ドライバーによって運転スキルは大きく異なる。特に、自分よりスキルが低い、つまり下手なドライバーの運転を見つけると気になってしまうものだ。読者の方々も、初心者マークが付いているから仕方ないか……と許せるものから、いつ事故を起こしておかしくないようなレベルのものまで、何度か遭遇したことがあるはずだ。
しかし、もしかしたら自分の運転も他人からは「下手だなぁ」と思われているかも? 本記事では、マイナビニュース会員465名に行ったアンケート調査結果から、他人の運転について「下手」と思った部分の具体的な回答を紹介しよう。
Q.車を運転していて「この人運転下手だな」と思う時はありますか?
- はい(90.5% )421名
- いいえ(9.5% )44名
マイナビニュース会員465人に、車を運転していて「この人運転下手だな」と思う時はあるか尋ねたところ、90.5% が「はい」と回答した。どのようなところを見て「運転が下手」と思ってしまうのだろうか。
Q.どのような部分で「この人運転下手だな」と思いましたか?
なぜそこで踏む?<ブレーキ編>
- 「ブレーキを踏むタイミングが早過ぎたり遅すぎたりする。踏む回数が無駄に多い」(男性/52歳/電気・電子関連)
- 「変な所でブレーキを頻繁に踏む人」(女性/52歳/その他)
- 「ブレーキががっくんがっくんしている人」(女性/43歳/その他)
- 「緩いカーブで何回もブレーキを踏んで緩めて曲がる」(女性/57歳/その他)
- 「加減速が雑で、頻繁にブレーキを踏む(結果あおり運転に近い車間を詰めた運転になっている)」(男性/55歳/非鉄金属)
- 「停止線でブレーキ急に踏む人、静かに停止できない人は下手だと思います」(男性/36歳/ビル管理・メンテナンス)
一番多かったのが運転中の視界に大きく映る前者のお尻、つまりブレーキの踏み方だ。ドライバーの多くは前車のブレーキランプで前車の次の動きや、その車に遮られた視界をある程度予測している。ランプが点くタイミングが早すぎたり遅すぎたり、頻繁に踏まれたりしては混乱してしまうだろう。道路の状況によってはポンピングブレーキでランプを点滅させ、後方にメッセージを出すことも重要だ。
ジタバタ…モタモタ…<車両感覚編>
- 「駐車に手こずっている」(男性/40歳/その他)
- 「駐車が斜め」(男性/35歳/その他)
- 「切り返し切り返しで、大丈夫なのに、なかなか停められない」(女性/47歳/繊維- アパレル)
- 「駐車スペースのラインの枠内からはみ出て駐車している」(男性/62歳/その他)
- 「狭い道で車を寄せられない」(男性/50歳/フードビジネス)
- 「バックがうまくできない」(男性/59歳/流通・チェーンストア)
商業施設の駐車場などで気になるのは、前車が駐車をする時にモタつくこと。事前にハザードを点けて駐車することを後続車に示し、少ない切り返しで速やかに駐車枠に収められれば上手だと思われるだろう。最近はバックモニター装備車も増えたので、たくさんの後続車を詰まらせるほどモタつくことも少なくなっていると思われる。
なぜそんな曲がり方を? <右折&左折編>
- 「小回り 大回りが出来ない人」(男性/41歳/輸送用機器)
- 「左折する際に、一旦右側に膨らんでから左折する時など」(女性/51歳/その他)
- 「右折でこのタイミングで曲がるっていうタイミングで曲がる」(男性/26歳/輸送用機器)
- 「方向指示をしない人」(男性/52歳/サービス)
- 「右折の時、直進車が来ないのになかなか曲がらない」(女性/45歳/不動産)
右左折は直進車や巻き込みなどで一番注意をするところ。後続車を気にせず身勝手にハンドルを切ると、周囲からは下手と思われるだけでなく危険でもある。
また、ウィンカーはブレーキランプ同様、周囲の車に曲がることを知らせるためのもの。ウィンカーを点けないのはもちろんNGで、点灯するタイミングも大事だ。曲がる直前に点灯させるのでは、周囲の車に迷惑をかけてしまうことだろう。
阿吽の呼吸で<車線変更&合流編>
- 「高速道路やバイパスの合流で、速度をうまく加減速して自然に入れない人を見たとき」(男性/37歳/その他電気- 電子関連)
- 「合流地点で止まる人」(男性/48歳/レジャーサービス・アミューズメント・アート・芸能関連)
- 「無理な車線変更や追い越しをしている車に遭遇した時」(男性/48歳/繊維・アパレル)
