俳優の長谷川博己が主演を務めるNHK大河ドラマ『麒麟がくる』(毎週日曜20:00~)の第26回「三淵の奸(かん)計」(4日放送)で、二条晴良を演じるお笑い芸人の小籔千豊が初登場する。
小籔が演じる二条晴良は、二条家の当主。永禄11年(1568)より、関白職。公家同士の力関係の中で、近衛前久(本郷奏多)と対立する。
小籔は、オファーを受けたときの心境を「本当にビックリしましたし、『きっと悪いヤツの役なんだろうな』と思いましたね。嫌みったらしい悪い役を演じる人はいないかと考えていた制作スタッフが、別の作品を見て『こいつ憎らしいな』と思い、入れてやろうかみたいになったのではないかと、勝手に想像しています(笑)」と述べ、「レギュラー番組をいくつかやらせていただいていますが、他局の方からも『大河ドラマ出演おめでとうございます』と言われました。『あの番組面白かったですね』という感想はいただきますが、出演が決まったことで『おめでとうございます』と言われたのが初めてでしたので、驚きました。『座長就任おめでとうございます』以外に言われたことはないかもしれません」と反響を明かす。
そして、二条晴良役について「公家のイメージがどうしても想像の範囲でしかありませんが、演出の方やプロデューサーの方からどういう感じの役なのか事前にお話を伺ったので、そのイメージを守って演じていきたいです。公家でも、将軍を利用して自分の権力を誇大にしていこうという人や、パワーバランスを気にして出世を虎視眈々と狙っている人など、ある人から見たら悪い人、ある人から見たら利用価値がある人がいて、こういう世界はサラリーマンの社会でもあるのかなと思い、現代の人の感覚に照らし合わせてやっていこうと思っています」と説明。
「ある方向から見たら悪だけど、ある方向から見たら悪ではないということは、きっとみなさんの身近な世界にもあると思います」とし、「二条は近衛前久と対立する立場で、作品としては近衛目線で描かれるので、視聴者のみなさんは、二条晴良は腹立つなとか、いやらしいヤツだなという印象を持つと思いますが、二条としては別に憎たらしいことを言おうとしているのではなく、二条にもある種の正義があり、ちゃんとした政治をしたいという思いから、自分は正しいことをしていると思い、やっていたのではないでしょうか」と理解している。
また、「所作指導の先生やことば指導の方についていただき、袖の持ち方や笏(しゃく)の持つ位置など、逐一教えていただいています。さすが大河ドラマ。盤石の布陣ですね! 何とか僕でも所作は公家に近い形に出来ていると思います」と所作指導の様子を紹介。「本当は馬に乗って誰かを斬ってみたかったですが、今回は公家ですし、忍法を使って誰かを暗殺するシーンもありませんので(笑)、粛々と公家に近づけるように努力していきたいです」と意気込む。
さらに、「僕としてはできるだけドラマの世界に馴染みたいので、『あいつ出てたんか?』と言われるくらいになりたいですし、近衛さんや他の方を通して『二条は嫌なヤツだ』と思ってご覧いただけたらありがたいです。近衛前久役の本郷奏多さんがすごく素敵な俳優さんですので、本郷さんをみなさんで応援していただき、そして僕を憎んでいただけたらと思います」と呼びかけている。
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