俳優の今井翼が、ミュージカル『ゴヤ-GOYA-』主演を務めることが9日、明らかになった。
同作はスペイン最大の画家と謳われるフランシスコ・デ・ゴヤを題材に、画家人生のみならず、“人間ゴヤ”に焦点を当てて描いていく。波乱万丈な生き様や混沌とした社会の中でいかにして芸術家となっていったのか、生きる力に満ちたエネルギー溢れるオリジナルミュージカルとなる。
休業を経て2020年2月システィーナ歌舞伎『NOBUNAGA』で約2年ぶりに舞台復帰した今井は、復帰後初主演に。会場となる東京・日生劇場では『World's Wing 翼 Premium2007』、『World's Wing 翼 Premium2008』、『ガブリエル・シャネル』、音楽劇『マリウス』などで出演してきたゆかりある劇場。また本作の舞台であるスペインは、フラメンコを始めたことをきっかけに世界初のスペイン文化特使に就任するなど、今井にとって縁の深い国となる。
さらに、日本演劇界を牽引してきたG2と鈴木裕美が初めてタッグを組み、原案・脚本・作詞をG2、演出を鈴木が手掛け、オリジナルミュージカルを創り上げる。日本人男性クラシックピアニスト初の日本武道館公演を成功させ、ドラマ『コウノドリ』や映画の劇伴など数多くの作品で作曲するなど、その才能を各方面で発揮してきたピアニストの清塚信也が、ミュージカルの作曲、音楽監督に初めて挑戦する。
公演は2021年4月に東京・日生劇場、5月上旬に名古屋・御園座を予定している。
今井翼 コメント
今回のお話をいただいて、また新たな芝居が出来ることに喜びを感じたと同時に、演出の鈴木裕美さん、脚本のG2さん、音楽の清塚信也さんをはじめ、素晴らしい芸術家の方々とご一緒できるということで、この作品を通して今までにはない色に染めていただけるということが楽しみでなりません。
激動の時代を生き抜いたスペインを代表する画家ゴヤの葛藤、そして苦難の末に光を見出していくその生涯を通して、歴史や当時の人々の芸術への想いなど、アートを見るような見応えのある作品にしていきたいと思っています。
世界中、なかなか見通しがつかない状況が続いておりますが、とにかく出来る限りの準備をしてお客様の希望となる作品を目指して務めさせていただきます。
原案・脚本・作詞:G2 コメント
海外へ輸出できるオリジナル・ミュージカルを創りたい。
そんな想いで7年前からずっと温め続けてきた企画です。フランス革命の時代の動乱のスペイン。崇高な芸術家というより人間くさい魅力に溢れたゴヤ。策謀と友情、愛と葛藤。その波乱に満ちた愛すべき半生を描きます。
演出・鈴木裕美さん、音楽・清塚信也さん、そして主演・今井翼さんという布陣も頼もしく、きっと心の奥底から魂を揺さぶる感動の大作となるに違いない、と信じてやみません。
演出:鈴木裕美 コメント
ゴヤの生きた時代、隣国フランスでは革命が起き、ナポレオンの侵略に対して、スペインでも独立戦争がありました。その中でゴヤは、王家の人々も民衆も、美しさも醜さも、生も死も、聖も俗も、世界の両極をグロテスクなまでに描いた時代の記録者だと思います。
立身出世を切望していたゴヤが、激動の時代を生き抜き、たどり着いた境地とは何だったのか、それを探すミュージカルになるでしょう。
G2さんと初めて組ませていただくこと、清塚さんの初めてのミュージカルに立ち会えること、スペイン文化に造詣が深い今井翼さんがゴヤを演じてくださること、全て楽しみです。
作曲・音楽監督:清塚信也 コメント
人類の歴史上、疫病や戦争などの暗黒を、何度も文化が支えてきました。
私のルーツであるクラシック音楽も、「復興」という意味で、人々が回復を求めた結果繁栄した文化です。
今まさに、文化が人々を支えられるか、試されている時だと思います。
そんな時に、私にとって初めてのミュージカルを作れること、それが、鈴木裕美さん、G2さん、そして今井翼さんという素晴らしい芸術性をお持ちの方々とご一緒出来ることに、何らかの宿命的な意味があるように思えてなりません。
ゴヤの謎めいた力強い人生と、今井さんの試練を乗り越えた人生が重なり合い、時代を鼓舞するエネルギッシュな舞台が完成することでしょう。