朝日酒造は10月1日、「久保田 純米大吟醸」のデザインをリニューアルするとともに、新たに300mlサイズを追加した。これに先駆けて行われたペアリング試飲会では「久保田 純米大吟醸」の特長とペアリング料理が提供された。
黒を基調にしたデザインに変わった「久保田 純米大吟醸」
「寿」を関する商品を中心に展開を行ってきた朝日酒造が、2017年に行った挑戦の結果の1つが「久保田 純米大吟醸」だ。
日本酒になじみが少ない方、久保田を飲んだことのない人に向けて作られた「久保田 純米大吟醸」は、2017年6月・7月に季節限定商品として登場するや話題を呼び、2018年4月より通年商品として販売を開始した。その特徴は香りと甘味、そして切れの融合。火入れ後に冷却用の熱交換機を通して一気に冷却することで香り高さを保っているという。
そして2019年、同社は「久保田」のリブランディングを開始した。久保田ファンから支持の高い「萬寿」「千寿」をラインとして拡充するとともに、新規ユーザーに向けて飲用シーンを提案する新商品を始めている。今回の「久保田 純米大吟醸」のデザインリニューアルと300ml瓶の追加も、その一環といえる。
デザインリニューアルの背景にある理由は2つ。1つは「寿」ラインとの同質化を解消し、個性や特徴をハッキリと打ち出すこと。もう1つが、和食のみならず、洋食やカジュアルシーンにもふさわしいデザインの実現だ。デザインを変えるにあたっては「シャープさ」「キリッと」「気軽さ」「香り・甘み」などがキーワードになったという。
従来、久保田のラベルといえば「白い和紙に筆文字で久保田、そして落款」だったが、リニューアルされたデザインでは筆文字は継承しつつ、バックを黒にして、久保田の味の特賞である“切れ”を表現したそうだ。
筆文字以外に、英字による商品名や特長の記載も行われている。これはデザイン性のみならず、海外で久保田を求められる方にも久保田の味をわかりやすく伝えたいという考え、そして新たな挑戦を示す意味があるという。
新デザインの「久保田 純米大吟醸」は2020年10月1日より、1,800ml:3,400円 (化粧箱なし3,300円)、720ml:1,570円 (化粧箱なし1,520円)、300ml:化粧箱なし750円で店頭販売が開始されている(※価格はすべて税抜)。
久保田 純米大吟醸をより楽しめるペアリング料理
「久保田 純米大吟醸」のデザインリニューアルを記念して、メディア向けに開催されたペアリング試飲会では、フランス大使館の公邸料理人も務めた出張料理人、山吹心之助シェフによるペアリング料理3品を楽しむことができた。
山吹さんは「『久保田 純米大吟醸に合う洋食を』という形でオファーを頂いたのですが、どんな料理でも合ってしまうすごくバランスが良いお酒ですので、逆に難しさを感じました。特徴的な甘みに魅力を感じましたので、今回はそこにフィーチャーして、フルーツを使った料理を組ませていただきました」と語る。
前菜は「初秋のフルーツカプレーゼ」。プチトマトとマスカット、ブドウ、銀杏にモッツラレラチーズに、オリーブオイル、白ワインビネガーをベースに塩、コショウ、レモン果汁、ディルを絡めたもので、さっぱりとした甘みと鮮やかな彩が続く料理を期待させてくれる。
メインは「鶏のスパイシーロースト 桃とバジルのソース」。あらかじめ塩コショウで下味をつけフライパンで焼いた鶏もも肉に、はちみつを塗りカレーパウダーをまぶし、ガスバーナーで皮目をパリッと焼き上げたものだ。これを、桃とバジルを合わせオリーブオイル等で整えたソースとともに頂くと、香ばしさと果物の甘みが融合したなんとも言えない味わいが広がる。そして「久保田 純米大吟醸」の切れがこの料理をさらに引き立ててくれる。
デザートは「紅葉フルーツテリーヌ」。クリームチーズ、カマンベールチーズに旬のサツマイモや柿、カボチャなどを混ぜ込み、フライパンで焼いたものだ。「久保田 純米大吟醸」の甘みが、甘さを抑えたこのデザートをより味わい深いものにしてくれた。
この他、日本酒が苦手な方でも飲みやすくなる方法として、輪切りのレモンを加えた飲み方なども紹介された。ご家庭で「久保田 純米大吟醸」に合わせた料理を作られる方は、ぜひ今回の料理を参考にしてほしい。より一層、その味を深く楽しめるはずだ。