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【この記事のエキスパート】
ソムリエ/フランスチーズ鑑評騎士:福田 友一

ソムリエ/フランスチーズ鑑評騎士:福田 友一

ホテル、レストランでソムリエの修業を積み、株式会社フェルミエ入社。
ワインショップ勤務を経てチーズとワインの専門店「ランス」開業。
店内でチーズとワインを楽しんだり、購入する事も可能です。

シュヴァリエ・デュ・タストフロマージュ(フランスチーズ鑑評騎士)
セル=シュール=シェール大使叙任
日本ソムリエ協会認定ソムリエ


バローロワインは、イタリア北西部のピエモンテ州で造られる伝統的な赤ワイン。「ワインの王」と称され、しっかりとした渋みと、香り高い果実味が特徴です。本記事は、ソムリエの福田友一さんのアドバイスをもとに、バローロワイン選び方とおすすめ商品をご紹介します。

イタリアワインの王様「バローロワイン」とは?

「王のワインにして、ワインの王」とも称されるイタリアを代表するワイン。バローロと名乗ることができるのは、畑の土壌や収穫量など、多くの厳しい規定をクリアしたワインだけなのです。熟成期間は3年、そのうち1年半から2年は木樽で、アルコール度数は13%以上と定められています。

また使用される品種は黒ブドウの一種「ネッビオーロ」。色が薄く、力強いタンニンと酸味豊かな味わいが特徴です。ラズベリーやクランベリーなどのやさしい香りと、甘草のような甘みがブレンドされたエレガントさもあります。

数千円から数万円まで価格に幅があります。安いからおいしくないというわけではありません。シンプルで要素が理解しやすいため、まずは数千円のものから試して味わうのがいいでしょう。

産地や特徴で
バローロワインの選び方

産地ごとに風味や味わいが異なるので、まずは産地の特徴から見ていきましょう。製造方法の違いによってもタンニンや果実味、芳醇な香りが異なります。

東側、西側で本当に味わいが変わります。それもバローロワインを楽しむ要素のひとつです。「当たり年」といわれるヴィンテージの年代もご紹介しますね。

ポイントは下記。

【1】産地で異なるワインの味わい
【2】熟成度で「伝統派とモダン派」現代では折衷型も
【3】評価が高い製造年を調べておく

上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。

【1】産地で異なるワインの味わい

ひと口にバローロワインといっても、産地ごとに味わいや香りなどの特徴は異なります。力強い男性的なワイン、エレガントで女性的なワインなどさまざまですが、全体的に深みのある味わいが特徴。

生産地の位置が西側、東側で味わいが異なると言われています。それぞれの産地の特徴を詳しく見ていきましょう。

酸味の余韻「カスティリオーネ・ファレット村」産

ワインの味わいの構成の土台になるのが、土壌の個性=ミネラル感です。北東部にある「カスティリオーネ・ファレット」は、砂質と石灰が混ざり合った複雑な土壌。

カスティリオーネ・ファレット産のバローロは、エレガントで香り高く、やわらかい味わいが特徴です。酸味の余韻が長く、フルーティーでエレガント。比較的酸味や渋みのバランスがとれたワインです。

重厚でスパイシー「セッラルンガ・ダルバ村」産

出典:Amazon

南東部にある「セッラルンガ・ダルバ」の土壌には鉄分が多く含まれており、ワインも重厚な味わい。骨格もしっかりしているので、強い酸味も感じやすく、長期熟成向きのワインです。全体的にはスパイシーな印象ですが、タンニンの渋みがあるワインばかりではなく、軽めのワインも多くあります。

