忙しい方向けの「三点要約」
・ディスカッションは「討論」「討議」「議論」を表す言葉
・ディベートは特定のテーマを肯定・否定の視点から話すもの
・ディスカッションとディベートの違いは「対立意見の有無」
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採用選考の課程において、複数人の選考を同時に行う場合に「グループディスカッション」を取り入れている企業が増えてきています。
ディスカッションは、ビジネスシーンでもよく用いられる言葉であるため、社会人なら意味を正確に理解しておきたいもの。しかし、グループでの話し合いということは何となく理解していても、深い意味や似た言葉の「ディベート」との違いについてはわからない方もいるかと思います。
本記事では、ディスカッションの意味や類義語との違い、ディスカッションの目的や形式について紹介していきます。
ディスカッションの意味
ディスカッションが討論を意味することは何となく知っている方は多いかもしれませんが、詳しい意味まではよくわからない方も多いでしょう。そこで、ディスカッションの意味を紹介していきます。
■日本語におけるディスカッションの意味
「ディスカッション」とは、「討論」「討議」「議論」などを表す名詞。語尾に「する」をつけることで動詞としても使える言葉です。ある事柄について複数人で意見を出し合って議論することを意味しています。
■ディスカッションの語源は英語
ディスカッションの語源は、英語の「discussion」です。討論、論議、討議、話し合い、検討などを意味しており、カタカナ外来語のディスカッションと同じような意味となります。日本においては高校1年生程度で習う英単語です。
■英語のdiscussionは日本語よりも激しいイメージ
日本語のディスカッションと英語のdiscussionは似たような意味ではあるものの、少しニュアンスが異なります。日本語のディスカッションは意見交換や話し合いのようなニュアンスですが、英語のdiscussionは“意見を戦わせる”という意味が強く、どちらかというと激しい討論を表すことが多いです。
ディベート/ブレスト/ミーティング/カンファレンスとの違い
ディスカッションにはディベートやブレストなど、似た意味を持つ複数の言葉があり、どう使い分ければいいのか理解しておくことが大切です。ここでは、ディスカッションと類義語との違いを紹介していきます。
■ディベートとディスカッションの違い
ディベートとは、あるテーマについて肯定・否定の2組に分かれ、議論をすることを意味します。具体的には、米国における大統領候補討論会などがそれにあたります。
ディベート、およびディスカッションをひとえに「討論」と訳してしまうと、ディスカッションと同義にも思えますが、両者には「意見の対立があるかどうか」の違いがあります。
■ブレストとディスカッションの違い
ブレストとは、ブレーンストーミングの略語。決められた問題やテーマに対して、会議の参加者が自由に意見を述べ合うことで、多彩なアイデアを得るための方法です。基本的に批判が禁止されていることや、意見の質より量を重視すること、自由奔放さや、結合便乗などのルールが定められており、時間を決めて開催されます。
ディスカッションの目的が問題の解決にあるのに対して、ブレストの目的はアイデアを出すことにあり、何に目的を置くのかが大きな違いです。
■ミーティングとディスカッションの違い
ミーティングとは、比較的少人数で行う会合や集会のことです。連絡や打ち合わせなどを行い、議論をしないこともあります。
テーマに合わせて意見を出し合うディスカッションとは違い、ミーティングは報告会に近い意味合いで使われることが多いです。
■カンファレンスとディスカッションの違い
カンファレンスには、「会議、協議会」「相談、会談」を表す2種類の意味があります。複数の人が集まって物事を進めることであり、学術的な会議や医療・看護などの分野でよく使われる言葉です。
カンファレンスの過程でディスカッションが行われることもあるなど、カンファレンスの方がより広い意味で用いられています。
ディスカッションの進め方や目的
ディスカッションは大きく分類すると2つのパターンに分類可能です。そこで、パターンごとにディスカッションの進め方や、何のために行うのかを紹介していきます。
■グループディスカッションはグループでの話し合い
グループディスカッションとは、テーマについて3~10人程度の比較的少人数のグループで意見を述べ合うことです。テーマや所要時間、役割などが決められ、自己紹介からはじまりテーマについてディスカッションし、意見をまとめて発表することまで行われます。
グループディスカッションの課程で各人の考え方がわかるだけでなく、コミュニケーション能力や論理性の有無などを判定したり開発したりできることから、採用選考や社員研修などで用いられる機会が多いです。
■パネルディスカッション
パネルディスカッションとは、与えられたテーマに対して、あらかじめ選ばれた専門家(パネリスト)が意見を述べた後、一般の参加者も交えて討論します。司会者が討論の進行役をしながら、公開討論の形式で行われることが多いです。
専門家の講演会の一部に組み入れられることが多く、ショーとしての側面もあります。
ディスカッションの形式
ディスカッションの形式は大きく以下の3種類にわけられます。
- 自由討論型
- 問題解決型
- フェルミ推定型
それぞれの形式ごとに向いているテーマなどの特徴を紹介していきます。
■1. 自由討論型
自由討論型のディスカッションでは、参加者が自由に意見を出し合います。さまざまな結論が予想され、正解があるわけではありません。
パネルディスカッションで自由討論を行う場合、結論を出すことにこだわらず行います。しかしグループディスカッションの場合には意見をまとめて結論を導き出すのが目的なので、方向性を決めて行うとスムーズです。
■2. 問題解決型
問題解決型のディスカッションでは、解決策を考えることを目的に行います。用意された資料をもとに問題点を見つけ出し、意見を交換しながら解決策を議論。
企業面接のグループディスカッションで用いられることが多く、課題に対する理解力や論理的思考力、コミュニケーション能力などが選考員に見られるポイントです。
■3. フェルミ推定型
フェルミ推定型のディスカッションでは、調査しなければ判明しない数値について、自由な視点をもとに論理的に考えて概算していきます。さまざまな要素を網羅して検討しなければならず、参加者同士で協力することが重要です。
柔軟な思考が求められるディスカッションのタイプであり、コンサルティング会社などの採用選考で用いられることがあります。
ディスカッションについて正しく理解して選考対策に役立てましょう
ディスカッションとはテーマについて意見を出し合って話し合うことです。ビジネスでは人と話し合ったり意見交換したりする機会が多いことから、ディスカッションは採用選考にも用いられる方法です。ディベートやブレストなど似て非なる言葉も多いので、違いを押さえておきましょう。
ディスカッションは複数人で話し合うグループディスカッションと、公開討論であるパネルディスカッションに分類できます。形式としては自由討論型と問題解決型、フェルミ推定型の3種類です。
採用選考の過程でディスカッションが用いられる場合、会社の特性に合わせたタイプになっていることが多いです。これから採用選考に挑戦する方は、会社の業務や過去の情報などを参考にしながら、対策しておくといいでしょう。