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【この記事のエキスパート】
自転車整備士:椿 直之
大手スーパーに4年、ホームセンターに5年勤務した経験を活かし、販売していた商品の特徴や使い方などをご紹介。
現在は独立して自転車店を経営している。
大学のイベントで点検会を開催したり、自転車整備士を目指す方々に向けた研修で講師を務めたりしているため、自転車関連の知識が豊富。
特に年齢別、タイプ別、用途別での自転車の選び方などの紹介に定評がある。
もともとトラック競技用の自転車だった「ピストバイク」。2007年にアメリカからピストバイクカルチャーが上陸し、日本のストリートカルチャーの世界で大ヒットしました。近年では、おしゃれなデザインでかっこいい製品もあるので、通勤や街乗り用として乗る人も。この記事では、ピストバイクの選び方とおすすめ商品を紹介します。
通勤や旅行にも
ピストバイクとは
ピストバイクは、もともと競技用トラック上の走りに特化しており、ブレーキがついていない状態が本来の姿。ただし現在では公道を走るためにはブレーキをつける必要があります。変速機がついておらず、ギアが1枚しかないのが大きな特徴です。
壊れやすい変速機がついていないため、故障が少なく頑丈なつくりもポイント。もともと競技用だったことからスピード感も味わえます。通勤はもちろん、旅行など遠出する場合にもふさわしい自転車です。カスタマイズを楽しむことができるので、おしゃれにかっこよく乗るために自分にあったものを選んでくださいね。
ピストバイクのメリット
すぐれたメンテナンス性の高さがピストバイクのメリットです。速く走るためにシンプルな構造かつ強度が高いため、壊れにくくメンテナンスがしやすいのがポイント。
そのシンプルなつくりがカスタムのしやすさや、おしゃれな見た目の美しさにも直結しています。クラシカルなデザインやヨーロピアンなデザインも登場しており、ファッション性の高さもメリットといえるでしょう。忘れてはいけないのがピストバイク特有の固定ギアの存在です。ペダルを踏んだ力がほぼそのまま車輪に伝わるため、自転車との一体感を感じられます。
ピストバイクのデメリット
ピストバイクは、シティサイクルに代表される一般的な自転車のようなパーツはついていません。たとえば、荷物用の「カゴ」、自立用の「スタンド」、雨の日に便利な「泥除け」を備えていため、必要があればカスタムすることになります。
このようなパーツがない機能美を評価する人にとっては、メリットです。ピストバイク特有の固定ギアは、基本的にこぎ続ける必要があります。坂道でもペダルを回し続ける必要性をデメリットと感じる人がいるかもしれません。ただフリーギアを選んでおけば一般的な自転車のように乗ることもできます。
ギアやフレームなど
ピストバイクの選び方
まずはピストバイクの選び方をチェックしていきましょう。自分の使い方にぴったりのピストバイクを選ぶために参考にしてみてくださいね。
ギアで選ぶ
ピストバイクのギアには、フリーギア・固定ギアなどの種類があります。ここでは使用するシーンに合ったピストバイクの選び方をみていきましょう。
街乗りにはフリーギア
カフェや買い物に出かけるなど街乗りとして気軽に乗る場合、フリーギアを選ぶといいでしょう。今まで乗り慣れた自転車と同じギアなので、練習しなくてもスムーズな走りを堪能できます。
街乗りにふさわしいフレームの形状は、トップチューブがシートからヘッドへかけて下がっている、ピストバイク特有の「パシュート」。逆スローピングとも呼ばれ「ホリゾンタル」よりこぎ出しが軽いのが特徴です。信号が多くストップ&ゴーが連続する環境だとパシュートのよさを実感できるでしょう。前傾姿勢気味になるので、スピードも速くなります。
曲乗りには固定ギア
トリックに不可欠なのが固定ギア。そしてトリックにもさまざまありますが、ドリフト的なスキッドに挑戦するならハンドル選びに注意しましょう。ライザーバーやブルホーンハンドルを選ぶことが大切です。
またトリックの初心者の場合、重心が低いピストバイクを選ぶとバイクをコントロールしやすくなります。たとえばスローピングと呼ばれる、トップチューブの後ろがサドル方向に下がるフレームだと低重心です。
サイズで選ぶ
サイズ表記はブランドによって、数字かS・M・Lなどアルファベットが使われています。「適応身長」を目安として提示していることが多いのでチェックしましょう。フレームは大きいほうが長距離走行でも疲れにくい、という意見もありますが、気をつけたいのは股下の長さです。
股下が足らなくなる、といった事態を避けるためにメーカーが公表している「スダンドオーバーハイト」が役立ちます。スタンドオーバーハイトが低いモデルであれば、ひと回り大きなサイズも乗りこなせるからです。
フレーム素材で選ぶ
ピストバイクのフレームには、アルミ・クロモリ・カーボンなどの素材が使われています。フレーム素材も確認しましょう。
軽量で低価格なアルミフレーム
アルミ素材のフレームは、重量がありながらも軽量でサビにも強い特徴があります。一般的な自転車によく使われている素材になります。
