東京商工リサーチは10月13日、新型コロナウイルス関連「インバウンド消失型」破たん調査の結果を発表した。それによると、2020年2月~10月12日までに「新型コロナウイルス」関連破たん(負債1,000万円以上)は581件発生し、このうちインバウンド需要の消失を主な原因とする破たんは75件(構成比12.9%)となった。
「インバウンド消失型」破たん、宿泊業が最多
業種別にみると、外国人旅行者を受け入れていたホテルや旅館などの宿泊業が最も多く26件(構成比34.6%)。これに、宿泊施設の運営受託のみを手掛ける業態や関連サービスなどの7件を加えると、宿泊関連サービス業の破たんは33件(同44.0%)に上った。
この他、外出自粛や百貨店不振が影響したアパレル販売(卸+小売)が9件(同12.0%)、宿泊施設からの受注が落ち込んだ食品関連(卸・製造)が8件(同10.6%)、訪日客の来店が減少した飲食業が6件(同8.0%)と続いた。
地区別では、関東が21件で最多。以下、近畿19件、中部11件、中国・四国が各7件、北海道5件、東北4件、四国1件と続き、インバウンド需要が大きかった3大都市圏だけで51件(同68.0%)発生している。
都道府県別では、東京都が17件でトップ、次は大阪府の10件で、この2都府が突出。次いで、北海道5件、兵庫県4件、長野県・静岡県・愛知県・京都府・山口県・福岡県が各3件と続き、訪日客が多く来訪する観光地での発生が目立った。
同調査では、「『Go To トラベル』『Go To イート』がスタートし、国内の消費喚起策が一定の盛り上がりを見せる一方、入国制限措置の緩和など海外からの観光客受け入れ再開の議論も浮上している。来年7月には1年延期された東京五輪・パラリンピック開催も控え、消失したインバウンド需要をどこまで回復できるか注目される」とコメントしている。