレス解消にもなり、マンネリ化するおうち生活に、身近な存在でありながらちょっとした特別感をもたらしてくれる“本格派の老舗ポテトチップス”は、確かに魅力満載だったのかもしれない。
スーパーの売り場を改めてチェックしてみると、見たことも聞いたこともない新テイストが登場していたり、ザクザク食感の堅めのチップスたちも存在し、以前よりもバラエティ感が増していた。今後もテレワークを継続する企業も増え、寒さが厳しくなるにつれて外出よりもおうち時間を楽しむ人が増えてくるだろうが、そんな時、いろいろポテトチップスを食べ比べてみると新たな発見があり、きっと楽しめるだろう。
※価格は全て税別