ダイソンは10月8日、日本先行発売モデルとなるコードレススティッククリーナー「Dyson Micro 1.5kg」(以下、Dyson Micro)を発売しました。最大の特徴は、ヘッドやバッテリー込みで1.5kgというダイソン史上で最も軽量であること。価格はオープンで、ダイソン直販価格は税込64,900円です。実機を試すことができたのでレポートします。
細かなパーツまで見直して1.5kgを実現
ダイソンは2020年6月に「ダイソン史上最軽量」とうたった重量1.9kgのコードレススティッククリーナー「Dyson Digital Slim」を発売したばかり。今回のDyson Microは、これより軽い1.5kgタイプです。
【動画】Dyson Microで疑似ゴミを吸ってみる
軽量化のテクノロジー
軽量化は本体設計の見直しによって実現。モーターの回路基板をはじめ、負荷がかかりにくいパーツは薄型化。さらに、すべてのパーツ設計を洗い直して、軽量化が見込めるパーツはすべて軽量化したそうです。ダイソンによると「ただ軽くする」だけではなく、軽さとパワーのバランスを重視したとのこと。たとえば、Digital Slimでは11個搭載していたサイクロンを、Dyson Microでは8個に減らしていますが、パワーに影響するサイクロン内の遠心力は10万Gから9.6万Gと、そこまで大きくは落ちていません。
ただし、この軽量・コンパクトを実現するために犠牲にしたものもあります。ひとつは、Digital Slimで簡単に取り外せたバッテリーは、Digital Microでは工具がないと外せません。また、Digital Slimでは本体背面にあった、バッテリー持続時間を1秒単位でカウントする液晶ディスプレイがなくなりました。吸引力やバッテリー持続時間も、フラッグシップモデルであるDyson V11やDigital Slimよりも少々劣ります。
個人的に驚いたのは、運転スイッチがトリガー式からボタン式に変更されたこと。これまでダイソンは「トリガーを引いている間だけ運転」する方式で、これがダイソンのコードレススティック掃除機の特徴でもありました。
トリガー式はバッテリーの節約には良いのですが、長時間の掃除では疲れるという意見も。今回はとくに日本市場の意見からボタン式を採用し、掃除中にずっとスイッチに触れている必要はありません。今後の新製品がトリガー式になるかボタン式になるかは、まだ決まってないそうです。
従来までの便利機能は搭載
もちろん、変わっていない機能もあります。たとえば床用のモーターヘッドは、ソフトなナイロンフェルトと静電気の発生を抑えるカーボンファイバーブラシを組み合わせたもの。床の溝の中までゴミをしっかり吸い取り、髪の毛が絡まりにくいという特徴があります。
ゴミ捨ては赤いレバーを引くだけの「Point & Shoot」方式。ダストビン内のメッシュフィルターのゴミをこそげ取りながらゴミを捨てるので、手を汚さず一気にゴミ捨てができます。
自分のライフスタイルにあわせて3つの選択肢から選べるように
今回は製品発表にあわせて、ダイソンはプレス向けのオンライン発表会も開催しました。発表会に登壇したダイソンのエンジニア ジェームス・シェーン氏は、Dyson Microがコードレスクリーナーのラインナップに加わることで、さまざまな住宅環境や掃除スタイルにあわせて製品を選べるようになったと語りました。
広い家をじっくり掃除する人はフラッグシップモデルのDyson V11、軽さと機能のバランスを求める人はDigital Slim、そして今回のDyson Microです。Dyson Microはバッテリー持続時間が最長20分と少々短いのですが、軽くて気軽に掃除できるので、気付いたときにチョコチョコ掃除するというユーザーに向いた製品になっています。