鉄分による重厚さのなかにも、スパイスなどの華やかさを感じさせます。重めのタイプがお好みの方にお勧めできます。濃く重いタイプがお好みの方におすすめできます。

力強く複雑な味わい「モンフォルテ・ダルバ村」産

出典:Amazon

バローロのなかでも「モンフォルテ・ダルバ」は、泥灰土(でいかいど)で鉄分が多い土壌。力強く複雑な味わいが特徴です。

骨格がしっかりしていて酸味も強く感じられます。タンニンが豊富なので男性的で厳格な印象。濃い、重いとはまた違った「頑丈」な味わいがあります。

アロマティックでやわらかい「ラ・モッラ村」産

出典:Yahoo!ショッピング

北西部の「ラ・モッラ」は標高約500mに位置し、マンガンやマグネシウム、石灰質が多い土壌。ラ・モッラ産のバローロはアロマティックでやわらかい味わいです。バランスにすぐれ、エレガントで女性的なワインとも表現されます。

バリック(ワインを熟成させる樽)を使用している生産者も多く、シルキーで絶妙な風味が加わります。タンニンの渋みや酸の強さが苦手な方にもっともおすすめできます。果実味のやわらかさを兼ね備えています。

果実味に富んだバランス型「バローロ村」産

出典:Yahoo!ショッピング

北西部にある「バローロ」は、ラ・モッラのエレガントさと、モンフォルテ・ダルバの力強さをあわせ持つワインです。果実味とシルキーさも感じられ、バランスがよく芳醇。まろやかで繊細な味わいです。

まさにザ・バローロの雰囲気のあるワインです。単体で飲むよりも、食卓に置いてお料理と合わせるのがおすすめ。さまざまな料理ともマリアージュしやすいでしょう。

【2】熟成度で「伝統派とモダン派」現代では折衷型も

出典:Amazon

伝統派は、大樽での4~8年の長期熟成が特徴。タンニンが強いので、飲みごろまでに何年もかかりますが、酸化熟成によってオレンジがかった色合いやドライフルーツのような香りも。一方のモダン派は、フレンチオークの小樽で1年半~2年の短期の熟成が特徴。若々しい果実味やオーク樽で香りつけされた凝縮感もあり、長期熟成されていなくてもバローロらしさを味わえます。

強い要素が調和する熟成した伝統派は、しっかりとした食事と一緒に、また現代的な製法のバローロは上品さを兼ね備えますので、おつまみと一緒にワイン単体でも楽しめます。

近年では両方をミックスした折衷型を取り入れる生産者が増えています。それぞれの土地に対してベストな製法で造られているので、製法にこだわらず、自分にとっておいしいワインを探してみましょう。

【3】評価が高い製造年を調べておく

出典:Amazon

当たり年は、ブドウのできによって評価されます。ヴィンテージチャートによると「1989年、1990年、1995年、1996年、1997年、1998年、1999年、2000年、2001年、2004年、2007年、2009年、2010年」が秀逸。なかでも「2010年、2001年、1996年」がいいといわれています。

2010年はバローロにとってパーフェクトヴィンテージ。涼しい気候だったので、上品でエレガントさの際立つワインに。2030年ごろが飲みごろといわれています。

2001年は昼間は暑く、夜は涼しい気候が続いたので、しっかりとブドウに糖分が蓄えられ、タンニンも豊富になっています。

そして1996年は、寒暖差もありましたが、バローロにとってはいい気候だったので長期熟成型に仕上がり、そろそろ飲みごろを迎えています。ヴィンテージに悩んだ際の参考に、年代を意識するのもいいかもしれませんね。

当たり年のワインは、時間がたつにつれ高価になりますので、熟成を前提に早いうちに購入するといいでしょう。当たり年のワインでも熟成環境によって酸化や劣化を招くことがありますので、しっかりとしたワインショップや信頼の高いショッピングサイトで購入されることをおすすめします。

ソムリエからのアドバイス
特徴を理解してから好みに合うものを選ぼう

【エキスパートのコメント】

バローロという銘柄でも、お値段、味わい、それがお好みに合うか合わないかがはっきりと分かれています。なにもわからないまま購入されると、お好みでない味わいであったり、そして高いと感じてしまうことがあります。よって、バローロワインの特徴を少し理解して、相談できるワインショップやショッピングサイトでお好みに合う味わいをお選びになるのがいいでしょう。

選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)