- 「ウインカーを出すタイミングが遅い。無理に割り込んでくる」(男性/42歳/その他)
走行中の合流や車線変更が上手いか下手かを見れば、そのドライバーが周囲の車の流れを把握できているかどうかがわかる。あまりに合流方向ばかりを見ていれば前車に追突するし、無理に割り込んでも事故やトラブルの元になる。上手な人はミラーだけでなく目視でも素早く確認し、合流させてくれそうな雰囲気もつかんでいるものだ。
もう自分しか見えない<空気読めない編>
- 「周りを見ないで、バックしたりする」(男性/56歳/教育)
- 「歩行者、自転車の人への気遣いがなっていない」(女性/44歳/その他)
- 「止まるのか、減速するのか、どっちに曲がるのか、よくわからない不自然な動きをする車を見かけた時です」(男性/65歳/銀行)
- 「勝手に幅寄せしてくる人」(男性/57歳/専門商社)
- 「車幅の感覚が弱いのか、常に必要以上に中央よりを走行している」(男性/48歳/官公庁)
車は右足で軽くアクセルを踏めば簡単にスピードが出るし、片手でハンドルを切れば簡単に向きを変えるが、実際は1トン以上の重さがある金属の塊。他の車はもちろん、歩行者や自転車にぶつかったら大変だ。いきなり上達はできなくても、運転中は常に危険なものを扱っていると思うことが上手い下手という以前に重要だろう。
気分はペースカー<先頭ノロノロ編>
- 「のろのろとゆっくり後続車がつながっているのに気にせず運転している人」(男性/67歳/サービス)
- 「前だけしか見ていない人。後続車のことまで気を配れる人には運転に余裕がある」(男性/66歳/その他)
- 「メリハリのある運転が出来ない人。ゆっくり走れば安全運転と勘違いしている」(男性/59歳/物流- 倉庫)
- 「制限速度を大幅に下回って運転している」(男性/55歳/その他)
後続車に対する嫌がらせで行う「逆あおり運転」ではないにしても、バックミラーも気にせずマイペースでゆっくり走っている人はかなり多い。確かに速度が出ていなければ安全だし交通法規にも違反しないが、あまりに車間を開けすぎるのも考えもの。他より車間が空いていることで、対向の右折車や脇道から合流する車が急に割り込んできて事故を誘発することがあるからだ。
車からもう降ろして……<同乗者編>
最後は同乗者の意見をご紹介。
- 「急発進、急停車等、同乗していると気分が悪くなるような運転」(男性/43歳/ソフトウェア・情報処理)
- 「ハンドルの持ち方、構え方」(男性/30歳/設計)
- 「一緒に乗っていて酔ってしまう時」(男性/35歳/海運・鉄道・空輸・陸運)
- 「イライラする人」(男性/41歳/その他)
他人の車に乗せてもらうと、当然、自分の運転とはアクセルやブレーキ、ハンドルを切るタイミングが違ってくる。ハンドルを握ると性格が変わるなんて人もいるが、本性……と言ったら言葉が悪いが、人となりの一部が見えてしまうのかも?
周りから「下手だな」と言われないために
サーキットでは、強烈なブレーキングやコーナリング・スピードの速さでドライバーの上手い・下手が決まる。公道を走る一般ドライバーには関係ない話だと思う人もいるかもしれないが、実は両方のドライバーに上手・下手で共通していることがある。それは、「最後まで無事に走り切れるか? 」ということだ。
いくら最速のレーシングドライバーでも、制限速度や道路交通法を守っている一般ドライバーでも、事故を引き起こすような運転では上手とは言えない。レース中のレーシングドライバーでも、前だけを見て走っているわけではなく、事故でレースを台無しにしないように、限界走行の中でも周囲の車の動きをしっかり見ているのだ。
公道でもこれは同じで、道路交通法を守りながらも、周囲を走る他の車両や歩行者の動きに気を配る必要がある。サーキットと公道で違うのは、公道では他車を出し抜いたりせず、お互いに思いやりを持つことが重要だということ。全体の交通の流れを乱さないようなスムーズな走行を心がけ、時には他車に道を譲ることができれば、周りから「下手だな」とは言われないはずだ。
調査時期: 2020年10月5日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数:465名
調査方法: インターネットログイン式アンケート