渋谷駅直結の超高層ビル「渋谷スクランブルスクエア」内の共創施設「SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)」はこのほど、駅係員の制帽に取り付けて目からの感染を防ぐ「制帽装着型アイシールド」を開発したと発表した。
現在、鉄道事業者の駅係員はマスクやフェイスシールドを着用して業務にあたっているが、マスクだけでは目からの感染を防ぐことができず、また顔全体を覆うフェイスシールドは業務の妨げになる場合もあり、頭部の締め付け感や暑さ、重量など、着用者の心身に与えるストレスも大きく、感染対策上の課題となっていた。
渋谷キューズと、同施設で活動するプロジェクトチームはこの課題の解決に取り組み、感染予防機能を持ちながら業務の支障にならない新たなツールとして、目の部分だけを覆う「アイシールド」を開発した。マスクでは覆うことのできない目の部分を透明なシールドで覆い、額の部分は制帽のつばとの間に開口部を設け、両頬のラインをシャープな形状にすることで、通気性を確保し、呼気による曇りを軽減する。対面した相手に与える違和感も少なく、声が届きにくくなることもない。面積を少なくしたことで風にあおられる心配がなくなり、ホーム上での装着も可能になる。
制帽はつばの部分を持って脱着することが多いため、つばの部分はシールドで覆わず、これまで通り、手でつかむことができる形状とした。頭や耳ではなく、制帽に装着したため、頭の締め付けや蒸れなどのストレスも軽減できるという。
8月から実施してきた男性用制帽での試験導入の結果を受けて、10月14日から東急電鉄・JR東日本・東京メトロの渋谷駅で正式に導入した。今後は駅係員や利用者の要望に応じて、その他の駅での展開も検討するという。駅係員以外で制帽を着用する職種・企業への販売も、要望に応じて対応する。