重量感があるので、ペダルを踏み込むことで加速力にも繋がります。リーズナブルな価格帯で初心者の人にもおすすめのフレーム素材です。
耐久性重視ならクロモリフレーム
クロモリフレームは、炭素棒にクロムとモリブデンを配合した合金のことを指します。鉄よりサビにくく、加工しやすい特徴があります。
一番の魅力は高い耐久性から、長く愛用できるメリットがあります。軽量で強度が高い素材を求めている人におすすめ。
カーボンフレームなら抜群の乗り心地
カーボンフレームは、炭素繊維強化プラスチックが使われているので振動吸収性の高い特徴があります。それにより、安定して乗り心地での走行が可能となります。
スピード重視でプロも愛用している素材です。一方で、大きな衝撃に弱いというデメリットがあります。
使用シーンから選ぶ
実際に使用するシーンをイメージして選んでみてくださいね。
自分好みにしたいならカスタム可能モデル
ピストバイクは、さまざまなパーツを好みや用途に合わせてカスタマイズすることができます。
シンプルなデザインが好みの人はカスタマイズする必要がありませんが、自分でカスタマイズを楽しみたい人は、カスタマイズ可能なモデルを選びましょう。
スムーズな乗り降りにはスローピング仕様
スローピング仕様は、トップチューブがシートチューブに向かって、下がっている仕様になります。パーツを最低限にし、製造しているので軽量化を実現させています。
足が跨ぎやすい構造になっているので、スムーズに乗り降りをすることが可能です。
安全走行には、ブレーキがあるタイプを
ピスバイクは、ブレーキがついていないタイプのノーブレーキピストバイクが海外では一般的です。日本では道路交通法違反に該当するのでブレーキがないタイプで公道を走ることができません。
海外メーカーやブランドのピストバイクはブレーキがついていないものがあるので、予め確認が必要です。
ハンドルの形状で選ぶ
ハンドルの形状もチェックしておきましょう。あなたが握りやすいハンドルはどのタイプか参考にしてください。
初心者にはフラットバーハンドル
フラットバーハンドルは、一般的な自転車にも採用されているストレート型のハンドルになります。ハンドル操作が容易なので、ピストバイク初心者でも扱いやすいのですぐに慣れるはずです。
タウンユースが通常になるので、小回り走行にも最適です。
スピードを出したいならドロップハンドル
ハンドルの形状にクセがあるので慣れるまでに時間はかかりますが、上半身への負担を軽減しながらスピードが出せるはずです。
長時間の走行でも疲れにくく、スピード感のある高速走行をしたい人ならドロップハンドルタイプがおすすめ。
街乗りにはブルホーンハンドル
牛の角のような形状がブルホーンハンドルになります。ハンドルグリップの部分が先端の前方に位置するために、前傾姿勢を保ちスピードが出るというメリットがあります
競技用の自転車に使われることが多く、トライアスロンなどの自転車競技のバイクでよく見られるハンドルです。
メーカー・ブランドで選ぶ
ここでは、メーカーの特徴をみていきましょう。メーカーのモノづくりへの哲学に共感して購入するのもひとつの方法です。
「ストリート最速」を掲げるLEADER BIKES
アメリカ、カルフォルニア発ピストブランド「LEADER」。「ストリート最速」を掲げ、独自のエアロ形状をもつフレーム群を発表しています。この独自のフレームは、他社がクラシカルなピストフレームを打ち出しているなか、とてもユニークな存在です。
エアロダイナミクス(空力)・軽さ・耐久性を備えるべく研究しつくされたフレームは、とてもスタイリッシュな仕上がりで人気を集めています。
クロモリバイクにこだわり続けるFUJI
120年をこえる歴史をもち、クロモリバイクにこだわるFUJI。競技用のコンペティションバイクの開発に情熱を傾けているメーカーとして知られています。ピストバイクのすぐれたモデルを数多く輩出しており、なかでも価格・デザイン・機能性のバランスがよく、定番といえるのがFeather。
完成度の高さから毎年大きなモデルチェンジをしないことで知られています。スルスルと速度が上がり街を駆け抜ける感覚を満喫でき、ファンが多いのもうなずけるモデルです。
東京生まれ東京育ちのCARTEL BIKES
西麻布のピストバイクショップDinerが手がけるプライベートブランド、Cartel Bikes。「Experience your road」というコンセプトを掲げ、スムーズなシルエットをもつシンプルなバイクを手がけています。
定番のクロモリバイクを、小柄な女性も楽しめるようにサイズダウンしたモデルも発売されているのがポイントです。
自転車整備士がアドバイス
トリックには固定ギア、街乗りにはフリーギア
【エキスパートのコメント】
ピストは車輪の左右にギアがついており、車輪を反対に取り付けることにより固定ギアかフリーギアを選べる仕組みになっているものがあります。ふだん、足として使うときはフリーギア、トリックで遊びたいときは固定ギアに変更するというようにシーンに合わせて楽しむことができます。
ただし固定ギアのダイレクトなペダリングで街を走る感覚も、慣れると爽快ですのでチャレンジされることをおすすめします。