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【この記事のエキスパート】
バイクライター:福田 満雄
バイク免許取得から28年、所有したバイクは20台以上。シンプルでわかりやすい文章を書くライター。複数のメディアで記事を書いています。
2020年8月時点の愛車はBMW F850GSとホンダスーパーカブ110。
一日中バイクに乗っているのが好き。過去には日帰り1,000kmツーリングや、スーパーカブ110で1日450kmツーリングなども。
バイクを長持ちさせるために大事なポイントのひとつがエンジンオイルです。この記事では、バイクライター福田 満雄さんのアドバイスをもとに、バイクエンジンオイルの選び方とおすすめの商品を紹介。適正なオイルの種類や使用期限、交換時期などのポイントと合わせて解説します。
バイクエンジンオイルの選び方
まずはバイクエンジンオイルの選び方をチェックしていきましょう。自分の使い方にぴったりのバイクエンジンオイルを選ぶために参考にしてみてくださいね。
適正オイルを選ぶ
バイクのエンジンは2ストロークエンジンと4ストロークエンジンの大きく2つがあります。この2種類のエンジンは構造から性能までさまざまな面で違いがありますので、それに合わせたオイルを使う必要があります。
間違って使用するとエンジンが焼け付いて故障の要因ともなりますので、まず必ず2st(2ストロークエンジン用)、4st(4ストロークエンジン用)の表記を確認しましょう。
JASO規格に合わせて選ぶ
「JASO規格」とはエンジンオイルの品質を示す規格です。MAグレードとMBグレードの2種類あり、バイクごとに規格が指定されていますので必ず確認しましょう。
なお、MAグレードはさらにMA1とMA2と分けられます。MA1は粘度が低く主に小型・中型のマニュアルバイクに、MA2は粘度が高く主に大型バイクに適しています。
鉱物油
鉱物油のエンジンオイルは原油を原料としています。製造コストが低く用途もさまざまであるため、一般的によく使われています。通勤などで頻繁にバイクを使う人にとってはリーズナブルな価格でコスパのよい鉱物油のエンジンオイルがいいでしょう。
ただし他のオイルよりも性能が劣るためハードな使い方をしないで定期的に交換することが必要です。
化学合成油
化学合成油のエンジンオイルは高温になっても変質しにくい、高い安定性をもっています。不純物を取り除いて精製されており、性能も高いことが特徴です。
潤滑性、浸透性、耐熱性に優れハイパフォーマンスを発揮することができるので、サーキットや高速道路をよく走る人にぴったりのエンジンオイルと言えます。なお、コスト面は非常に高いものとなります。
部分合成油
上記の鉱物油と化学合成油をブレンドした部分合成油のエンジンオイルもあります。サーキットや高速道路で高速で走ることはあまりないけれど、ふだん走るときに走行性は高めたい。
そんなときにこの部分合成油がぴったりで、バランスがよいエンジンオイルであると言われています。また低音でもエンジンが始動しやすいことも特徴です。
粘度で選ぶ
エンジンオイルを選ぶときには粘度にも着目する必要があります。粘度は「10W-40」と表記されている「SAE規格」の数値を目安に、使用する環境に合ったものを選びましょう
低温粘度
たとえば表記された「10W-40」の10Wというのは、基本的に-20℃前後でも固まらないことを表しています。同様に20Wは-10℃前後でも耐えられる、ということを表しています。
すなわち数字が低いほど寒くてもオイルが固まりにくいことを示しています。5Wや0Wもありますが、これはチェーンを常につけて運転するような過酷な状況で用いるものなので、日本で使うことはほぼないでしょう。
高温粘度
一方「10W-40」の40の部分は、エンジンの熱で油温が高温になったとき、油膜が切れず粘度が保てる温度を表しています。
数字が大きいほど高温でも粘度をたもてる、ということがありますが、普通に使用する場合、粘性が下がることがなく燃費が悪くなるおそれがあるので数字が高すぎるオイルを選ぶのは要注意です。各メーカーでは基本的に30~40程度を推奨しています。
バイクエンジンオイルの使用期限
エンジンオイルは空気に触れると酸化します。オイル交換は3,000~5,000kmに1度程度の交換なので、エンジンオイルもあまりに内容量が多いと使い切れず酸化させてしまって使い物にならない、ということも発生しがちです。
交換頻度を考えつつ、おおよそ目安1~2年で使い切れる量を購入するようにしましょう。また保管する場合も高温多湿を避けてください。
エキスパートからのアドバイス
エンジンオイル選びは指定オイルから始めよう
【エキスパートのコメント】
愛車のエンジンオイルを選ぶなら、まずはバイクに指定されているオイルを選べば間違いがありません。そして純正オイルで物足りなくなってきたら、指定されている規格を満たす、別のオイルを選んでみましょう。
カタログ上では同じ規格でも、メーカーや用途によって原料のブレンドが違うため、エンジンの吹け上がりやシフトチェンジに影響があるのに驚くでしょう。