エプソンは10月8日、インクジェット複合機の新製品を発表した。エプソンが力を入れる大容量インクタンク採用の低コスト印刷モデル「エコタンク搭載モデル」に、写真画質印刷に対応した高画質モデル2機種を投入するのが目玉。スマホを使ってWi-Fiなどのセットアップを手間なく行える機能も追加し、旧世代の複合機からの買い替えを狙う。

  • 6色インクを搭載した写真画質印刷の高性能複合機「EW-M873T」

今回発表した新製品のラインアップや発売日、予想実売価格は以下の通り。

機種名 予想実売価格(税別) 発売日
EW-M973A3T 8万円台半ば 2021年2月
EW-M873T 6万円台前半 12月初旬
EW-M752TB 3万円台後半 10月22日
EP-883AW/AB/AR 3万円台前半 10月22日
EP-813A 2万円台半ば 10月22日
EP-713A 1万円台後半 10月22日
EW-M530F 1万円台半ば 10月22日
PF-81-2021 5万円台半ば 10月22日

新型コロナウイルスの影響で休日に家で過ごすことが増え、デジカメやスマホで撮りためた写真をプリントする人が増えている。その需要を取り込むべく、写真画質印刷に対応しつつ印刷コストを抑えたエコタンク搭載モデルを投入する。

今回の主力モデル「EW-M873T」は、染料5色+顔料1色の6色インクを搭載した高画質複合機。染料インクはグレーインクを搭載し、カラープリントとモノクロプリントの両方でなめらかな階調表現と深みのあるプリントができる。プリント中の写真を白色LEDで照らして創作意欲を高めるダウンライトLED機能も搭載する。液晶パネルは4.3型の大画面で、スムーズに操作できる静電容量式のタッチパネル式とした。

  • A4印刷に対応したEW-M873T。液晶パネルは、操作性に優れる静電容量式のタッチパネルとした

  • ボトルからドボドボと注げる大容量インクタンクを搭載する

大容量インクタンクを搭載しており、インクを満タンに補充した状態だとA4カラー文書を6,000枚以上もプリントできる。印刷コストは、L判写真が約6.9円(用紙代込み)、A4カラー文書が約1.6円、A4モノクロ文書が約0.7円と、インクカートリッジ式モデルの数分の1に抑えた。

プリンターのインク充填やWi-Fi設定などのセットアップを、スマホを利用して簡単に実行する機能も追加した。セットアップ前のプリンターに専用アプリを導入したスマホを近づけるだけでBluetooth LEで自動接続し、画面上でセットアップ方法をガイドしてくれる。

給紙は、2段給紙に対応した前面カセット、リアのオートシートフィーダーに加え、用紙を曲げずに給紙できる背面ストレート給紙機構も搭載。最大1.3mmの厚さの用紙にも印刷できるようにした。L判の印刷速度は約19秒。CD/DVDのレーベル印刷機能も備えた。前面の排紙トレイは電動で開閉し、手で引き出す手間がない。

  • 前面給紙カセットは2段給紙に対応し、A4普通紙と写真用紙を同時にセットできる

  • 背面ストレート給紙機構も備え、1mmを超える厚い用紙も給紙できる

シリーズのバリエーションモデルとして、A3ノビ印刷に対応した「EW-M973A3T」も用意する。印刷コストや基本性能はEW-M873Tと同じ。

  • A3ノビ印刷に対応した「EW-M973A3T」

  • 前面給紙カセットはA4判までで、大きなサイズの用紙は背面からの給紙となる

実売1万円台半ば、在宅勤務に向く激安の複合機も

在宅勤務に向く機能を網羅したインクカートリッジ式の低価格複合機「EW-M530F」も新たに投入する。前面給紙カセット、自動両面印刷、スキャナー部のADF、ファックスなど機能を充実させながら、実売価格は1万円台半ばと激安。

  • 実売1万円台半ばの激安複合機「EW-M530F」。インクカートリッジ式なので、印刷コストは安くない

インクカートリッジ式の「カラリオ」は小変更にとどまる

インクカートリッジ式の「カラリオ」は、前述のスマホ利用の簡単セットアップ機能の搭載やスクエア用紙への対応など、小幅な改良にとどめた。主力モデル「EP-883A」は、利用頻度が減った有線LANやIrDAを廃止した。

  • カラリオの主力モデル「EP-883A」

  • 前面2段給紙に対応する「EP-813A」

  • 装備を抑えた小型モデル「EP-713A」

  • 新たにブラックモデルを投入する「EW-M752TB」

  • はがき印刷プリンター「PF-81-2021」